2025年10月04日

オーガニックビレッジ連携会議EAST東京

挨拶

obara-sotaro.jpg小原荘太郎 第2回オーガニックビレッジ連携会議EAST東京。京都でも開催しているので2回目以上なのだが、まず環境対策課長松本様。関東農政局の田久保課長、農業環境対策課の鈴木課長補佐が参加されている。主催挨拶ということで、オーガニックフォーラムジャパン徳江会長から挨拶を。

徳江倫明 京都でも2回目が終わっている。オーガニックビレッジ宣言をする自治体が増えてきて、どう広げていくか、その主体が自治体となることで、いいことなのだが、助成金の事業で最初は3年あったのだが、今度は2年間になったと。大事なことだが、3年で計画を作ってそれ以降も自治体が取り組んでいくには民間との連携が欠かせないだろう。そして、オーガニックが増えていくのはいいのだがどこで売るのかと。また、生産の基盤を作っていくには新たに有機農産物を作っていく農家がいないと絵に描いた餅になってしまう。そのためにどう技術を開発するのか。それは販売を含めて民間との連携がないとできないと。

 さて、EASTとWASTでは毎回アンケート調査をするのだが、今回、参加する自治体からのアンケートを分析したので、これをやっていただいた田中さんの方からも報告をしてもらいたいと思っている。また、オーガニックビレッジで声をあげている首長さんが横の連携をしようという動きも出てきている。

松本賢英 有機農産物の需要の拡大はしているが、まだ、オーガニックを一般の人が買う状況にまではなっていないので、消費者の理解と流通コストを下げることが重要かなと思っている。また、最近では学校給食で有機農産物を使う動きが広がってきている。生産者にとっては安定した出荷先になるし、子どもたちの食育にもなる。オーガニックビレッジも手をあげたものが150以上あるのだが、このうちの9割が有機学校給食をしている。全国では278の市町村で給食に有機農産物を導入しているのでかなりの割合になってきている。そして、有機農業は移住促進とか地域再生にも役立っている。多くの関係者からさらなる推進に向けた意見交換をさせていただいているが、本日いただくご意見も参考にさせていただきたい。

小原荘太郎 今日は基調講演としての情報提供をいただくが、最初に自己紹介をお願いしたい(略)。

自治体と連携して

小原壮太郎 石井商品の石井智康様、お願いします。

味、健康、素材にこだわり有機素材でのハンバーグづくりに着手

20251004017S.JPG 石井食品はミートボールやハンバーグを作っている会社だが、八千代町、京丹波、佐賀県唐津に工場がある。本当に美味しいものを作る。体にも心にもいいものを作る。厳選素材にこだわる。これを前から心がけている。そこで、ミートボールの前は佃煮を作っていた会社である。そこで、いろんな加工ができる。そこで、地域とどうつながっていくかで第四創業期として、いろんな地域と連携して、旬のものを使った「栗ご飯」とか、ハンバーグであっても亀岡市ではタマネギを活用している。その中で、ミートボールもオーガニックを目指している。2023年からイタリアのアルチェネロの有機トマトペーストを使った環境にやさしいミートボールを作っている。今、将来は、タマネギ、パン粉もオーガニックを目指している。

京丹波町と連携してまめたんハンバーグを開発

20251004018S.JPG 地域とどう連携するかで学校給食が焦点となって、京丹波町には工場があるので、ここの給食センターとコラボできないかと。そこで、最初に「イシイの日」を設定して、弊社のハンバーグをそのまま出すことをした。これも給食センターの栄養教諭とつながった。次が一緒に地元野菜を活用した野菜スープを作ると。次が丹波高原ネギ、有機の生産者の取り組みで食材を出してもらえるので。それに対して生徒も興味を持ってくれて、不登校の生徒さんが「イシイの給食が出るから学校に来る」とかが起きてきた。それに対して、弊社の社員も感激したのだが、ただ給食として食べるだけでなく、学びのコンテンツとして、今、黒豆を使ったハンバーグ「まめたんバーグ」を開発している。

いきなりの有機ではなく地場農産物から信頼関係づくりを

ishii-tomoyasu.jpg 給食は今までの常識やオペレーションがあって、それから外れることが簡単ではない。ただ、ライトに商品を使うとか素材を提供することから信頼関係を得て、次が有機食材となっている。いきなり有機食材だとレベルが高いので、地元食材だけでも安定供給するにはどうするのとなると違うオペレーションになっていく。子どもたちの喜びとかで一緒のチーム関係を築ける。有機と慣行と何が違うのか。そうしたことを学びのコンテンツとして提供して行きたい。

ラムサール条約とコウノトリから始まった小山市の有機

小原荘太郎 オーガニック給食の現状とこれからということで浅野正富さま

asano-masatomi.jpg浅野正富 5分間ということでプレゼンなしで口で説明したい。始めたのは2012年からで、ラムサール条約に渡良瀬遊水地が登録されるということで、豊岡市も同じく登録されたのだが、豊岡市の方はコウノトリが来ている。そこで、コウノトリが定着・繁殖する湿地を目指したいということで、それには、周辺の水田が生物多様性が豊かな水田でないとダメだということで、当初4.4haを冬水田んぼ、うち1.9haを有機でやった。翌年には全部が有機となり、現在は8haになっていて、その周辺が特別栽培米となっている。おかげで、2018年からコウノトリが定着し、2022年から繁殖を始めた。そこで、有機稲作を始めたのだが、それ以上の拡大が難しい中で、2020年に私が市長になって2021年に「みどりの食料システム戦略」が出された。当時は有機農業面積が0.6%しかなかったので「農業関係者も実現するのかな」と思っていたのだが、EUではF2Fということでこれが国際的な潮流だろうと。「国の政策が変わることはないだろう」ということで、小山市も進んでいこうということで、翌年からオーガニックビレッジに手をあげて進めていくこととした。

給食の半分を有機米にする目標を立て2年前倒しで達成

 その時に、まず農業者に有機農産物を作ってもらっても、それがはけなければいけないということで、それには、公共調達が必要だろうと。学校給食で公共調達をすることで安心して作っていただけると。そして、子どもたちも美味しい、安全ということで家庭でも食べてもらえれば需要が拡大していくのではないかと。それが決め手になると。

 ちょうど、その頃、千葉県いすみ市が全量有機米を達成していた。稲葉光圀さんから指導を得ているという情報を一早く入手していたことから、オーガニックを柱に進めたわけである。2023年3月に実施計画を策定したのだが、その時に目標をどうしようかとなった。小山市は33校で1日に1万4,000食。有機米には66㏊が必要である。その年は有機の水田は10㏊いくかいかないかであったので、まずは半分を有機にすることを目指した。給食は年間150回以上あるが、令和9年、2027年に30㏊を目標にして立てた。その後、市内の農業者にお願いした結果、昨年が22㏊、今年度は30㏊で2年前倒しで実現している。今年は給食150回のうち50回が有機なのだが、来年は半分になると。

 2022年10月に第1回の「オーガニック給食フォーラム」が開催され、翌年6月に協議会が立ち上がった。そして、昨年11月にオーガニック給食フォーラムが常陸大宮市で開始されたが、会場で900名参加した。非常に有機給食に関心を持たれているのだが、この5月から代表になり、来年の7月25日、26日に第3回を開始することになっている。そこで、有機野菜も導入しようと。小学校では1日9,000食あるのだが、米飯が150回あるので、その時に有機野菜も年に数回だが、出せるようにと全小学校で提供している。来年7月には全国の皆様とさらに拡大するようなフォーラムにしていきたい。

石川明 亀岡市副市長の石川です。私から提案をしたい。オーガニックの流れができつつあるので、オーガニックビレッジを宣言した首長がリーダーシップを発揮する場が必要である。そこで、10月に木更津市長と連携して、来年には設立総会をしたい。



小原壮太郎 では次に有機農業白書を作られている小松光さんから。

坂ノ途中は調査で規模以下の有機農業の実態を見える化した

20251004023S.JPG小松光 有機農業の実態を可視化したのが白書だが、今日は白書の話よりもそこから派生した話をしたい。まず、有機農業を始める人の多くは新規参入者でバックグラウンドがない。頑張って背中を押されるのだがそれで生活ができるのか、それがわからない。それでは良くないので、それに手当てをしている事例を二つ話したい。

 まず、有機農業白書を出したのだが、それは「坂ノ途中」の提携生産者が主で、全国流通に農産物を載せることができるある程度以上の農家である。自治体であれば地域内にいる生産者全体のことがわかりたいが、それは白書からはわからない。そこで、全体を対象とした調査を我々は北杜市でしている。北杜市においてそうした話をしたら「市としても知りたい」と。

 市としてはまず新規就農で市に来て欲しい。そして、市のどこがいいのか、自分の強みをアピールしたい。そして、最後は、新規参入者が自分にあった農業の形を見つけられるようにしたいと。実際に市に入ってみると色々な人が色々なやり方をしている。「やりはじめる前からわかっていたらよかったのに」と言われることもあるという。

20251004024S.JPG 例えば、所得データをヒストグラムにしてみる。日本では家計の平均が400万円なのだが、北斗市はこれ以上の所得が全体の36%なので、こうした人は残りやすいだろう。ところが、400万円以上の人が経過年数が増えたらそれから所得が伸びるのかというとそうではない。就農してもかなりたっても所得が低いままの人がいる。一方で、5年以内に400万円、600万になっていく人もいる。そこで経営プランが必要だねということになる。

 20251004025S.JPGこれは40人からの所得のデータで作った回帰直線なのだが、まとまっているデータがあるのが1,000万円のところだと。売り上げが1,000万円で所得がかなり残るというのが美味しいゾーンである。この理由の一つはスケール効果である。そこで、所得が残ると。これ以上の売り上げにすると常勤雇用が発生するので、家族プラスバイトの経営がいい。あとは農外事業で利益率が高いのを持っている人もいる。逆に2,000万円とかでは苦しいゾーンなので、まずは就農したら売り上げ1,000万円前後を目指して行きましょう。そして、規模を大きくしたいのであれば、2,500万円以上、3,000万円とかで売上の大きさで所得を出していくことがいいと。そうした情報提供ができると。これはよかった。

新規就農者のためのモデルが見えない浜田市

20251004026S.JPG もう一つは、新規就農者のためのモデルが見えない浜田市。浜田市は有機農業で50年の歴史があり、ハウスで大規模に葉物野菜を作って都市に出すことをしてきた。しかし、今は、大規模農家も雇用者の確保が難しい。また、資材価格が高騰しているので、新規収農者にはハウスは薦められない。

 そこで、農業だけを見ていても解けない。移住、教育等、それ以外のセクターのことも含めて目標の再設定が必要であると。セオリー・オブ・チェンジが必要である。

目の前の問題と長期的な目標の間をはっきりさせる

 20251004027S.JPGでは、他の部門がどうやって目標設定に近づけていけるのかだが、これは、国際開発で使われている図表だが、左側に現在の問題があり、右側のはるか遠くに目標があると。そのために、こういうことを整理していると。しばしば目の前の問題と目標はあっても、その間の経路がわからないことがある。そこで、それを整理すると。

 ということで、まとめだが、北杜市では生産者の経営状況を調査した。そして、新規参入者も市も成り立つ有機農業の形を理解する必要があると。

 浜田市は農業だけではこの問題が解けない。そこで、農業、移住、教育と全体を見ながら、目標を設定し、その中で、農業を位置づける必要があると。

小原壮太郎 自治体ごとにデータを含めた整理がこのようにできると。

小松光 全体像が僕らには見えている。こうした全体像を見ている人間が地域にいくことによって、その自治体のどこにアドバンテージがあるのかをお伝えできるのではないかと。

アンケート結果報告と議論

小原壮太郎 では、ここから、アンケートを集計しているので、田中玲奈さんより報告をしたい。

田中 アンケート結果調査を説明

略(ウェブサイトで結果は公開予定とのこと)。

小原壮太郎 では、前半の情報とアンケート結果を踏まえて、「課題に対してこう解決できた」といった意見を積極的にお願いしたい。

浜田市 島根県浜田市の職員。坂の途中の小松様から事例を紹介いただいたが、R5年4月にオーガニックビレッジ宣言をして、目指すべき姿、いろんな関係機関が関わる理念を作ってやってきたが、生き物調査、給食と色々とやって我々の課だけでやれることでは横展開ができなかった。これから先は単独の課では進められないので、実現するためには関係課が連携してやっていきたい。そこで、自治体内での庁内連携がうまくいっている事例があればありがたい。

石川明 いまの質問への答えではないのだが、坂ノ途中の小松先生の方から「新規農業者の成功モデルが今の中では通用しなくなっているのでチェンジが必要だ」とあった。農業だけでたどり着けないので他の部局との連携が必要になってくるのだが、移住・教育のイメージがわからないのでお伺いしたい。

komatsu-hikaru.jpg小松光 まだ、始まっていないので具体的には言えないのだが、いろんな自治体で「移住者に来てもらいたい」という要望がある。「○○人が来てくれれば、この集落が守れる」と具体的なこととなると我々も協力が可能なのだが、ただ漠然と「来て欲しい」というのでは協力が難しい。また、観光ですでに人が来ているのであれば、それが移住者の予備軍になるし、次にどういう人に来てもらうかのイメージが欲しい。次には、具体的に来ている人にとってどういう障害があるのかと。それがわかると地域の機能を維持した上でのどういう人が移住して欲しいかという移住者の明確化ができる。また、教育では、高校までは地元にいるけれども、それからあとで都市に出ていってしまう。それは、なぜなのか。明治以降、日本は都市に人を提供するために教育がなされてきた。つまり、その教育はどこででも生きていけるための教育だった。それ以前の時代には、その場で生きるという教育があった。これからも普遍的な人間を育成することでいいのか。今でこそ、国を超えてグローバルな普遍的な人材を育成することになっているが、地元で生きていくための人間のための教育とグローバルな人材のための教育とは違う。そのことが議論されてこなかった。プレース・ベース・エドケーション。その教育を受けた人の方が地域を守る行動をする。なので、個人的には教育を考え直すことが必要だと考えている。

小原壮太郎 宮崎県の高鍋町には農業高校もあって。

高鍋町役場 県立の農業大学校と農業高校がある。宮崎県が後押したこともあって、有機農業の講座があるので、令和6年に徳江さんに来てもらって大きな話をしてもらっている。有機JASの取得も目指している。実際、農業高校では施設栽培で有機JASを取得している。そして、高鍋町が令和3年から徳江さんと契約を結ばせてもらって、有機農業の実践について無料で講義を受けられるようにしている。なお、隣の木城町の方が有機農業の歴史が長い。

肘屋 木城町は何のために有機農業を広げるのか。子どもたちへの食、そして、生き生きとした環境のことを考えて仕事をしている。生産者のサポートと新規収農者の確保、オーガニックを中心としたまちづくりを考えている。さて、先ほどの浜田市の話だが、町村だと横の手間が取りやすい。中山間池の地域再生に有機を。JASの需要がないので、有機農業推進室として、まちづくりから色々できることをやっている。

小原壮太郎 連携は川上と川下で二つの町が連携してやろうと町長同士が連携している。徳江さんが指導されて、有機JASの認定組織を作っている。これは広域連携で担い手作りとかの仕掛け作りのモデルかなと。三重県の尾鷲市さんも地域おこし協力隊で甘夏の生産者を確保されていると。

尾鷲市 漁業、林業の町だが、衰退が続くとこのまま続けられるのかなと。農地も少ないが、斜面地に70年も続く甘夏もほぼなくなりつつあった。次世代のためにも特産品を残していけないかと。そこで、新しい事業に飛びついた。移住も協力隊とか外部を取り込むことをしているが、地域での人材不足は本当にやばい。

tokue-michiaki.jpg徳江倫明 僕は別の切り口から。10時半からのセミナーだったのだが「ふるさと住民登録制度」がこの6月に閣議決定された。その提案者が株式会社雨風太陽の高橋博之さんなので、彼と組んで30分ほど話をした。五日市で農業を始めた人が、元は海運事業出身なのだが、あきる野市の市議会議員になっているとか、そういう事例を報告してもらった。新規就農とか、移住したい層は潜在的にものすごく増えている。農水省の方がいる前で言いにくいところもあるが、年間8万人農業者が減ると。だから、大規模化して3町部を10町部にするしかないのだ、という議論になるのだが、千葉県だけでも私が見るところでは、水田を小さくして教室にしてそこで、100人の農家を排出している。また、私の経験では若い人が移住しようとすると農地とか農業技術とかでなくて、子どもにとって学校があるとか病院があるかとかの方が安心感が持てる。それが地域にあるかどうかが一番大きい。五日市に移住した人の娘さんは「通信教育でいい」と。その学校にいくので娘さんの方から先に移住してしまったと。今の時代は可能であればそういう人が山ほどいますよ。その潜在的な層をどう受け入れるか。自治体の設計の仕方を工夫していくと。そのセミナーでは大変に皆さんに共感したので、あまり難しく考えない方がいい。それを自治体で詰めて行った方がいい。これからは、住民票が2カ所に置けますよと。税金も分割して納付するわけで。僕も五日市のシェアハウスで行ったり来たりしていますが。田舎から東京に出てきた50年前の動きが逆になる条件がかなり整ってきたのかなと。

小原壮太郎 日本MX協議会の理事もやっているのだが、田辺町の梅の事例で言うと自腹で交通費を払って収穫体験をするものがある。ビジネスワーカーは体験日は無料。それも、無償で働くために飛行機、宿泊費を使ってくる。そして、満足度が98%でまた来たいと。これはユニリバーで取締役をされていた人間が始めたプロジェクトなのだが、移住者が増えていると。農水省と連携して企業の幹部の研修プログラムとして須崎とか、尾鷲市とか能登町とか富山の魚津市とか。都会の人間は、研修を見ていても都会で人間性を削られている。仕事をしていて30年、涙を流すことがなかったとか。それが、ツアーに参加したら、泣いたり怒ったりできるようになったとか。表情がないので「フランケン」と言われていたのが―僕も以前はそうでしたが―変わったと。つまり、お金を払っても来たいという都市生活者はいるのでそれを呼び込むのもありかなと。

 そして、高鍋町のように農業大学校とか資源があるので。オーガニックも60を超える企業があるし、港区でも食の物流が作れなかったのでビビットガーデンが協力してやるとか。世田谷区でも「風水プロジェクト」という流通会社が独自のものをやっている。品川区は「大治」が入って流通を変えているし、坂ノ途中もやっている。知っているようで知らないこともあるので、つながっているようでつながっていないので。

石井智康 いすみ市は有機農業で有名なのだが、自分は農に興味を持っているのだが、隣町の方が教育が充実しているので、住民ベースで見たら子育てに優しいというと声もある。オーガニックと言っても価値を上げていくには隣の部署と連携することが重要なのかなと。非常食もあるので、市長のトップダウンで部署を無理やりつなげてくれるとできると。話を農政部局に持っていくと動かない。連携することでできるイノベーションのインパクトが大きい。一部署でできることは限られているしすでにやられている。共通目標を見つけることが今日の「坂ノ途中」のセオリーチェンジになるのかなと思っている。

小松光 先ほど関係人口が増えているという話があったが、関係人口は国の統計が出している。また、観光についても国がデータが出している。先日も奥出雲町に行って「移住者を呼びたい」と言われたので、関係人口を調べたらトップ近かった。だったら、その人に対して何をプレゼンするかと。

徳江倫明 ライフスタイルは暮らし方。まさに地域づくり。すると横の連携はあたり前の話なので。木更津市は最初から地域づくりをテーマにしてきた。高鍋の町長も木更津への視察から帰ってきたらすぐに地域づくりになった。三好さんがちょうど地域づくりで関わっているので三好さん。

三好智子 私よりもこの前の席に木更津の担当者の方が座っているのでその方が話した方がいいと思うのだが。

木更津市 木更津市はオーガニックのまちづくりをしている。有機とか持続可能なまちづくりということでオーガニックシティフェスティバルを市の創設記念日にやったりしている。市全体で有機だけでなく、地域循環共生圏、里山の活用とかを8つの部会でいろんなことをやろうとしている。オーガニックな取り組みとしては木更津で有機米に取り組んでいる。昨年で達成率が60%。まだまだ100%に届いていないが、イネカメムシが問題になっている。全体の取り組みとしてオーガニックなまちづくりを進めているのが木更津であると。

小原壮太郎 三好さん何か補足はありませんか。

miyoshi-tomoko.jpg三好智子 学生時代から世界で運動を見てきたのだが、自治体が絡むと色々な人が動く。自治体は農業だけじゃないので、フラットでオーガニックなつながりの仕方もできるので、それぞれがそれぞれの機能でできるので。黒木さん(高鍋町長黒木敏之)にも来ていただいて、うちの市長にも会っていただいて、その後、有機農業をされていて町長にいなっているので。うちのカフェにも来てくれたので。そして、「人とのつながりがすごく大事」と言われたので。地域ごと、自治体ごとの連携が面白いと思う。

古川 高鍋町だが、オーガニックフレンズシティは、自治体同士の連携なのだが、自分のところでの有機が50%なのに、他所に出すのかと。こうしたジレンマを解消できていない。R4年、R5年は走っていたのだが、だんだん課長もうるさくなってきている。「他所で売るのは100%いいのだ」というと、なぜ中で100%に行かないのかと。それには、外堀を埋めるのが必要なので、泉大津市と連携をと。自治体でも内部でジレンマがある。減農薬系は「みどり」の中では認められるのだが、有機系は安価でないと認められない。有機JAS認証は少量多品目とは相性が悪い。企業や輸出には相性がいいのだが。

小原壮太郎 いま、古川さんからリアルな行政マンの話があった。トップダウンで有機専門の部署を作られたと。そして、肘屋さんからは専門であるがゆえに包括的に動かれていると。縦割りをつなぐのが大変だと。こうした結果、古川さんの悩みも解消されるのではないかと。

肘屋 連携というと僕は自分の夢を庁舎内で発信するようにしている。まちづくり担当なのでそれができちゃう。予算を取るので一緒にやろうよと。労力はこちらで持つので、巻き込んでいるのが手っ取り早い。自前で100%でないのに出していいのかということだが、小さい農家をたくさん捉まえたいのが僕の気持ち。兼業でも専業でもいいのだが、こだわった野菜を作ってくれる。それが入ってくると魅力的になってくると。横の連携プラス自分の関係を組み込んでいくこともしているので。

農水省の感想

小原壮太郎 では、農水省の方から感想を。まずは、鈴木課長補佐から。

鈴木課長補佐 いくつかご紹介させていただきたいのは、9月の末に文部科学省と連携で地場産物を活用するためのガイドブックを策定した。千葉県のいすみ市、長野県の松川町、一般的な課題とか、わかりやすくまとめた。また、オーガニックビレッジでは有機JASのための費用が出ているが、生産者の受講料とかを「次代の食と農を作る会」が事務局になっている補助事業がある。

関東農政局 環境とかみどりとかをこれまで担当していなかったので、感想を述べたい。書類処理や計画書で忙殺されているのだが、初めて現場のことがよくわかった。来週以降の仕事に活かせるかなと思っている。

松本課長 今日は、オーガニックビレッジの推進で「こうして欲しい」「ああして欲しい」という要望があるのかなと思ったら、さらに進むために努力をされていることを皆さん発表されていた。オーガニックビレッジを担当されているのは優秀な方たちなのかなと思った。また、有機農業が目的ではなく、いかに街をよくしていくかを考えている。一方で、限られた財源の中でされていることがよくわかった。財源問題は大きいと思う。

坂本 石井食品の商品開発部の坂本である。京丹波町と連携しているのでそれについて話をしたい。今年の10月から減農薬に取り組んでいる。京丹波町は2005年に三つの町、丹波町、瑞穂町、和知町がくっついて誕生したが20周年なので、特別メニューを給食で出そうと。それがマメ炭ハンバーグである。小豆と黒豆をキジに練り込んで、表が黒お豆にした。これは、子どもたちにも覚えやすい。こういうことで地元の特産品を知ると。そして、美味しい。

小原壮太郎 いまの話だが、今日の午前中の話の中で、食糧安全保障の関連で世田谷の中山みずほさんという区議さんが話をされた。23区での有機学校給食の推進には私も関わらせてもらっているのだが、裕福なので、東京都と区の金ですでに給食の無償化ができている。また、現場では調理師から「同じ規格でないと皮が向けない」という声が出ている。しかし、石井さんは手作業で外出して委託できていると。加工の部分がボトルネックであればそういうところに加工品を入れると有機給食が可能だと思うのだが。

石井智康 加工ペーストで保存性も高まるので。

徳江倫明 今日は野菜の一次加工の話をしてくるのかなと思っていた。調理師の過剰労働になってしまうケースが多いので、その一次加工を、煮るとか蒸すとかで供給すると学校給食にとっていい話となると。昨日は有機の冷凍野菜の人たちの話もでたが、それは、神戸にもいる。それが合わさってくると供給の仕方としていい形が作れるのかなと。

小原壮太郎 では、徳江会長からの最後の締めの言葉で終りたい。

徳江倫明 今日、首長さんの会が動き出したことはとても大きい。呼びかけ人の亀岡市の桂川市長がいま動き出している。京都まで行って「どう動くんだ」と市長と確認させてもらった。首長が横につながることがすごく大事である。今日は、非常に希望が持てる提案ではなかったかと。自治体と組んで仕掛けを作っていきたい。キッチンカーの協会があるが、そこの協会が、防災は大きな問題でキッチンカーの基地があって備蓄米とか、何かあったら動けると。同時並行で実現性が高まってきているので。そういう動きもあって。農業法人も作ってかなりの面積で農業法人も設立して。私も長年動いているがここに来て急に発案して動いている人も増えてきているので。この回も続けながら、自治体として動ける体制ができればと思っている。

編集後記

 この内容は2024年10月4日(土)に浜松町都立産業貿易センターの第3会議室で、日本オーガニック会議と全国有機農業推進協議会の主催により、12:30~14:30にかけて開催された「第2回オーガニックビレッジ連携会議EAST東京」の意見交換会の内容をメモしたものである。録音等はしていないので正確さを欠けるがやりとりの雰囲気を感じていただければ幸いである。なお、昨年の事例はこのサイトから動画発信されている。
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食農教育連携オガビレ・フレンズシティ

これからの食料安全保障と地域づくり〜給食がつなぐ食農教育連携オガビレ・フレンズシティ〜

小原荘太郎 日本オーガニック会議執行部・全国有機農業推進協議会理事・事務局長の小原です。農水省のオーガニックビレッジが150を超えて、さらに増えるのではないか。我々の目標というか目的を超える勢いで増えているが、それと比例して学校給食でオーガニックの食材を取り入れているケースも進んでいる。泉大津市の南出市長は消費地として最初に登録された。我々も消費地とオーガニックビレッジとをつないで連携協定を結ぶことを農水省の西審議官と意見交換をしながら進めてきた。生産地と消費地をつなぐ観点で、流通・加工という観点も重要なので今日はビビットガーデンの秋元里奈代表にも来てもらっている。富山県南砺市と中野区も連携すると来ている。そこで、田中幹夫市長にもビデオ参加をいただく。また、港区の清家愛区長からもビデオメッセージが来ている。まず、先進事例の泉大津市の南出市長からプレゼンをいただきたい。

コメ騒動は60年かけて起きた人災

南出賢一 泉大津市は、難波から20分、さらに20分で関西空港という大阪府南部のベイエリアである。人口が7万2,921人。この2、3年でオーガニックが増えている。2019年から2025年にかけ25~39歳の人口増でのランクが全国で29位で明石市を抜いたと。昔から朝廷に献上する米も作ってきた。農業の神さんもいる織物の神様もいるが、織物も産地である。ニニギノミコトということなので、未来の雛形が生まれる続けるまちをしようと。エッジが効いた実証実験をやっている。

 米が昨年は猛暑だったのだが、なぜ米騒動が怒ったのか。5年以上前から予測していた。米消費量が減っている。減反政策が続けられていた。農家の所得が低い。流通構造が複雑。平均年齢が70歳。農家が減っている。米も1960年で120㎏あった消費量が今は50㎏になっている。その上、大手の商社が現地に行って高く買い占めた。さらに2024年は米需要が逼迫しているのに、最大の米を輸出している。一言で言えば、道徳なき経済。米騒動は60年かけて起きた人災である。

これに対する泉大津の対策は金の切れ目が縁の切れ目でない関係性づくり

 自給率は東京が0.5%、神奈川2%、大阪は1%。この三つが日本の人口の25%を占めている。泉大津市の農地面積は2.2%。まさに、金で他から食料を買ってこないと生きていけない。そこで、安全安心のことを提言した。何があっても食べていける町と医食同源を掲げた。

2025100400S.jpg そして、北海道旭川市、長野県上伊那郡南箕輪村、滋賀県東近江市、滋賀県野洲市、和歌山県かつらぎ町、和歌山県日高郡日高川町、高知県香南市、熊本県人吉市、沖縄県石垣市と9つの自治体と連携協定している。オーガニックで契約を交わしてくれませんかと。そうすることで、農家所得を上げることをやってきた。今日は、その立役者である西(経子)先生が来ているが、北海道の旭川市とはオーガニックビレッジ宣言を共同でやった。

 こうすることで連携が2件から12件、20㏊から60㏊に増えた。直近は石垣島にも行ってきた。微生物、先人先達に祈りをささげて、こうやって2泊3日で農業体験をさせてもらって関係をしている。金の切れ目が縁の切れ目でない社会を作ろう。すると安心してもらえる。市場価格に左右されない。

医食同源と予防医療で医療費を削減する四本柱

 20251004001S.JPGそして、未病予防対策先進地区。いま、医療費が増えているのは、おかしい。そこで、健康づくり推進条例として4つの柱を掲げた。

①健康に関する学びの場の充実、②食育の推進(医食同源)、③健康状態の見える化、④健康や医療に関する多様な選択肢づくりだ。

20251004002S.JPG ここから話はオーガニック給食になっていく。子どもの体の3分の1は給食でできている。医食同源と身土不二だ。そして、オーガニック給食を目指して、いいものを入れて悪いものを入れない。発酵や季節食を取り入れ、マーガリン、ショートニングのようなものはトランス脂肪酸は毒だと言って完璧に跳ねている。

 また、米について市で予算を付けている。金芽米加工で、有機栽培が60%、特別栽培米が40%である。金芽米は、精米のときに最後の薄皮を1枚残すことで、環境に負荷をかけない無洗米で、玄米の栄養素、ビタミン等、白米の2~3倍も残っている。これは、美味しいので残食が減った。

20251004004S.JPG 妊婦さんも体重が増える等、診断で36%がよくなった。子どもの体調がいいと。こうした食を変えることで、公的医療費が40%減ったという実証論文も出ている。

未来への道しるべ~、産地との連携・医食同源・熟成技術で古米を無くす

 さて、今はコメが高くなっているが、泉大津市は、コメの売り先がない時からやってきたので、今年は旭川市で50tを購入していたので、令和7年も売り場が5,000円を超えているが、泉大津市は3,000円で確保できている。昔の漢字では「元気」の「気」は「米」であった。そこで、これは政治の失敗なので、コメサミットを立ち上げようと北海道から沖縄まで先日16の自治体と協議会を立ち上げた。

20251004005S.JPG 第一は、生産地と消費地の共存共生。ダイレクトサプライチェーンの構築だ。これは、枝葉ではなく本質的な解決策をやっていくということだ。全国にある1,700の自治体の給食が米の安定消費の出口になろうと。学校給食会でも値段が上がっているので。

 第二は医食同源。いま医療費が50兆円なので、20%医療費が下がればそれだけで10兆円が浮く。

20251004006S.JPG 第三は、古米の概念を無くす熟成技術の普及だ。これを提唱されている金芽米を作り出した雜賀慶二(1934年~)は、まだ91歳だが元気だ。そして、これをすれば古米が美味しい。これをやれば古米という概念がなくなる。穀物が古くなるという概念がなくなる。熟成米で逆に価値が上がる。いま、国家備蓄は1.5ヶ月しかないが、余っても問題がない。足りない時に放出をする。この技術を設計しているが、こうして世界に出していけば、人類の希望。国難が希望に変わる。なので、これを国家の目標にしませんか。世界最高米。これはまさに熟成技術なので。皆が健康になる世の中ができればと思っている。

ディスカッション

小原壮太郎 南出市長のプレゼンテーションで可能性と希望を感じられたのではないか。私もこの話を伺って希望しか感じなかった。次に農林水産省として、農水省としての取り組みと現時点での想いを西審議官から話していただく。

20251004011S.JPG西経子審議官 皆さんこんにちは。これまで色々な仕事をしてきたが、国産農産物の消費拡大の頃から秋元里奈さんとは一緒に仕事をしている。昨年の夏からは「みどりの食料システム戦略」の担当だが、農業者だけでなく、皆も食料を食べることから、これは全員が関係者であるので知ってもらいたいと。さて、今日も本当に暑い。気候変動で確実に影響が出ている。水稲も粒も大きくならないし、おうとうでも双子果が出ている。このように農業は気候変動の影響を受けているのだが、逆に二酸化炭素、一酸化窒素、メタン、GHGの22%は農業が原因である。日本は工業国なので農業の影響は4%だが、世界的には大きいので環境に負荷をかけない農業にしていく必要がある。そこで、作ったのが、「みどりの食料システム戦略」である。14のKPIがあるのだが、そのうちの一つが耕作面積での有機農業の割合を25%にしていこうという目標だ。今は、0.8%しかないが、それを25年後には100万㏊にしていく。なぜ、有機への転換が必要かというと、ひとつは化学肥料は工場で作っているので、化学肥料を使わなければそこから二酸化炭素が出てこないと。しかし、有機農業への転換といっても農家は大変なので、環境に優しい農業を効率的に収益をあげて、儲かる農業をやってもらうために、加工流通も環境負荷も下げて、消費者も食品ロスを減らしていくと。調達・生産・流通・消費とすべて環境負荷が小さい食料産業を作っていく。だから、「食料システム」である。

 さて、有機農業は現在、3万8,500㏊で全体の0.8%なのだが、これを100万㏊として面として広げるには、慣行農業をなされている方は有機圃場から虫が飛んでくると言われるし、有機の方からは農薬がドリフトで飛んでくると困ると。双方が喧嘩してもらうためのみどり戦略ではないので、オーガニックビレッジをしている。オーガニックビレッジでは多くが有機学校給食に取り組まれているが、宣言をしなくても、有機農産物を学校給食で使うところがあり、1,700ある自治体のうち、R2年には113であったのがR5年は278と確実に増えている。

 さて、作っても産地側は売れないと困る。そこで、オーガニックビレッジに南出さんも入ってくれたのだが全体の100あるうち99は産地であると。そこで、地域ぐるみでどうやってやるか。いろんな人を巻き込んで計画を立てて、取り組みを進めていくとなると。生産を進めるし、食べることも進めることになると。そこで、後半の意見交換ではオガビレ・フレンズシティについて話をしたい。

五箇山からオーガニックビレッジづくり

小原壮太郎 では、生産地を代表して田中幹夫市長から。

20251004007S.JPG田中幹夫市長 うちは富山県南部にある小さい町だが一流の田舎を目指したい。よく、都会は人が作り、田舎は神が作ると言われる。そこで、有名な合掌造り集落がある五箇山からオーガニックでやっていくと。さて、農地も荒れていく中で、担い手不足が深刻なのだが、新規で移住したい人が増えている。そこで、動機を聞いてみると農業をやりたい。オーガニックをやりたい人が増えている。そこで、市長になる時から夢農場を作ろうとやってきた。2011年に食もエネルギーも自給自足する「エコビレッジ構想」を打ち出し、SDGs未来都市としても認めてもらっている。さて、市内にはJAが3つがあるのだが、過疎地のJAでは有機農業をやりたいと。そこで、有機農業をやっている人と連携しながら、R5年4月にオーガニックビレッジ宣言をした。

 20251004008S.JPG4つの柱として、人づくり、地域づくり、仕組みづくり、ネットワークづくりを掲げ、慣行農業と両立させていくことを目指している。地域づくりでは五箇山は環境の影響が少ないのでここで有機をやろうと農業公社が手をあげてくれた。まだ、面積には50aと小さいが、山菜やジビエも大事にしている。そして、世界遺産の五箇山があるだけに観光にもつなげていきたい。五箇山での米で作ったものを有機煎餅としてアメリカにも出しているし、酒もブランディングを酒屋がしている。こうして、R4、5、6年と面積を増やしてきている。

 課題は、人づくりでは講習会とかあるのだが、農業者同士がSNSで連携しているのですごい勢いで広がりつつある。また、南砺アグリスクールを開校している。

 武蔵野市とも交流している。また、ビビットガーデンで販売もしていただいている。有機給食も自校方式なので進めているが、一つのJAから流通を担っていただけている。保育園と小学校で使用割合が増えてきていて、月一では提供ができている。また、昨年は港区の赤坂学園にも素材を出した。

小原壮太郎 南砺市は杉並区長とも話をしていると聞いている。そして、国としても地域としても食糧安全保障で動いているでは、港区長のビデオメッセージを。

20251004010S.JPG清家愛 オーガニック給食の提供にあたって南砺市から提供をいただいている。12月にはすべてを有機野菜にするつもりで理解を頂きたいと思っている。

酒井直人 中野区長です。青森出身の版画家の棟方志功(1903~1975年)が東京に出てきて住んだのが中野区。疎開したのが南砺市、最後になくなったのが杉並区ということで、南砺市や杉並区とは棟方志功でつながっている。中野区の給食の献立では、日本型食生活の実践をしていて、東京都産の農産物であれば積極的に取り入れる。そして、不自然な添加物や遺伝子組み換えは避ける。有機食材については各学校が取り組んでいる。ただし、有機農産物には高価、下処理が大変という課題があるので、地元の栄養士と連携して解決していきたい。日本一美味しく子供たちがワクワクするような給食を提供したい。それが未来の一歩となると考えている。

世田谷区はボトムアップの声で有機給食を実現

小原壮太郎 では、一昨年から有機給食を実践されている世田谷区の中山みずほ区議にお話を。

中山みずほ 今日、私が保坂展人区長の代りに出席したのは区長が忙しいこともあるが、私の方が情熱があるかなと(会場笑)。世田谷区民は92万人、山梨県民よりも多い。区内では90の区立の小中学校があり5万人が通っている。私は2019年に区議に初当選し、2019年の冬にまず区民からの声を伺い保坂区長に有機給食の要望書を出した。それが、できたのは令和になってからである。給食が無償化されて保護者に負担をかけなくなったので議会でも通って、直談判をしてやっとR5年に26t、6回が提供できた。通常の給食費に2,000万円増である。大きな金額だが、物価高騰対策で国の交付金もあったので無償化ができた。ただし、これは単年度だった。そこで、翌年もということで、区民と共にもう一回やって欲しいと要望した。教育委員会はやる気がないのだが、それでも同じ回数をやってくれた。無償化も単年度だったが「国が無償化にするまでは区の単独予算でやる」と保坂区長が言ってくれたので、R7年は11回、48tができた。上乗せで4,000万円くらいである。そして、コメだけでなく有機野菜も年3回出すとしている。なお、議員は予算を作ることができないので要望で予算を倍増しろと言っている。ただ、区と交渉するにあたっても議会から反対がかなりあった。例えば、有機を「子どもの健康のために」と言うと慣行栽培は健康に悪いのかとなる。世田谷は23区内では練馬区に継いで第2位の農地があるので心象がよくない。とかく、有機はストイックになるので、最初はオリパラから引っ掛けた。世田谷区もオリパラに乗ってやってほしいと。そうした中で、西さん(審議官)がみどり戦略を打ち出してくれたので、出口戦略は世田谷区だけでしかできない公共調達だと主張した。とにかく、区民の皆さんからの突き上げが熱い。私にも様々な情報が入ってくる。そして、首長がトップダウンでやるのは早いのだが、私はボトムアップでやりたいと思っていた。そこで、保坂区長と話したところ区長も「そうしよう」と。今後は、国による無償化によって余った財源がでる。今は2分の1は世田谷区、2分の1は都からの補助なのだが、それで有機農産物を増やしていきたい。

出口をつくる食べちょく

小原壮太郎 では、次に港区でもイベントに参加されているビビットガーデンは今までと違う流通を構築されているので秋元さんから。

20251004012S.JPG秋元里奈 私たちは生産者と消費者をつなぐ立場としてやっているので、その話をしたい。会社名はビビットガーデンだがサービス名は「食べちょく」なのでそちらの方が知っている方が多いかなと思う。現在、生産者が1万件、消費者は都市部で120万人が登録している。私は家の実家が農家だが、廃業している。そこで、生産者が自分で価格を決めて消費者に売れるシステム「食べちょく」を作った。会社は作って9年、食べ直が8年だが、最初は有機農業として特化していたが、今は慣行も入っているのだが、それでも、一般よりは有機が多い。最初はうちだけで流通をしていたのだが、どうしても限界があるので自治体と連携している。

 さて、やっているなかで見えてきたキーワードが、「出口をどう作るか」である。例えば、災害があるといきなりゼロになるので多くの生産者が離農されることが多いのだが、その生産者に対して、クワウドファンディングで応援メッセージを届けると、僅かな金額であっても「辛い環境でも応援してくれる人がいるのならば頑張ろう」となる。災害は特殊な事例なのだが、とはいえ、想いだけで農業を続けていくことは大変なので、都市部側からも発信していく。それが私たちの仕事だと思っている。農村はなかなか都市部の声を聞く機会がないので。今後も自治体さんと連携していきたいと思っている。

小原壮太郎 南出市長からもお話をいただいたとおり、市民の皆さんに安価な価格で都会に流通するのは大事なことだが、農村でも地域内の八百屋も機能しなくなっているのでビビットガーデンのようなECを使うこともあると。買い物難民になっている過疎部のおじいちゃん、おばあちゃんもECのプラットフォームを使うことで、地産地消でも給食以外でも供給するルート、そういうアイデアもあるので日本オーガニック会議もそうしたことをやってきたい。さて、これから、是非、クロストークをしたいのだが時間もあまりないので、ひとことづつ意見をいただいて、最後に質問も一つお受けしたい。

オガビレフレンズシティ

南出賢一市長 50年以上やっていた農家にメッセージを届けたところ、それまで家族と身内以外からの声を見たことがないので涙を流されていた。流通をシンプルにする以上に、「ありがとう」のメッセージが届くことが大事だと思う。なぜ有機をやるかだが、一つは、米の生命力。土壌中に微生物が多いほどファイトケミカルが多い。だから医食同源。そして、古米をなくす。また、米の特別販売を金芽米を3,500円で売ったことで農家所得が2割あがったのだが、送料が1,000円かかった。そして、高齢者はECができない。そこで、共同購入したところ、送料が250円になった。つまり、地域内でも連携してまとめて輸送すると。そうすることで、地域側でもコミュニティもできる。いま、田中市長の南砺市だけでなく、青森県の五戸町、兵庫県丹波市、石川県の小松市とも連絡を取っているので今後、共同体ができるといい。

西経子 いま南出市長から話のあった産地と消費地をつなぐ共同体がまさにオガビレシティだ。環境負荷を減らすには、産地側の手間がかかる問題を解決するため、マーケットを見つけよう。そして、マッチングが大変なので、産地は150もリストとしてオガビレがあるので、これと消費地をつなぐと。オガビレフレンズシティもそれを民間発でやって抱けるとありがたいと。

 最後に12月8日が有機農業の日で、これは有機農業推進法が成立した記念日なので、その10周年として、2016年に民間団体が登録をされたと。農林水産省は昨年から大々的に有機農業の日月間として、給食を出していただくことをやっている。今年は月曜日だし、産地があるので、是非、やっていただきたい。

田中幹夫市長 子どもの頃から給食が楽しみだったので、フレンズシティの構想には大賛同である。うちは丹精を込めて作っていく。それを消費地としっかりとつながり、それに農家が感動して次の年も続けていただき、裾野が広がっていくと。

酒井直人区長 今日はいろんな情報が聞けて有意義だった。都市部は自給率が低い。中野区として何ができるのかバージョンアップしたい。

中山みずほ区議 来年度予算なのだが、日本は瑞穂の国だし、私の名前は「瑞穂」で母の実家は秋田で、あきたこまちの産地なのでもっと情緒的なことに取り組みたい。

秋元里奈 今日はすごく心強く思った。一つの共同体となって広がると思った。

編集後記

 この内容は2024年10月4日(土)に浜松町都立産業貿易センターの第3会議室で、日本オーガニック会議と全国有機農業推進協議会の主催により、10:30~12:00にかけて開催された「これからの食料安全保障と地域づくり〜給食がつなぐ食農教育連携オガビレ・フレンズシティ」の意見交換会の内容をメモしたものである。録音等はしていないので正確さを欠けるがやりとりの雰囲気を感じていただければ幸いである。
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2025年10月03日

地域内連携によるオーガニック推進事例紹介とトークセッション

かごしま有機生産組合 生産事業部長、経営戦略室長上野豊
五島市農林農務班山田朝彦係長
次代の農と食をつくる会 千葉康伸、松本直之
あいさつ
Matsumoto.jpg松本直之 「(社)次代の農と食をつくる会」による第2回自治体セミナーを「(社)次代の農と食をつくる会」の理事の松本が司会をする。これから、第一部では有機農業を進めていくうえで民と官がどのように連携していきたいか、そして、第二部では第一部で出た課題をこの会場にいるメンバーで掘り下げたい。

千葉康信 私は有機農家で7haで頑張っているが、その傍らで農家の支援をしている。つくる会には我々と同年代40代の理事が4名いる。出口支援やブランディング、地域にとって必要なことを聞き取りからしっかり時間をとってやっている。そして、「有機農業の日」を記念日として作ってきたのも我々である[注]
[注] 有機農業の日は、尾崎零氏と本野一郎氏が提唱した

地球畑方式と新たな取り組みーオーガニックで未来へ繋ぐ

上野豊 かごしま有機生産組合は、生産農家が165戸、島嶼部、宮崎県、熊本県南部と広範な地域で生産している。このうち、100名が有機JAS認証を取得している。有機圃場面積は163㏊、野菜が100品目、果樹が20品目。ニンジン300t、タマネギ150t、ジャガイモ140t、ダイコン130t、サツマイモ110tを生産している。無農薬が原則でJAS認証で使える資材も極力使わないこととしている。品目部会、地域部会で情報交換をすることで、常に品質向上を目指している。実際に畑で地域との交流を大事にしている。また、作っている過程が見えるようにすることを大事にしたいと思っている。事業は5つある。有機の育苗をする生産事業、ECネット地球畑で楽天に販売する販売事業、加工事業、そして、海外事業では、輸出もしている。

 もともと組織は1978年に地域の農家10人が集まったことから始まる。当時はレイチェル・カーソンの「沈黙の春」や水俣病があり、チッソの元の工場が化学肥料を生産していたことから自責の念から始まった。そして、有機農産物の生産量が増えてくると野菜の売り先がないことから、1984年に販売のために組合が立ち上げられた。小売店の地球畑も4店舗ができる。2013年からはECでの販売を始めて、2014年からは海外にも輸出している。最後の加工だが、「地球畑方式」は、生産から加工販売まで一貫して行っている。直営農場も3カ所で16㏊ある。販売額は8億円だが、「B to B」で10カ国以上に輸出している。「B to C」では、直営店が3店舗、カフェが1店舗ある。

 また、ちょうどいいサイズのものは生協に出せるが、出せない規格外の農産物を農家さんから買い取りたいので加工事業を始めた。生産農家は160戸あるが、広範にあるため、年に2回、市部会を開いて、情報交換をしている。そして、先進農家で現地研修もしている。また、鹿児島県との連携では、普及センターとも一緒に活動しているが、「有機農業の手引き『有機百培』」という冊子を早い段階から作ってきて、農家にヒアリングをしながら平成31年2月には技術としてまとめている。これを元に新規就農者とかには説明はしている。

 また、すべての農産物を余すところなく活用するということで、有機JAS認証を受けた加工場を通じて、ジュース、野菜スナック、ベビーフードシリーズを作っている。これはイオンにもおいてもらっており、海外にも輸出している。輸出先は香港、マレーシア、台湾がメインだが、今多いのはサツマイモ、カボチャ、あとはベビーフードである。これも行政の支援、強い農家づくり支援金によって加工設備ができたことで、これによって一気に生産量が増えて全国のイオンにもおいていけるだけの量になった。そのプラスアルファで海外にも出せる余力もできた。

 新規就農者の育成も行政との連携がないとできないが、生産者のうちの4割はうちの直営農場の職員になって、そこから独立したか、あるいは、うちの新規就農研修を受けたかである。有機農業技術センターが研修を受ける場所で、これも寝泊まりできる場所として整備してもらった。昔は1年しっかりと寝泊まりして研修するところだったが、今は将来、自分が就農する地域において実習することが一番大切なので、実習は就農予定の地域で農水省からの補助金で収農準備金の2年間でその地域の組合の生産者のところでメインに研修を受けて、認定就農者にもなってもらっている。次の3年の補助金や農業機械への補助金、農地も制度としてはあるが、これを個人に任せるとわからないので行政と一緒にやりながら、研修して2年経つと農地もあって機械もあるという状況にしている。

 スマート農業事業も活用している。また、有機で育苗をしているが、これはかなり難しい。農家も作業で多くの手が取られるので育苗作業は組合に集約したいということで、育苗ハウスには環境制御システムを取り入れ、温度や湿度をコントロールして、いい苗を育成して提供している。あとは、合鴨ロボットも水稲では良い成果がでたので、グリーンな栽培体系サポート事業、いわゆるグリサポを利用して、2台入れて、組合員全員にレンタルしている。

 南種子町とは「有機農業を軸とした地域活性化に関する包括連携協定」を締結。その後、オーガニックビレッジ宣言をしたので、体験圃場をしたり、町内の観光物産館に売る場所を設置したり、土づくりの技術講習会、有機米の試験栽培、そして、有機給食も始めている。

 これからやりたいこととしては、新規作物で何を入れるかが難しいので、いろんな人を入れて模索したい。また、一次処理加工がキーポイントなので、冷凍加工プロジェクトをやっていきたい。

松本直之 千葉さん、お話を聞いてどうですか。先代の大和田世志人さんの時からもおつきあいがあったと聞いていますが。

千葉康信 とても謙虚なお話でしたが、中核となっているのが、大きい農家なのではなく、1㏊程度の農家が160戸集まっているので、それをまとめていると。話を聞いても非効率なのだが、何のためにやるのかの核がしっかりしている。人と人との関係性を大事にしている。先代の大和田さんのことも含めて、そう思っている。

オーガニック推進体制づくりの取り組み

松本直之 五島市は「オーガニックビレッジ宣言をしたい」ということで私も理事として協議会の立ち上げのときから関わらせていただいた。皆を巻き込んでいくところが素晴らしいのでそれをお話いただきたい。

山田朝彦 五島市の職員である。五島市は長崎県の離島。10ある有人島と53の無人島となっている。面積的には横浜市と同じ広さ。昭和30年には多くの人がいたのが、いまは多くが無人島になっている。例えば、黒島は昭和30年には190人いたがR5年に0人になっている。1955年に9万1,973人がいたがいま63%減少である。若者もいない。高齢化率が長崎県が33%だが五島市は40%。ただ、人口の自然減はあるのだが、社会増は近年プラスとなっている。例えば、193人が島外からの転入者。そして、有人国境離島法の中に、農産物の輸出の支援、雇用拡充事業もある。国が10分の6、県が10分の1、市が10分の1出している。

 次に農業だが農地面積は2,742㏊あるが、課題は高齢化が進んでいること、輸送コストがかかることである。有機農業は、70戸、面積は105ha。「オーガニックビレッジ」に舵取りしたのは、市内の農業法人会がR2年に要望したからである。JAごとうにも有機農業の部会設立の動きがある。新規就農者も希望が多い。そして、イオンやブルボンと連携する業者の動きもある。そこで、R6年から準備を始めた。R6年8月に自治体ネットワークに参加し、市長までの意向をとって、8月に意思決定をした。9月には産地づくり推進協議会の設立準備会を5回開催した。そして、R7年2月にJAごとう、長崎県の五島振興局、五島市、法人会で、協議会を設立した。そして、坂の途中からアドバイスを受けた。

 うちは、規模が小さい自治体なので生産、流通、消費で、幅広くやっていきたい。R7年5月には有機農業者のつどい、7年12月には「有機の農業の日」に有機給食を試験導入した。そして、R8年3月にはオーガニックビレッジ宣言をしたい。課題は、2年で補助金が終わるので、それ以降、自主財源をどう支援できるかである。

松本直之 改めて聞くとすごい取り組みだなと。千葉さん、全国を飛び回っていろんな自治体を見ているのですが感想をお願いします。

千葉康伸 私は行政が頑張られているのかなと思っていたが、生産者が強い。それを使える仕組みをつなげたのかなと思っている。さて、いまのお話の中で、重要なキーワードとして「JA」が入っていた。オール五島という言葉も使われていた。慣行栽培と共存していくことも大事なので、我々の考え方と親和性が強い。今風かなと思えた。

第二部 課題の掘り下げ

松本直之 それでは、第二部に入りたい。第1回のオンラインで出された題材をもとにさらに深掘りをしたい。では、千葉に進行を投げたい。

補助金ありきではなくやりたいことを詰めてからでないと社会的実装は不可能

千葉康信 第1回セミナーは農水省の方でアーカイブが見られるが、2部制でオンライン上で自分が気になる部屋、7つに入ってもらい議論することとした。我々3人の農家がいたので、1~3が栽培技術。4が認証、5が販路流通、6が地域事例、7が学校連携・給食。そこで聞いたところで意見を抜粋してでてきた課題を5つに絞った。すでに、今回の事例紹介で一部はその答えも出ているのだが、まずは、交付金の使い方とか、こういうことをしたら地域の人に喜ばれて結束力が上がったという事例があれば。上野さん。

上野豊 いろんな補助金を使っている。加工品の工場を建てる時にも使った。そして、補助金があればリスクの助けになるのだが、交付金・補助金ありきではなくて、補助金がなくてもできることをしっかり考えた上で、それがなくてもできるまでやらないと続かない。なくてもできるまで作り込みをしておかないと後の実装ができない。つまり、補助金はあってもいいというくらいである。しっかり、詰めた上で使わせてもらいたい。

部会毎に農家の要望をすいあげて農産加工のように全農家のニーズがあるところに投資

千葉康信 160人も生産者がいるとのことだが、どこに合わせて投資をするのか。投資先の軸を作っているのか。

上野豊 生産は品目毎に部会があるので、アイガモロボとか要望が出てくる。また、加工品とか、一次処理加工は規格外品の有効活用なので全農家の買取価格をあげられることにつながるので要望がある。

千葉康信 どうやって合意形成をするのか。

上野豊 年に2回支部会があってそこで合意形成を図っていく。農家の意見を積極的に吸いあげないといけないのでグループワークで、(KJ法のように)困ったことをラベルに意見を出して全部壁に貼ってもらって、そして、課題整理して、ここに集中投資しないといけないとしている。

横の連携がなかった有機農家と農家や消費者とがつながった

千葉康信 次に山田さん。

山田朝彦 有機的に補助金を活用しているので我々も見習いたい。我々はまだ、そこまで行っていないし、まだ途中だが、やって良かったのが有機農業者の集いである。有機農家といってもいろんな考え方の人がいる。JASを取るべきだという人もいれば、無農薬で家庭菜園の延長でいいという人もいる。それ以外はまだやれていないので。

千葉康信 農家からすると有機農業にはネガティブな怖いイメージがあるのだが、コミュニケーションの絆が深まったと見ていいのだろうか。

山田朝彦 農家同士の横のつながりがないと有機農家からは聞いていたので大事かなと思った。

千葉康信 これは、農水省の職員の方も喜んでいるのではないかと。それと、スマート農業についてはすでに言っておられたので、次に消費者への啓蒙活動について。

上野豊 地球畑そのものが情報の発信所になっていて、カフェもあって食べてもらえるので、生産者と消費者もコミュニケーションもできる。田植え祭とか収穫活動とかもしている。これからは、持続性とか地球環境に関心を皆さん、お持ちなので、生物多様性の保全とか二酸化炭素の削減をわかるように伝えていきたい。

千葉康信 何度か、島村さんという重鎮がお客さんと普通に話していて偉そうではないと。それが交流ができることだと。まさに、人柄が伝えているのかなと。

山田朝彦 それが一番難しいし、それが一番大事かなと思っているが、なかなかいい案がない。協議会の中では子どもたちや保護者にどう遡及していくのかが課題である。慣行農産物も基本的に安全なのになぜ高いものを買うべきかとの声がでるので、有機の付加価値をまずはJAと連携して周知していくことからしていきたい。

千葉康信 JAとの溝ができたらいけないので、JAとの連携はいい事だと思う。では、次が学校給食について

有機学校給食は規格が課題

上野豊 南種子島を皮切りにやっているが、学校側からは衛生で厳しく見られるので普通以上に気をつけなければならない。また、短時間で加工調理をしないといけないので2Lサイズにしている。すると小規模な農家は量を確保することが難しい。大規模な農家であればその中で2Lだけを選べる。それが大きな課題である。また、短時間で時間通りに学校に持っていかなければならないので、そのニーズをどう満たせるのかが難しい。

千葉康信 規格の問題や異物混入は常にある。一次加工がないと、皮を剥く作業があるので、サトイモは使わないとか。合理化をするには、縦割りでは対応できない。それを生産者側で対応しようと。

山田朝彦 五島市でも有機給食の話はあったのだが、まずは、地産地消での食育がいいとなっている。また、安定供給と量。サイズがバラバラでは自動皮剥き機械が使えない。単発での試みではなく「有機農業の日」に向けてやっている。

質疑応答

Chiba.jpg千葉康信 最後に広げるためのヒントをいただきたいが、まずは、質疑応答を受けてからクロージングをしていきたい。

高橋優子 規格外の野菜を加工される時にロットが間に合わない時にはどう解決されたのか。また、有機農業の普及啓発の仕事をしているのだが、小川町でも農家同士の連携が難しい。それは、みな独自の考え方を持っているからだ。協議会ができてお金があればいいのだが、補助金がなくなればまた、バラバラになる。それはどう解決されているのか。

上野豊 ロットの問題だが、一定期間しかもたないので、豊富にある時に一次処理加工をして、保存をしておく。最終製品に最初から回すわけではない。また、有機農家のやり方が色々なのはまさにその通りで、うちの場合はどんなやり方でも良いと。そして、色々なやり方があった方が面白い。排水性がよくないといけないとかの基礎的な技術の部分はお伝えするが、あとは情報交換をしながらみんなで面白がりながらやっている。品目部会でもそれぞれがやっていることをみんなで見に行って取り入れられるものは取り入れている。

千葉康信 推測すると新規就農の4割が研修で育ったので、それが強いのかなと思う。

斉藤光明 NPO法人オリザネットの斎藤です。160戸あるとのことだが、生産計画は組合側から出すのか。それとも、できた農産物を組合で買い取っているのか。

上野豊 年2回の市部会で決めている。「皆さんが作りたいものを作ってもらって買取ります」とやっているが、それを生協の方に出して販売計画につなげていく。ただ、最近は単価が厳しくなって来ているので、単価が上がっているので売りの部分として、鹿児島が有利な品目、他の地域でやっていない品目を農家と相談しながら、強制ではないが、作ってもらう。そうやらないといけない時期になっている。

斉藤光明 全部買い取っているのか。

上野豊 農家が点在しているが、輸送すると運賃が発生するので、ある程度のロットを出さないとメリットがない。なので、地場の道の駅で出せるものは出していいですよと。うちに出せという義務はない。

斉藤光明 他の地域で広めようとするうえで魅力的な仕組みに思えるのだが、農家と組合の間で価格交渉が絶えずあるのだろうか。

上野豊 価格は下げないのが原則だが、交渉は日常的に絶えずある。例えば、価格を下げないとしても市場価格があがっているのでいまは慣行よりも有機が安くなっているので。そこで、市場の値段があがっている時は特価対応であげて買い取るシステムを導入した。基礎価格は下げない。うちも売りやすい時には農家に還元できる仕組みを取り入れたと。

斉藤光明 事業規模はどれくらいか。

上野豊 売上単価で10億円。パートも入れて従業員は80名である。

高橋優子 いま、価格の問題が出てきたのだが、うちも提携をずっとやってきているのだが、猛暑で米が取れなかった。市場でコメの値段が上がり有機が安くなることに対して怒ったのだが、その部分はどう解決されたのだろうか。

上野豊 うちは特価対応をしている。早めからいろんな情報を収集していた。ただ売れないとできないので、売れるかどうかで悩んでいたのだが、一般のコメの値段があがるまでは普通のコメよりも有機米を高くしていた。

山田朝彦 うちの方は有機米を作られている人は少数であまり量的に出せなかった。

浦滝一徳 富山県の農業技術課エコ農業推進係。JAが前向きになられた経緯を教えてほしい。

山田朝彦 色々な事情があるのだが、五島で生産している有機の甘薯を買いたいという需要があってJAとしても動いたと。

農業で生活が成り立てば有機農家になりたい予備軍は数多くいる

千葉康信 では、最後に有機農業を広げるヒントがあれば。

上野豊 組織ができてから40年経っているが、最初は公害問題でのモチベーションが運動が広がる原動力だったが、今は新規収農者に聞くと、どうやって生活が成り立つかが関心である。つまり、いかに人生に必要なお金を得ていくかのデザインを明確にできるかがポイントで、それができれば有機農業をしたいという人はすごくたくさんいる。ものすごく儲かるということではないが、経営計画で先が見え、具体的に将来の設計が想像できるようにすることが重要なのだが、ただ、そうはいっても現実的にはなかなか難しい。

山田朝彦 まだまだ広がっていないのでヒントを探しているが市長からは「農業をかっこよくて儲かる産業として育てていきたい。担い手不足の中、若い人に魅力的な収入がある産業でないといけない」と言われているので、そこに有機が引っかかると思っている。

千葉康信 農業で生きていて楽しくて幸せだと言い得る農業を作っていこうということだ。どうもありがとうございました。

編集後記
 本稿は、2025年10月3日(金)に浜松町の東京都産業貿易センターで開催された日本オーガニック会議の主催による「第10回オーガニックライフスタイルエキスポ2025」での15:30~17:00の「第2回自治体セミナー:地域内連携によるオーガニック推進事例紹介とトークセッション」の内容をまとめたものである。あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとしてご理解いただきたい。詳細については、いずれ日本オーガニック会議から動画が発信されるはずである。

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講師の松本氏及び千葉氏画像はこのサイトより

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2025年10月02日

オーガニックが創る地域の未来価値―木更津モデルの10年とこれから

有機を知ってもらうことから持続性や再生農業もいれていく

miyoshi-tomoko.jpg三好智子 オーガニック会議で10年前のエキスポで秋元一宏さんとはお世話になっている。私は木更津に住んでいるのだが移住者で、有機農業の国連と言われるIFOAMのアジアの福理事長をしたりしてきた。第1回のオーガニックライフスタイルエキスポが最初に開かれたのは2015年で、10年前は自治体としては木更津市だけが後援団体だった。

秋元一宏 一番高い会場で有楽町駅前だった。なぜ、こういうエキスポをやっているのかというと、自分は広告代理店で働いていて1990年代後半で廃棄物処理関係から、コンビニの使い捨てや気候変動に関心を持った。そして、徳江倫明さんと10年はやろうと。

三好智子 最初の頃は場所も良くて一般の人が来ていた。昨年は京都で開催され、それも熱気があった。

秋元一宏 東西南北でやるというのがオーガニックジャパンの計画。これからは北海道、九州でもやろうと。都心は都心だが、地方は地方で地方ブランドがある。

三好智子 オーガニックの業界にいて、最初は小売業と農家だけだったのが、今はコスメとかいろんな分野も入ってきた。そこで、ライフスタイルになってきている。自治体も入ってきている。

akimoto-azuhiro.jpg秋元一宏 自治体との横連携も深くなっている。自治体の役割が大事であると思っている。

三好智子 今後の展望は。

秋元一宏 今までは認証基準の入り口として、オーガニックを理解してもらおうとしてきた。今後は、もっとサスティナブルを取り入れたい。夏は人間が住めない沸騰の時代が来ている。再生農業も入れたエキスポにしたい。

三好智子 これはIFOAMの10周年での首長宣言の写真だが、ポルトガル、韓国、フィリピン等の都市がオーガニックシティを宣言している。この中に木更津市も入ってもらっている。

木更津市渡辺芳邦市長 ビデオで木更津市紹介

watanabe-yoshikuni.jpg オーガニックは農業の方法だけでなく、循環とつながりを軸に持続可能なまちを築いていくことである。その理由は大きく三つがある。第一に木更津に暮らすことが誇りになる。それは、東京へのベットタウンではない。このビジョンは市民からの声からいただいた。第二は、市民の内側にあるアイデンティティとなること。もう一つは市外に向けた都市ブランドである。

 オーガニック条例は単なるスローガンではなくそこに都市像を位置付けることである。2020年から第二期で環境省が提唱する地域循環共生圏に加わった。

 有機学校給食でのコメの割合は、現在は85%を達成。同規模の自治体では最高水準である。10年の成果としては、子どもたちの教育、農業、環境保全、ブルーカーボンとして干潟の保全、観光、道の駅で販売。都市部からの観光客の増加、電子通貨アクアコインも定着した。

 そして、文化の再生、郷土料理やイベントでも市民が誇りを語っている。異なる分野をつなげることで、企業も参加できる。都市の子どもにも教育的な効果がある。もちろん、有機米にも課題もある。手間と時間がかかる。有機農業はノウハウが大事で継承の問題がある。生産が盛んとなると新たな販路も大事となる。幸い、問い合わせが増えている。今後は、これを市民生活にどう定着させるか。制度的な支えがないと一過性になってしまうため、農業支援センターを設立する。

 また、有機廃棄物の循環、里海の再生。ブルーカーボン。イベントではカーボンオフセットを取り入れ、楽しみながら、企業やCSRや研究開発の場として木更津でやるから価値があるとしていく。理念を動かすメカニズムが必要である。暮らすことが誇りになるまちづくりをしていきたい。

パネルディスカッション

三好智子 このように渡辺市長のリーダーシップの下にどんどん進めているのだが、まず自己紹介をしてもらいたい。

野村洋貴 オーガニックシティ推進課長をしている。推進課に移動する前には農林水産課でオーガニックに取り組んでいた。公務員として仲間と有機米を作っているが、いま20名の生産者とやっている。

三好智子 野村課長は何もわからない中で我々から韓国に連れて行かれ、市長からも「何があっても野村」と言われ、バリバリと事業を進めてこられてきた。右側の写真のケーキだが、パートナーシップ制度もあって、それを作ってくれたのも野村さんで、まさに、オーガニックスーパー公務員。多岐にわたることやってくれた。

伊藤雅史 Kurkku Fields農場長をしている。うちは、市の第一号で有機認証を受けた。年間数万人がきている。今日も午前中は茨城県の小学生と芋掘りをしていた。年間で子どもたちも6,000人は来る。コロナもあって三密を避けられるということで、これまで、数万人の子どもたちに農業体験を届けているのだが、市内の生徒たちの農業体験がないので、最近は木更津市の高校生とともに収穫から商品作りまでの体験をしている。木更津の駅前にカフェがあるのだが、そこで作った製品の販売を始めている。

三好智子 もともとオーガニックシティ構想を始めようと言ったのが豊増洋右さん[注]。私も移住したばかりで、朝イチで農場を訪れ「この卵なら買いにこよう」と。そこで、渡辺市長とかと知り合って、「オーガニックシティをやりませんか」と言って実現してきた。まさにここが生まれた場所。

林利江 (有)ベアーズ。酒屋です。オーガニックには全く興味がなかったが環境問題に関心があって25年前からゴミを出さないようにしてきた。そこで、「地球も人もみんなハッピー」と掲げて、21年前にいきなり酒屋を始めた。わかっている人にはわかるが、そうではない人からは「宗教ではないか」と言われて苦労したのだが、いまだに潰れずに存在している。4年前からオーガニックビールを作って、はかり売りもしている。

三好智子 林さんははかり売りの先駆者で、自然食品店でもないし、不思議なポジション。

仲山紘史 データサイエンティスト。私はただ住んでいるだけ。今年移り住んだ。なぜ、住むようになったのかというと、味噌作り会が林さんの(有)ベアーズであって、この写真でかき混ぜているのが妻と子どもなのだが、市長も一緒に味噌を作っていた。普通ならばふんぞり返っているはずの市長がこんなことを。「いいじゃんうちの市長は」と。

三好智子 オーガニックシティがいいと思って移住してきた人といういことで今日は来てもらった。

佐藤麻子 皆さんは長い経歴なのだが、昨日、開業4年目の施設、ポルシェジャパン。誰にもポルシェを体験してもらえるブランド体験施設。これは有機米の試食会に参加している写真。有機米の農家を増やそうというプロジェクトに寄付として参加して、我々の施設のレストランで使っている。木更津の「キサぽん」。外資系では唯一の国内にあり木更津でCSRを企業として促進している。

20年前は怪しまれたので自分から味噌づくり体験でマーケティングを

三好智子 狸囃子の歌で有名な「証城寺」が木更津にはあるので、「キサぽん」というマスコットがある。さて、これから皆さんに質問をしていきたい。木更津にはKurkkuFieldsがあるのだが、外から来た人にオーガニックと言っても急には通じない。そこで、前から孤立しながら頑張ってこられた林さんに「こんなことがあったよ」というエピソードがあれば。

林利江 21年前に酒屋からオーガニックになったら怪しいと思われて誰もこなかった。「人も地球も幸せ」ということで安易にオーガニックにしてしまった。酒だとすぐになくなるのに1.8ℓの醤油だと1,800円だと高いねという。そこで、来てもらうのが難しいので外に出てマーケットを作ろうと。味噌づくりをしたり、最初は3人だったが今は100人でお断りもしている。

三好智子 いまはその魅力で移住者もあるくらいで。Kurkkuも最初は「耕す」という農業法人だったのだが、この10年での変化は。

伊藤雅史 農場の朝市は千葉駅でやっていたのだが遠いし、こちらに場所があるので始めてみたら三好さんも来てくれて。プリンもあるので、コーヒーを飲んでもらうと。渡辺市長にも来てもらって、売れる場所があるのはいいなと。全国の市区町村や企業からの視察も増える。気持ちがよくて美味しい場があるのでいいと。時々、市長も自転車で走ってやって来てくる。

三好智子 前もこのままKurkkuで飲んでいて車をおいてチャリで来たけれども坂が急できつかった。さて、今は興味ある人が来たりとかしていますが、最初は盛り上がっていなかったので、そのあたりの話を。

伊藤雅史 第1号の有機認証農場だったのだが、書類づくりが大変で。しかし、それをやるとブルーベリー協議会が「うちも取得したいので教えて」と。認証の書類づくりを先輩として教えることができたのはよかった。ゼロからは大変だったが、今は横のつながりがあるので。

三好智子 野村さん、JAの職員だったんですよね。ブルーベリー。観光なのでJASがいらない。コロナでいらないと。冷凍で出すのに取り組みを始めた。それで面積が広がった。お米は職員がサポートしているのだが、苦労されたこと。面白いのはと。

野村洋貴 申請書類が面倒臭いが、雛形を作れば行政職員は横展開なので。検査も行政の職員が立ち会ってつながっていくことで容易に取得できるし、毎年度の認証にかかる費用も行政が支援したり、農家からの持ち出しなく認証が取れる仕組みを作ってあげることが一つの理由かなと。

三好智子 オーガニックは役割分担が大事で。仲山さん、いろんなつながりで木更津にやってきたと。

仲山紘史 有機的な関係にやられてはまりこんでいる。環境経済の研究職をやっていて、シロクマ(が絶滅する)とか二酸化炭素が増加するとか研究者としては怖いことをしていたが、林さんは「死ぬまで健康で酒を飲みたいから」と。そういうのがいいのかなと。これは1年の間なのだが、まず、パプリコホテルというゆるいホテルがあって、そこにマレーシアレストランがあってビールが美味しい。そこで言っていたのが(有)ベアーズ。君津のもくもく村。無添加住宅を歌っていて漆喰の壁で空気がうまい。居心地のいいオーガニックなのでよく通っている。そして、鎌倉屋というピザ屋。これも体に良くて美味しい。そこで、「社会館」という保育園を紹介してくれたのだが、保育園の子どもも生命が躍動していて生きる欲望がある子どもたちがいる。ここで自分たちの子どもを育てたいと。そこで引っ越してみた。

三好智子 私が木更津にいる理由も「社会館」の存在かなと。では、次に佐藤さんから企業としての木更津の魅力を。

佐藤麻子 木更津のホームページとかをみさせてもらって、一見すると食事とか健康以外のサスティナブルが企業としても交差するところかと。うちは三つは貢献できている。一つはオーガニックライス。もう一つは健康促進、三つ目は、アウトレットパークには負けてしまうのだが2万人が県外から来てもらうことで、毎年500はふるさと納税を入れてもらっている。ここで走れる体験チケットを売っている。納税額は1万5,000円から1,700万円で、これは1日ポルシェ貸切なのだが一件が入った。ここに来た時は是非ともKurkkuさんとか周りにもあるのでまわって欲しい。

三好智子 社長もドイツ人なので、「オーガニックシティ」と言ったらスーと入っている。

佐藤麻子 社会貢献は社長も重視している。社長もここに来ると虎ノ門の本社にいるときとは顔が違う。

三好智子 では、時間も迫っているので最後に一言ずつ。

林利江 オーガニックビールを作っているのだが原料が国産でないことが課題。というのは、麦芽で日本で認証を取得しているところがない。国産で有機の麦を作っているところもない。麦芽は産廃なのでクルックさんから。

伊藤雅史 市長がオーガニックへの想いがあり、6月から有機で大麦を作っている。木更津は産官学の連携がめちゃくちゃすごい。山間なので猪も出るので解体処理場がないのだが、処理場をうちで作って年に1,000から1,500頭処理している。あとはキョン。ジビエでも提供するので。肉は固くない。ラフな感じで市内でのビジネスが生まれることが面白い。

仲山紘史 私の自慢はビールサーバーが自宅にあること。職場は東京。ただし、交通の便は良い。前は吉祥寺に住んでいたのだがそれよりも通勤は楽。是非、住む時にはもくもく村で。

三好智子 パプリカ、もとムスリムのホテルです。

佐藤麻子 企業として働いている従業員が70人、80人で、半分は県外から。三方良し。企業としても運営が安定していかないと。うちのスタッフは楽しそうに働いている。

野村洋貴 次の世代を担う子どもたちが大事なので食農講座をスタートさせた。

渡部市長 木更津のPRをさせていただいているのだが、最近、不本意な形で日本中に名前が知れ渡っているのだが、まだまだ認知度が高くない。アイデンティティはあと10年で浸透すると。ブランディングも自然体のものとし。努力をしていきたい。今日のところはまだ一部。ジビエフェスもある。

質問 オーガニック的には良いのだが、データだけ見ると農家戸数、農業人口は減っているのではないか。

経済部長 大岩です。農業振興を担当している。増えてはいない。減らないように頑張っている。

伊藤雅史 遊休地が多い。田んぼを始めたのだが、土が悪いと。せっかくなので循環的な農業をしていきたい。

会場 二つ質問がある。学校給食の農産物は全部を有機にするというのが最終目標か。もう一つはここまでうまくいったというのは、野村さんからコツがあれば。他市の学校給食の取り組みも参考となるので。

渡辺市長 全てを有機にしていきたいと思っている。ただ、木更津市は農地の85%が水田なので、まずはお米が大丈夫だろうと。畑は足りなかった。Kurkkuさんからやってもらって、やっと形になってきた。なかなか動かなくてオーガニックという言葉も通じなくて、お年寄りに言われても私自身も説明できなかったが。

吉田太郎 前に聞いたシェフズ・マニフェストのセミナーでもオーガニックレストランが大事だと思う。オーガニックレストランは、前は木更津にあったと思うが、大分県の佐伯市の「志縁や」は、大分県で初、九州で2店舗目の認証オーガニックレストランだが前に取材したときに柴田真佑さんは止めようかなと。木更津はどうなのだろうか。

三好智子 ちばだんでも辞めてしまっている。ブルーベリーとかれんこんとかも広がったのはよかったが、レストラン認証はやった後にペイしない。逆に有機認証していない人が使いにくくなってしまう。認証はいらないと。もう少し、給食とかで取りやすい人が増えたらいいのかなと。大事なのは認証だけでなく、もう少し、寛容であってもいい。

吉田太郎 鴨川市のNPO渦の林芳樹さん、ご出身が木更津の酒屋だと聞いていたのだが、林さんは親戚かなにかなのだろうか。

林利江 実弟です。

編集後記

 本稿は、2025年10月2日(木)に浜松町の東京都産業貿易センターで開催された日本オーガニック会議の主催による「第10回オーガニックライフスタイルエキスポ2025」での15:30~17:00の「オーガニックが創る地域の未来価値―木更津モデルの10年とこれから」の内容をまとめたものである。画像の撮影はできないとのことで、あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとしてご理解いただきたい。詳細については、いずれ日本オーガニック会議から動画が発信されるはずである。なお、最後のNPO渦についての質問は最後に個人的にさせていただいたものである。

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講師の画像はこのサイトより
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食の選択が未来を育てる:シェフズ・マニフェストの実践とオーガニックの可能性

シェフズ・マニフェストはイギリス発、北欧から普及

20251002004S.JPG下田屋毅 一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会の下田屋です。今日は、ファシリテーターを努めます。飲食店の調達行動が気候変動、森林破壊と課題を深刻化させている。飲食店の調達行動が変われば、それは地球環境課題の解決につながっていく。そこで、自然農、生物多様性を回復していく未来を考えたい。FOOD MADE GOODはイギリスが中心で世界75カ国がやっているが、SRAジャパンはそれと連携している。生産者とつながるとか、「肉食を止めろ」と言われるが、それよりは野菜を食べよう。ベターミートの使用とか、調達・社会・環境と三つの区分で方針が10ある。なっている。協会としては課題感として、思いのあるシェフが思いのある生産者とつながっているのだが、そこにまだニーズがない。消費者はサスティナビリティからレストランを選んではいない。そこで、どうしたらニーズを作れるかで、農水省とも関わって、2023年9月からフードテック官民協議会、サステナブルレストランワーキングチームで勉強会を10回してきた。どう進めていけばいいのかを議論してリポートして2024年10月にフードテック官民協議会、消費者へのアプローチ勉強会報告書としてまとめた。生産者と消費者をつなぐハブであるシェフがまず理解しなければならないので、マニフェストを作っている。また、どこがレストランをやっているのかわからない。「食べログ」とかではないのでデータがない。そして、最後にサスティナビリティに配慮したレストラン、体験する場を増やしていく。こうしたことを推進ワーキングチームとしてやっている。

 持続可能な未来へ、日本の料理人・シェフのサスティナビリティ・マニフェストでは、まず、食文化の継承と多様性である。

①日本の食文化や伝統料理を理解し表現する
②世界の伝統料理との融合を模索する
③料理を通じて会話と笑顔を生み出し人々の心を結びつけるとした。

次の調達では
④生産者を支援し、地元産と旬の食材を使用する
⑤健康な土壌で生産された農産物を使用する
⑥絶滅危惧種や数が減少傾向にある魚の使用を避け、追跡が可能な水産物を使用する
⑦アニマルウェルフェアと環境に配慮した畜産物を使用する
⑧植物性食品を積極的に取り入れる
⑨食のサプライチェーンに関わる全ての人権を尊重し、環境にも配慮した調達を行う

次の環境では
⑩エネルギーの使用を減らし、カーボンフットプリントを削減する。
⑪食品ロスを削減し、食材を無駄なく活用する
⑫資源の使用を削減し、再利用やリサイクルを通じて無駄をなくす
⑬生産者と連携して生物多様性の保全と自然環境の回復に貢献する

そして、社会では
⑭誰もが公平に評価され、安心して働ける職場環境をつくる
⑮健康と地球環境に配慮した食事を提供する
⑯栄養バランスの取れた食事を提供する
⑰リーダーシップを発揮し、パートナーシップを締結して、サステナビリティの意識啓発を行う

 今、賛同者のネットワークを作り、それぞれの地域でつながっていこうとしている。

自然農では収益があり生物多様性が保全され美味しいと三方得

佐伯康人 自分は工業地帯の生まれ。農業の経験がまったくなかったのだが、障害者の関係で農業に関わるようになった。何も知らないところから始めて、最初は化学肥料を使って虫喰いだらけ。次に生の堆肥を使ってもっと虫だらけと。さて、福祉の仕事を始めた時にアトピーやアレルギーの方が多くて4人に3人がアトピーがある。これは環境に関係するのではないか。そこで、農業をクリエイティブにしていくところでたどり着いたのが奇跡のりんごの木村秋則さん。独学で自然栽培を深めていくと除草剤も農薬もないのにできる世界が生まれた。自分の仲間でも障害者で日給が3,000円であったのが、3万円、9万円とあがっていって無肥料でも二毛作ができている。いま、全国で130ヶ所、4,000人の障害者が自然を再生しながら給料をあげている。そこでは、絶滅危惧種も戻ってくる。例えば、石川県ではトキが戻ってくる。そういうことで、収益性もあがって、一般の農家の数十倍になっている。これをみれば、日本の農業が変えられるのではないかと思う。

 ところが、一般には農業が衰退している。このところの米単価があがるといままで薬を撒かずにいたところでまた悪質な薬を撒く農業が再生してきて、目覚めた農業が生まれなくなってきている。もう一回、新しい農業が政府でも民間でも動かなければいけない。既存農家は固まった概念を持っているので動かない。一方で、新しい人たち、国民一人一人がシフトしているし、自分で賄うことも起きている。全国で50団体の農学校も生まれて、そこからプロが生まれたり農業を企業が始めたりしている。農業というイノベーションが生まれている。そして、自然農法のものは肥料を入れなくても美味しい。なぜか。日本の有機農業はピンからキリまであって、中には大地を汚染してしまうような有機農業もある。そこで、自分の作った農産物を食の世界で表現してもらえる人と出会えている。食が変わることが農業が変わることだということで、今後の皆さんとセッションができることを楽しみにしている。

世界は小さな勇気の連鎖から変わる

岩澤正和 先日、下北半島で一緒に漁をしてきた。定置網には未利用魚が入るので、それは海に戻すと。食料にできていない。ホタテの街なのだが、青森県知事がホタテがほぼ全滅で8,500億円の被害と。道の駅もレストランもやっておらず元気がなかった[注]

[注] 青森県では2024年の記録的な高海水温の影響で、陸奥湾のホタテ養殖に甚大な被害が出ており、2025年秋の調査でも、むつ市でへい死率が98%に達する状況が報告されている。

「一皿で地球を耕す」という活動をしている。2004年にデンマークで数人の料理人が集まり、「北欧食」の宣言をした。そこで、クラウス・マーヤさんに聞くと「この小さな声が全世界を動かすとは思っていなかった」と言う。そこで、マーヤさんは、ノーマというお店を作った。このように北欧は生活を脅かす気候危機への共通認識が生まれたのが早かった。

 なぜ、この危機感があるのかというと、アース・オーバー・シュートディから。デンマークでは、地球1年分の資源を3月16日に使い切った。日本は5月16日。デンマークは日本より早く危機が来て動いている。日本はまだゆとりがある。地方や限界集落にいくとそれが見える。

 この写真は練馬区の農家さんたち、基本的には慣行農法だが、それとの出会いが自分の料理を変えた。けれども、チャットGTPだと2050年には練馬の農家の81%がいなくなると。料理人として食材をどうするのかと。

 今、33人の仲間がいる。このピッツアには15人の農家が関係している。薬が減れば医療費が減る。病院いく人も変わる。野菜が増えればCO2も減る。農家が増えれば雇用も生まれる。料理が全てに連鎖していくことがわかっている。レストランは社会の未来を設計するプラットフォームであると。

 地球を守るための再生宣言をしたのだが、日本全体で1割の人しか再生可能なことを考えていない。農家、料理、同じ価値観の人が動き出して束になれば産業連合みたいなものができると思っている。そして、地域の生産者とつながることが大事である。日本はすでに答えを持っている国である。デンマークの取り組みは素晴らしかったのだが、日本はそれ以上の力を持っている国であることに気づいた。四季、発酵、出汁、旬、もったいない。いずれも、世界が必要としているもので、日本はDNAとして持っている。だから、見本を示すべきかなと思っている。

 地域を豊かにしていくことが大事なのだが、ただ、そこで、出てくるのがお金という壁。ただ、日本には100万もの厨房があるので食から変えられる可能性があるのではないか。例えば、伊勢神宮は変わらないために変え続けている。1,000年近くもそれをやっている。料理は未来を作る仕組みにならないといけない。ある経営者の研修でメインディッシュで白菜を出してみた。伊勢神宮で買った白菜で100円なのだが、ビーフには経営者は飽きているので喜んでくれた。欧州では食の産業プロジェクトが主要産業になってきている。

20251002014S.JPG 世界は大きな力では変わらない。小さな勇気の連鎖が未来を動かす。そのことをちょっと忘れているのではないか。この写真は、商店街の当たり前の景色なのだが、商店街で毎月掃除をしている。たかだか30分だが、それで、小さな信頼でできる。そのつながりと希望をどうつなぐか。味よりもこうした取り組みに感動してくれるのがうちでは多い。壮大なビジョンからではなく、今日の一歩から始まる。北欧よりも早く戻せる。

下田屋毅 アース・オーバー・シュートディとは、1月から始めていつ地球の資源を使い切るか。で、これでみると日本も今の時期にはもう使い切ってしまっている。つまり、未来の世代の資源を使っていることで生きていると。

プラネタリーヘルスダイエット~食農医歯を連携させる

20251002018S.JPG桐村里紗 私は、医者になって21年目。16年目まで腸内環境の専門だったが、いまは鳥取県の江府町に住んでいる。「プラネタリーヘルス」ということで、多様な分野と連携しながら推進している。医者なのだが、社会で病人が作られているので、拉致があかない。ハイパープロセスフード。こうしたものが食を通じても入ってくる。それが医療になってくると。医者はそのシステムで薬を出すと。こういう社会構造で誰が喜ぶのか。ほとんどの人が慢性炎症での生活習慣病。社会システムを見ても病理的。

 「炎症と人間」はエコノミストと医師が書いた本なのだが、大航海時代から伝統的な食料システムを破壊してきた金融支配を炎症と捉え、これが人間にも炎症を起こしていると。慢性疾患の多くが社会構造に起因する炎症の累積から生まれるとしている。これに賛同する。

20251002019S.JPG 医者は臓器だけを見てきたのだが要素還元主義である。それが、食べたものである。さらに、超生命体であるということになってきている。この社会全体を健全にしていこうというのが2015年から医療で勧められているプラネタリーヘルス。金融資本の破壊型経済から新しい資本、再生型経済へ。再生することが評価され、そこから生まれる多様な価値、健康、幸せ、生き物の喜びが評価される。それができたならばプラネタリーヘルスも実現すると。

20251002021S.JPG 大事なのがフードシステムである。人間は食べることでつながっている。そして、生活者があたりまえの選択ができる社会ができると。プラネタリーヘルス・ドクターズが食や農を再生できるといいねと。

20251002024S.JPG 佐伯さんが慣行のタマネギは腐敗して違うと言っていたが、バイオダイナミック農法では乳酸菌が多く、微生物の多様性が多く、かつ、病原菌がゼロであった。ソニーがやっている共生農法なのだが、拡張生態系の実践でMocAスコアが改善され、ホモシスティンが低下する。MocAスコアは認知症の指数。ホモシスティンは炎症なのだが、生物多様性にふれることで健康になる。医師として推進していきたい。ここをオーガニックにしていくことが大事である。

 食べることは、食を通じて大地とつながり、風土とつながっている。それをお母さんが歴史文化、気候風土を踏まえた食べ物で土地を身体化していく。失ってしまったものがつながりなので、それを取り戻すればいいので、和食人類幸福学。それが和の文化だと思っている。

パネルディスカッション~マニフェストをどう広げ社会に浸透させていくか

下田屋毅 農水省のフードテック官民でウェブサイトを持っているのだが、拡散ができていないし皆さんも知らない。賛同されている3人から周りの人の反応や拡散へのボトルネック。どうすれば広がっていくのかについてお伺いしたい。

佐伯康人 難しすぎるよ。コロナのパンデミックのときに自分が妄想したのが食が棚からなくなっていくと。流通が止まる。そして、自国ファーストにならないと危ないと。で、生活の柱を皆が持つ。国の制度も変えたいが、まずは一人から。国を変えるよりもこちらの方が早いかな。有名なシェフが有機野菜を欲しがるのだが、生産する人が減っている。美味しいし、素材がいいので調味料がいらない。それでミシュランになった人もいる。プラネタリーヘルスとか環境再生型とか、いろんな言葉があるのだが、まずは食を選べないのは農業全体が悪いと。

下田屋毅 作付け面積が広がっていかないといけないのかなと。

佐伯康人 農業をさせない嫉妬深い社会が日本をダメにしている。食えない農業。イノベーションもできない。学ぶこともやめている。めちゃくちゃだなと地域にいると思うことが多い。だけれども、僕らの方が稼いでいる。自分自身は余裕があるのだが、社会を見ると、薬を撒く農家がいるとか、どうにかして欲しいと。

1割が変わればムーブメントで国は変わる

下田屋毅 では、次にシェフがどう社会を変えていくのか。

20251002027S.jpg岩澤正和 農家を守らないとか、生産者を守らなければと言っているのだが、農業の仕組みが悪いと。根本的には仕組みを変えないと。漁協でも同じことを言われる。そこで、ある政治家に聞いてみると、わかっていてもぶっちゃけ変えられないと。そこで、「どうしたらいいですか」と聞いたら、1割が賛同すればそのムーブメントで国は変えられる。自分としては、色々な実験をしている。同じようなサラダで金額を倍に。慣行の1,000円と自然農の2,000円。お客さんは半々。うちは5,000円、6,000円の単価の店なので色々と挑戦をして1割が変わることを目標にしている。

下田屋毅 味はどうですか。

岩澤正和 全く別物で素材それだけで美味しくなる。手を加える必要もない。マイナスの美学のあるこの国なので、素材そのものが楽しめる。適切な価格で適切なスタッフに報酬もできる。贅沢もせず足を知る。そして、環境にもいい。

佐伯康人 なんでこんなことが起こっているのか。有機の方が安い。

日本は意識が低いのでまずは自分の健康をきっかけに食とつなげる

下田屋毅 では、どうやってつながっていけばいいのか。

桐村里紗 まず人間の健康からだと。日本人は環境意識が低い。自分の健康に対してですら動かないほど意識が低いので。まず生活者から動くことかなと。

下田屋毅 まだまだ知られていないのだが、本来のあるべき姿がプラネタリーヘルス。みどり食料システム戦略は25%を目標として掲げているが、私的にはこんな状況でも25%でいいのと思う。で、シゼンタイの佐伯さん的にはどうすれば広がっていくと思いますか。

国を変えるよりも一人一人が食べ物を育てることから

佐伯康人 投資しては撤退する水耕栽培。こんなことではなく、農業ができる移住政策をしたり、もう少しシンプルで小さくやればいいのにと思う。皆が気づけば作物を育てるDNAはもともとあるので、農業生産をあげるよりも、自分の家庭での自給率をあげるほうが早いのではないか。育てれば余るし、余れば他の人にあげることになるし。

下田屋毅 今は「作る人」と「食べる人」になっているが、自分の食は自分で作ることが大事なのではないかと。

佐伯康人 三家族で田んぼ1枚とか。実は、今の農業は(機械化されていて)田んぼにも入らない。除草剤も撒くので。けれども、自分で育てることをやってみたら体でわかってくる。

下田屋毅 レストラン、フィリッポも自分で愛媛で農業をされたりしているのだろうか。

岩澤正和 とんでもない量のトウガラシができたり体験しています。なんでこんなに農と距離ができた国なのかと思いますね。

自分で食べ物を得る力を再び養う

20251002028S.jpg桐村里紗 プラネタリーヘルスで考えるといま「業」に丸投げしている。昔の農家は自分で家を建てて里山も自分で管理して、農地も管理してきたのだが、いまは自分で観察することも丸投げしている。だから、再び生きる力で自分で土地に関わっていくことをやっていく。昔はリジェネレーションとか言われなくてもあたり前にやっていた。今度、うちの農場に佐伯さんにも来てもらう。なお、世界の農地の90%は5㏊未満なので。90%の小さいところを変えていく。自分たちが消費するものをどうするかを皆が考えるだけで大きなインパクトがあると。

下田屋毅 では、最後に一言ずつをお願いします。

腸内細菌のアナロジーでは2割が変われば一気に変わる

佐伯康人 新しい考え方、シゼンタイの国民運動が広がっている。

岩澤正和 昔、テレビ番組「料理の哲人」があったように料理が目標にされるといいなと。先日も、服部先生がおなくなりになる前に話をしたのだが「数年後にはそうなるぞ」と言われていた。

桐村里紗 さきほど岩澤シェフが「10%が変われば」と言っておられたが、腸内フローラは7割が日和見菌。残りの3割の中の2割が善玉菌になれば一気に変わる。今はだいたい10人に1人なので、あと10%で転換するかと。たまに怒りも湧いてくるのだが、そう思いたい。

編集後記

 本稿は、2025年10月2日(木)に浜松町の東京都産業貿易センターで開催された日本オーガニック会議の主催による「第10回オーガニックライフスタイルエキスポ2025」での13:00~14:30の「食の選択が未来を育てる:シェフズ・マニフェストの実践とオーガニックの可能性」の内容をまとめたものである。あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとしてご理解いただきたい。詳細については、いずれ日本オーガニック会議から動画が発信されるはずである。なお、会場での撮影を含めて「是非PRしてください」と快諾をいただいた下田屋さんにはこの場を借りてお礼をもうあげたい。また、桐村里紗さんには「プラネタリーヘルスダイエットの概念の広まり具合はどうか」と質問したところ「農業系は反応が悪いが、ビジネス系の人たちの方で広まっている」とのお返事をいただいた。
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2024年11月08日

第2回全国オーガニック給食フォーラムin 常陸大宮―パネルディスカッション

それぞれの自己紹介とオーガニック給食とのかかわり

2024110819S.JPGノンフィクション作家 島村菜津 やっとこうした共演が成り立ちました。では、最初にそれぞれ簡単な自己紹介を。

農林水産省大臣官房審議官 勝野美江 私が農水省に入った時、子どもとの距離を埋めたいと思った。そこで、地方農政局にいた時にこんな紙芝居を作っていた。そして、東京オリンピック、パラリンピックの時には日本の食文化を発信していて、46都道府県の食材を使ったのだが、有機農産物は3%だけだが、活用はされた。

 次に徳島県の副知事をしていたのだが、徳島県版の「みどりの食料システム戦略」づくりの仕事に関わった。レギュラーのメンバーではないのだが、「参加させてください」と言って関わらせてもらった。ポイントは二つ。エシカル農業とエシカル消費でみどり戦略を進めたいと。ということで、この写真のようにJAとくしまの直売所にもエシカル農産物のコーナーがある。また、徳島は一楽照雄さん、そして、生協運動の賀川豊彦の出身地でもある。これだけは紹介したい。そして、一楽照雄さんの出身地の小松島市はいまオーガニック・ビレッジの手をあげている。

オーガニック給食マップ事務局 野々山理恵子 オーガニックマップ事務局の野々山です。一昨年の2022年に中野市のフォーラムを中心となってやった団体で、山田正彦さんが呼びかけて2021年にマップのウェブサイトが立ちあがった。島村菜津さんもメンバーである。現在の運営は、司会をしている杉山敦子、山田正彦さんの秘書、遠藤菜美恵さんと私とがやっている。有機給食に関わるようになったのは、以前にパルシステム東京の代表をしていたからである。現在170万人の組合員がいる。

白山環境給食まちづくり協議会 米山立子 白山から来た。私たちの団体は今年の2月に発足した。協議会は昨年の秋に地域の方との意見交換会をして、その後、震災があった。私も輪島出身である。

2024110825S.JPG有限会社横田農場 横田祥 竜ヶ崎市で農業をしている。田んぼで生産をしているのだが農業体験や米粉料理の教室、「おこめLABO」もやっている。日々田んぼの仕事をしていると周りが80歳、90歳。私が嫁に来た時は30haだったのだが、今は170㏊。周りが見な高齢化で止めていく。私たちのような女性でも担い手不足で何かできるのではないかと思って、米農家の私とアグリバトンプロジェクトを立ち上げた。農業が楽しいという食育絵本になっている。クラウドファンディングで200万円を集めて完成して、これを子どもたちに読み聞かせる活動をしている。一粒のタネから朝ご飯ができていたことまでの絵本になっている。最後には全国の農家に魅力について聞いて、その言葉も載せてある。子どもたちに読み聞かせることで食育になる。3人からスタートしたのが、沖縄までいま169名まで広がっている。

子どもたちのためにという想いは全国共通~皆仲良しの長野県松川町が優良事例

島村菜津 170㏊。これを減農薬で、7割減。化学肥料も6割減。そして、有機のコシヒカリも売っている。すごいと思います。では、次にまず、勝野さんから。全国を回っていて何が大切かと思われますか。

2024110822S.JPG勝野美江 今日の常陸大宮市の皆さんの発表を聞いていて、子どもたちのためにという表現があった。どこに行ってもその想いは共通している。地域農業をよくしたいと。徳島県の事例もそうですが、徳島でオーガニックビレッジを宣言している海陽町も有機農業でニンジンを作っている女性が、栄養士の方に直談判をして「赤字でいいから食べてみて」とお願いして、それが給食に導入されて、オーガニックビレッジなったという感動的なことをしている。その女性が周りを動かしている。

 先日は、長野県松川町を視察させていただいたのだが、ここのまちの人たちも皆仲良し。これが大事で、うまく行っていないところでは「泥付きの野菜が来る」とか文句ばかりなのに、松川町では週1とか月1回で農家との学校との話あいを徹底してやっている。

島村菜津 新しい環境をつむぐと。大きな生協、パルシステムもCMをみていると大きいとみたのだが、ものすごい運動体なのですね。世界に先駆けて直売を頑張った。それがいま過渡期に来ている。次のうねりに来ていると思うのだが、社会づくりが大事。

野々山理恵子 元JA職員の石塚氏さんが、地域で言うと条例を作った。ルールを変えられたら無駄になってしまう。それには数の力がいる。つまり、仲間づくりが大事であると。

現役の母親の想いだけで突っ走らないように行政の立場を考慮して市民の信頼を得る

島村菜津 米山さんはそれまで報道の仕事をされていて子育ての中で活動をされているのだが、いまの給食について。

米山立子 うちには小学校5年生と2年生の子どもがいて、給食というと1万人弱が給食の受益者で11万人市民には自分毎にならない。山田正彦先生に来てもらったり印鑰智哉さんにも来てもらって勉強をしているのだが、私たちは現役の母ちゃんの想いだけでの主義主張になって、行政やJAからすれば「面倒くさい母ちゃん」とは仲良くなりたくないので、それぞれの立場でのメリットで何なのだろうかと見せ方、入口が必要かなと。ゴールは一緒なので。いい悪いではなくて手を取りあう。なので、オーガニックで100人、200人が来るイベントの講演会には白山市とかの後援をつける。すると市民の側も「テレビにも出ていないが、安心ができる団体なんだな」と思ってもらえる。そうすると情報も〇円で提供していても信頼できる情報であると。

島村菜津 分断が起こらないように細心の注意を払っているわけですね。

米山立子 「そう書かれるとぐちゃぐちゃにいなるので書かないで」とか新聞社にも配慮しています。

子どもの味は正直で慣行ではゴミのように野菜が残飯で出てしまう

横田祥 うちは子どもが6人いて、上が25歳。なので、小学校はずっと通っていた。そこをずっとみてきて、私の頃と比べても残飯が多いなと。常陸大宮市はいかがでしょうか。アレルギーの問題もあるのだが、アレルギーはよけていいよというと、子どもは嫌いなものは皆避ける。すると、野菜のボールが満杯になる。唐揚げはお代りがあるのだけれども。山盛り野菜が残っている。牛乳も山のように廃棄されている。有機では野菜そのものが美味しい。そういう機会が増えれば残飯の量も減るのではないか。

島村菜津 子どもたちの残飯はいすみ市でも減ったと聞いています。心にゆとりが必要だと。また、横田さんは生産者だけでなく6人のお母ちゃんだと。びっくりしました。ですが、自分の子どもがとかいうケチな話ではなくて。さて、勝野さんとは副知事の時にお会いしました。なので、最後に皆さんにお聞きしたいのは、これからの運動を広げていく上で何ができるか。

適材適所に優れた人材をトップが配置することが大事

勝野美江 2020年の東京五輪・パラリンピックのときには共生社会のホストタウン事業をやっていまして、北九州市と築上町が登録された。で、築上町では人糞尿を水田に出すことを5年やっている。町長が担当の時にした。で、仕事ができる人を大事なところに当てるのがことが本当に事業ができることで、疋田さんを担当課長にさせたのが、鈴木市長はすごいと思います。私は、532の自治体でホストタウン事業をやっていたのだが、本当にできる担当をおいている首長は意外にいない。なので、松川町もそうですし、JA東とくしまもそうですが、トップが適材適所に人材をおいて活躍してもらうところは伸びていくと思う。学校給食に限らず、社員給食にまで広げたらいいと思う。

3.5%の転換の法則~カリスマよりも市民の草の根の意識で

2024110823S.JPG野々山理恵子 私も代表でしたが、難しいですね。私は資料集でも「同じ想いの人が集まったら3.5%の法則で変えられます」と書きましたが、ハーバード大学の政治学者、エリカ・チェノウェス(1980年~)教授が20世紀の323もの抵抗運動を調査したところ、暴力的な運動より非暴力的な運動の方が2倍の成功率で、なおかつ、コミュニティの3.5%以上の人が参加した運動は失敗していないと。とても魅了的な数字です。日本は1億人なので、433万人。皆さんの地域での市民は何人でしょうか。カリスマはいた方がいいけれども必要がない。微力であっても、市民の側から社会を変えられることもある。給食から地域を変えてみませんかと。

米山立子 有機の前提は地産地消ですね。有機だからといって海外からオーガニックを入れるのには違和感があります。子どもたちに「課題を見つけて解決せよ」と言っている私たちが課題を解決できなければと思います。

横山祥子 私は農家なので。担い手をなんとかしなければと感じている。アグリバトンも農家とつながって。農家と話をしてもらうことをしている。オーガニック給食、担い手育成に協力いただければと思う。

皆が仲良い松川町の給食のように誰もが日本一の給食を目指す

島村菜津 あと1ラウンドできるのかな。では、最後にあと一言づつ言いたいことがあればお願いします。

勝野美江 いきなり振られてまだ心の準備ができていなかったのですが[会場笑]。先ほど、担い手不足の話がありましたが、長野県松川町は元々遊休農地対策で有機農業を始めた。そして、外から有機の先生にきてもらって急速に進展した。農業委員会を担当している女性の職員から始まって、その方が栄養士の方と仲良しで。まずは農業担当が間に入って、栄養士の言葉を直接にではなく、まずは翻訳して農家さんに伝えている。で、その栄養士さんは「調理員が大事だ」と。ということで、食育ということで、「畑にいってタマネギの皮むきをしてくれるクラスがありますか」と言って子どもたちに作業もしてもらっている。そして、それが校内で放送される。「今日の給食は5年1組のおかげですよ」と。この話を聞いて私は、松川町の給食は日本一だと思っていたのですが、今日のお話を聞いて常陸大宮の給食も日本一かなと。ということで、「うちの給食が日本一だ」と皆が思ったら日本はよくなると思いました。

野々山理恵子 今の言葉で農水省に対する見方を変えさせてもらった[笑]。規模が大きくなると古参の組合員から「大きくしないで」と言われるのだが、私たちの目的は共生社会なので。そして、社会を変えるには数も必要なので。ただ、大きくなると問題も出てくるし、タダ乗りする人もでてくるので、病気にならない程度に我慢と。

消費者の消費としての投票権を活かし需要から社会を変える

2024110824S.JPG米山立子 では一言ではなく二言。まず、毎日できる体験の学び。質を上げるのが環境教育なのだが、それができない中で給食が体験の機会なので環境機会とつなげたい。関わる人を増やすのも一般の理解を促す。そして、もう一つは、現役の母ちゃんなので買う。私たちは知らない間に選ばされている。お店で売っているから大丈夫だと。自分から情報を取りに行くことも大事なのだが、主義主張をして需要と供給でマーケットを作っていければいいと。だから、いい買い物をしましょう。

横山祥子 昨日もお米の話を小学校でしてきた。農家がその作物に話すことが一番効果が高い。なので、是非、美味しい給食を導入する時に伝えることをやってください。子どもたちが綺麗に完食してくれるのではないかなと思います。

島村菜津 では、最後のまとめです。鈴木先生と堤先生の話と呼応するようですが、前に横田さんが困っていたのは有機米が売れること。人工の大豆ミートではなく、高血圧が少ない東洋が誇る精進文化も日本にはあるのでそれを発信していきましょう。これからが運動の正念場だと思っています。2年目の米ができるまでは常陸大宮市の記事は書けないと待っていました。隣の県の農協の田んぼが実はこれほど気になったことはこれまでなかったですね。お田植え際も来ましたし。常陸大宮市から日本のモデルが変わると思います。朝、感動したのは勝野さんと偶然、電車で一緒になって。心に泉を持っている人は、一緒にいると社会的な肩書きではなく、泉が湧いてきませんか。スローフードの本を書いた時には想像ができなかった動きが起きている。頑張りましょう。

編集後記

 本稿は、2024年11月8日(金)16:30~17:30にかけて、常陸大宮市オーガニック給食フォーラム実行委員会の主催によって、常陸大宮市文化センター・ロゼホールとオンラインで行われた「第2回全国オーガニック給食フォーラムin 常陸大宮」での「子どもたちを守り、地域を輝かせる環境時代の給食とは~各地で活躍する女性たちにきく」と題して、ノンフィクション作家、島村菜津氏のコーディネーターでなされた4人の女性パネラーとのシンポジウムの内容をまとめたものである。あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとして正確さに欠けることをご理解いただきたい。

 60分という短い時間の中でも、多くの本質的な課題とその解決策が提起されたと思っている。なお、発言の上のパラグラフは編集子が勝手につけたものである。

 この会場に来る時までは車内でラジ・パテルの『肥満と飢餓』(2010)作品社を読んでいた。そこで、書かれていたのは、先進国は自由なようで実は消費者の嗜好は企業によってかなりコントロールされているということであった。その極めつけが、スーパーである。店で流れるBGMから商品のレイアウト、導線まで無意識のうちにどうやって買わせるかが仕組まれている。「私たちは知らない間に選ばされている」といった米山さんの発言はその意味でもシンクロしていた。なお、こうした形での情報発信はかまわないと承諾いただいた主催者の皆さんにこの場を借りてお礼をもうしあげます。
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第2回全国オーガニック給食フォーラムin 常陸大宮―常陸大宮市の事例報告

常陸大宮市学校給食オールスターズ

2024110817S.JPGコーディネーター萩谷茂 JA茨城県中央会 の萩谷です。ポイントだけ話を聞いてもらいたい。まず、給食を作る側ということで、噂にでたアグリサポート以外で作っている農家と組織をまとめている人を紹介したい。まず、給食センター長の大高康男さん。どれだけ提供しているんですか。

大高康男 2,500人分15校に提供して いる。ご飯もできるし、揚げ物もできる。

萩谷茂 で、有機食材の割合は?

大高康男 昨年は17%。今年は23%になっている。

萩谷茂 僕が現地に行ったときには「有機で元気」という掛け声があったのですが「学校給食から育むウェルビーング」というフレーズが気になった。事前にいただいた資料でも困難があったと。そのあたりの説明を。

大高康男 なぜウェルビーングにしたのかというと、原点に戻って考え、角度を変えて考えたと。まず、腸内細菌が喜ぶと各臓器が良くなる。そして、腸脳相関もある。様々な分野の人がやることで人とのつながりが良くなるよねと。

萩谷茂 ありがとうございます。では次に栄養教諭さんから。

植田琴 山形小学校の栄養教諭です。今日の資料の表紙の子どもたちが笑顔で元気な写真もうちのものです。

萩谷茂 資料を見ていると生産者がどのように作っているのかの情報を共有したりとか、そして、子どもたちも一緒に作っているんですかね。

植田琴 はい。カモスフィールドで収穫して、それで味噌汁を作っています。

萩谷茂 こうしたことをどういうカタチで子どもたちに還元していくのでしょうか。そこには、どんな狙いがあるのでしょうか。

植田琴 子どもはとても素直なので、一口で食べて[良い]リアクションがある時もあれば、「えっ」と言われる日もある。子どもの呟きが悲しい時がある。なので、子どもたちに栄養の知識だけでなく感謝の知識も知ってもらいたいと思ってやっている。

萩谷茂 いいですね。こういう人たちがいるのでオーガニックの学校給食が実現していると思う。では、次にカモスフィールドの横山さん。施設を拡大しているという話は先ほど秋山組合長からも出ていたのだが、どういうコンセプトでやっているのでしょうか。

横山慎一 いつも40分で説明しているのを1分で説明すると、私たちは微生物のお世話係。微生物を育てると。そして、微生物の変化に気づいてあげる。それは、子育てに近い。

萩谷茂 次にもう一人の農家、野上勉さん。この写真のように奥さんが秋山さんを虐めたりしていますよね[会場笑]。奥さんも機械の免許を取られているとか。

野上勉 はい。作っているのが水稲が多く、重いものは僕が運ぶ。そこから先の作業は奥さんにお願いしています。

萩谷茂 いまは農機具も女性が扱えるようになったのですが、これが田んぼで、こんな感じですが、この水路についてだけ説明を。

野上勉 ビオトープと言ってこの浄化区間になっているのです。パイプラインを通している。ここが生物の住処になって農薬とかが入っている水が浄化されると。

萩谷茂 では、次に組織をまとめる側で、JA常務理事の小林美雪さん。

小林美幸 JA常陸の管内には11市町村もあるので、市町村の皆さん、常陸大宮市を見習いながらやっていきたいのでお願いします。

萩谷茂 組合長は強気なので。で、最後に全体をまとめていただいているので、常陸大宮市からその立場からコメントをいただきたい。メディアにでるのも多くなっていますし、神様にお願いしたり。

農林振興課疋田徹治課長補佐 神様は私ではなく組合長からの発案なので。私は多くの人に支えられるのが地産地消だと思っている。イベントをやることで皆さんの心を集めればとイベントをやっているのだが、私はイベントが嫌いなのでうちの女性がやっているので女性職員にまかせている。

萩谷茂 こういう人たちもいるのでできるのですね。JAグループ茨城もいろんなところで情報を紹介しているのだが、常陸大宮市がどうしてもイベントが多い。神事を含めて神社に奉納したりと。素晴らしいことだと思っている。で、最後に話題になっていたが、有機農業をやっている2ヶ所、三美地区という畑と有機の田んぼの地区。これがまとめっているようだが、協定の話。どう慣行農業と共存していくのか。

2024110818S.JPG疋田徹治 全国で最初に協定を取ったのだが苦労していない。「子どもたちのために有機米を」と言ったら「いいよ」と地区がまとめてくれたので、区長がやってくれたので農家の説明会は1回だけ。75件の地権者がいたのですが、「子どもたちのため」というと誰も反対しない。

萩谷茂 そう言いながらも水を共有するので水を入れ換えたと。

疋田徹治 そこは農地の斡旋なので、それをバックアップするのが役所の役割なので。

萩谷茂 有機の農地が水路に並ぶようにしたんですね。もう一つは農薬の関係で、隣にある慣行農業をやっている人との関係で協定書ができたと思うんですが。

疋田徹治 耕作者が変わってもやれるには協定がいいのではないかと。反対はゼロであったので。

萩谷茂 ということで、「子どもたちのために」をキーワードにすればいいと思います。

編集後記
 本稿は、2024年11月8日(金)16:05~16:30にかけて、常陸大宮市オーガニック給食フォーラム実行委員会の主催によって、常陸大宮市文化センター・ロゼホールとオンラインで行われた「第2回全国オーガニック給食フォーラムin 常陸大宮」での「常陸大宮市の事例報告~常陸大宮市学校給食オールスターズ」と題して、JA茨城中央会の萩谷茂氏のコーディネーターでなされた関係者のミニシンポジウムの内容をまとめたものである。あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとして正確さに欠けることをご理解いただきたい。

 25分という短い時間の中でも、給食が提供できる仕組みが明確に伝わってくることがわかる。常陸大宮の取り組みは、例えば、学校給食センターの考え方はこの動画で、市の取り組みについてはJAいばらぎのこの動画で見ることができるので、さらに興味を抱かれた方は是非、この動画サイトも参照されたい。 

 なお、こうした形での情報発信はかまわないと承諾いただいたJA茨城中央会の萩谷茂氏を始めとする主催者の皆さんにこの場を借りてお礼をもうしあげます。
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第2回全国オーガニック給食フォーラムin 常陸大宮―JA常陸の取り組み

常陸大宮市における有機農業への取組み

2024110813S.JPG 最初にJA常陸の概況について説明したい。北関東でもトップクラスの農協である。貯金は3,250億円。販売高が93億円で100億円を目指している。水戸から40㎞、人口が3万8,000人。水田1,660ha。畑地が880㏊。那珂川と久慈川に挟まれている。昔は奥久慈きゅうりが特産として有名であったが、今はなくなって、生姜が有名である。

 さて、2017年に就任した大井川和彦(1967年~)知事は、経済合理的な考え方をする方で、そうした農業政策を打ち出してきたのだが、条件不利地域である県北振興をどうするか。そこで、オーガニックでやろうと。県は最大70%の補助をすると。有機では機械でも慣行と取り換えなければならないので、有機専用のトラクターを買わせてもらった。

 そして、4年前の2020年に鈴木定幸(1967年~)市長が当選されて、有機給食を公約する。そこで、私も腹を決めてやるしかないと。農協には高齢化によって増える一方の不耕作地問題を解決するために「(株)JA常陸アグリサポート」(職員60名)という水田受託をやっている会社がある。この地域から大子まで約250㏊を管理しているのだが、これを受けて2022年から挑戦を始めた。「市長と県から催促を受けている。これでやらなければ組合長がやる気がないのではないか」と言われてしまうと。

 けれども、作り方もわからない。だから、社長の鈴木秀行さんは難色を示していた。けれども、山田正彦さんと島村菜津さんが見えられた。そこで、やる気になった。また、「いばらき有機農業技術研究会」の松岡尚孝会長と2022年に指導の契約を結んで週3日指導してもらった。じゃがいもから入って、さつまいも、カボチャ、人参と指導してもらったのだが、除草剤も農薬も使わないのにぜんぶ成功した。市長に持っていたっら「やれば、できるじゃないか」と[会場笑]。

 2年かかったのだが、自信をつけたのかプロ集団なので、私の指示なしに勝手に栃木県の「民間稲作研究所」に通って、米もやろうと。絶対成功すると。その結果、食味系で85まででた。普通の米の数値は80で、タンパク質が多くなると下がってしまう。自然な栽培方法だといい。そして、今年は90ですから。ですから、皆さんの会場で食べられているおにぎりは95はあるんじゃないかと。そのあたりが売りになって、24年は9haと一気に栽培面積が拡大した。1区画がほとんどが有機になる。そこで、周囲の農地での空散での農薬がかかるので2023年に協定を結んだ。全国で初めてということで表彰をされた。

 この写真は野菜生産の中心で三美地区で元々タバコ地帯で32haある。40代の若手農家がハウスで成功して、左側の写真が有機栽培のサツマイモ、右側の写真がカモスフィールド。完全な60棟のハウスだが100棟に拡大する予定で、土づくりからやるのだが70%が補助。いま、給食センターと東京のベジコープに売っている。

2024110814S.JPG 地図の赤色のところが最初の4ha、黄色が来年で15㏊が2,400名の小学校、中学校を有機でまかなうために必要な面積なのだが、それが達成できる。そして、有機大豆も2年目で成功している。

 また、収穫祭もやっている。有機農業は、自然に歯を向かれたらダメだということで神事もやっている。そして、給食で作った米の名前をどうするかはさんざんと揉めたのだが、アンパンマンのソング「勇気りんりん」から「結城凛凛(失敗や危険をかえりみず、勇敢に物事に立ち向かっていこうとするさまのこと)」と命名した。

2024110816S.JPG では、携わった主なメンバーを紹介したい。まず、鈴木秀行社長。次に松岡尚孝先生。その次に、鈴木社長の下にいる鈴木康成さん。株式会社JA常陸アグリサポート大宮地区統括兼大宮営業所長で常陸大宮市稲作農家。そして、有機米担当の寺門裕士さん。深水管理ではザリガニに穴を開けられた終わりなので毎日検査をしている。そして、岡崎孝教君は野菜担当。もともとJA職員だったのだが変わり者で「農業をやりたい」とこちらに移った。毎日、水を得た魚のように喜んで農作業をされている。そして、販売は農協が請け負っている。その担当の会沢亮一さん。来年は、さらに生産と給食をまとめる給食コーディネーターが入る予定である。

編集後記

 本稿は、2024年11月8日(金)15:50~16:05にかけて、常陸大宮市オーガニック給食フォーラム実行委員会の主催によって、常陸大宮市文化センター・ロゼホールとオンラインで行われた「第2回全国オーガニック給食フォーラムin 常陸大宮」での「常陸大宮市における有機農業への取組み」と題して、JA常陸の秋山豊組合長からの報告内容をまとめたものである。あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとして正確さに欠けることをご理解いただきたい。

 15分という短い時間の中でも、常陸大宮が農協主導で有機を達成していることがよくわかる。なお、この取り組みについては多くの情報が発信されているので、以下を参照されたい。例えば、活字では「㈱ JA常陸アグリサポートによる有機農業の取組」がある。

 また、動画も充実している。例えば、鈴木市長と秋山組合長が挨拶をされている初収穫の動画はこのサイトで見られる。
 さらに、· JAグループ茨城では次のような動画も発信されている。

2023年 有機栽培米お田植祭(8分)

 なお、一カ所だけ、オリジナルと変えた部分がある。「水戸から40㎞、人口が3万8,000人」のところを最初は秋山豊組合長は、38万人といってから訂正して会場で爆笑をさらったのだ。県庁所在地の水戸ですら27万人しかない。交流会でそのことを指摘すると「10倍くらいにはしたいのでワザと言ったのだ」と笑っておられた。とはいえ、食料危機を最も直撃するのは自給率が限りなく0%に近い首都東京であろう。「賑やかな過疎」こそが21世紀の皆の夢になりつつようにあるとも感じたりもした。なお、こうした形での情報発信はかまわないと承諾いただいたJA茨城中央会の萩谷茂氏を始めとする主催者の皆さんにこの場を借りてお礼をもうしあげます。
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2024年10月10日

リジェネラティブ・オーガニック・カンファレンス2024⑨

多年草穀物カーンザ~未来に根差した選択肢
北海道大学 内田義崇准教授

20241010121.JPG 私は北大で、物質循環、炭素や鉛がどう循環しているのかを研究している。循環型農業についても本当に循環しているのかを研究している。3年前にパタゴニアの近藤勝宏さんと木村純平さんから「リジェネラティブ農業のポテンシャルを調べたい」と声をかけられて嬉しいと思った。私はニュージーランドの大学を出ていて、米国の研究者とも派閥抜きで楽しく交流できてきたことから、作物学の同じ年代の先生と組んで、研究をやっていこうと。今日は、あまりデータは見せられないのだが、多年生の穀物カーンザについて紹介をしたい。

世界規模の課題の多くは農業と関連

20241010123.JPG さて、このグラフは色々なところで使っているのだがすべてが指数関数的にあがっている。これは何かと言うと、ハーバボッシュ法による肥料の消費量が指数関数的に増えているのだが、同じように指数関数的に種が絶滅していると。つまり、我々は指数関数的に資源を枯渇させながらここまで豊かになってきたのだが、いろんな資源もなくなっていて、このままのやり方では食料を生産し続けることはできないし、うまくいかない社会になると。

20241010125.JPG それは今日、この会場にお見えの皆さんはわかっておられるであろう。そこの大きな背景を踏まえて私は多年生作物に着目している。というのは、それによってトラクターで耕す回数が減らせるし、土壌流亡も防げる。

耕起で土壌の団粒構造を破壊することが世界的に問題を引き起こす

 20241010126.JPG耕起によって引き起こされる世界規模での課題として、いま33%の土壌が劣化しているのが、2050年までに90%以上が劣化すると。これはラタン・ラルがよく使うのだが、マダガスカルのベスティボカ(Bestiboka)の渓谷の写真である。これを見た宇宙飛行士が「地球が血を流している」とのコメントを寄せた。

 これは世界の熱帯地方だけではない。北海道でも十勝地方では「十勝おろし」が5月頃に吹くのだが車道が煙でもうもうとしている。皆が春に向けて一生懸命に耕しているので、土が大量に舞ってしまう。耕すことによって土壌の団粒構造が崩壊し、つぶつぶの単粒構造に戻ると。

20241010127.JPG この写真をご覧いただきたい。水を染み込ませると単粒構造の方はふやけ方がひどくなる。そして、土は耕さないほど水に溶けにくい。こうなった団粒には空隙があり、雨が降ったり、日光が強かったりといった外的撹乱に耐えられる。土壌の流亡もまずは防げる。

カーンザは播種量を増やすと米国での収量に近づく

20241010128.JPG さて、多年生穀物のさらなる特徴で、これはカーンザの写真だが、多年生は穀物は、まさに多年性で根が1.5mよりも深いので一年草ではアクセスできないところの水や養分も吸いとれる。そして、この根は微生物に食べる栄養として届けられるので、それに依存する微生物や土壌動物が増えることが期待できる。物質循環的に化石燃料への依存からの脱却につながるし、持続可能な農業に貢献できる。

20241010129.JPG カーンザはIWG(Intermediate WheatGrass)と言われているのだが、多年生なので毎年大きくなるのだが、ひこばえのように再生する。そして、深い根があるので少ない雨でもできるし、硝酸汚濁も少なくできる。そのことは効果として学術的にはわかっている。

 世界中にもパートナーを設けているので、世界中で調べられているが、日本だけは気候が違う。そこで、日本でもできるのかをやることが必要である。そして、これが、日本で栽培されているカーンザの唯一の写真。どこでやっているのかは言えないのだが。

20241010132.JPG さて、米国の事例に較べて日本は収量が低い。雑草が多いのと夏の植えるタイミングで土壌が湿潤で粘土質だと初期生育が悪いことがある。北海道は永い冬があるので越冬前にどれだけかを調べてみた。すると思ったよりは越冬はしてくれる。そして、播種量を倍にすると米国の収量に近づけられると。

 20241010133.JPG土壌炭素の削減の効果の結果もほとんどないので学術的にはないので小原君にきてもらって研究をやっている。「うちでもやりたい」という方がおられればできるようにしておきたい。

北海道は日本の食糧基地として大切だが文化にどう組み込むか

 20241010134.JPGさて、私は土壌教育とか社会学的な研究もしているのだが、日本の食料安全においては極めて北海道は重要になる。そして、こうしたものを普及するための課題は、社会的、経済的、文化的な理解の必要性である。どうやって理解を広げていくのか。北海道の食文化というとビールでは難しい。では、食糧生産のパラダイムシフトを引き起こすためには何をどういうステップでやっていけばよいのか。まとめだが、収量性の確保だが、食文化とか文明の中にどう受け入れられるのか。どう売ってどう消費者にわかってもらうかが大事であると。

閉会挨拶

20241010135.JPG近藤勝宏 今日、行った内容は最初に木村の方からリジェネラティブ・オーガニック認証について紹介し、それがもたらすベネフィットを金子信博先生からお話いただいた。第二部では、生産者の方々から実例を交えた多角的なお話をいただいた。第三部ではリジェネラティブ・オーガニックを加速化させるための研究ということで、茨城大学の小松﨑先生と北海道大学の内田先生からお話をいただき、内田先生からは多年草の未来についても情報をいただいた。今日は、ワクワクする熱量を感じた。

 実際にこれが実現できるかどうかは、皆さんにかかっている。奇跡の循環のためのネットワークを作っているので、その実現に向けて働きかけていきたい。こういった場をパタゴニアとしても継続的に持っていきたい。アンケートでのフィードバックもお願いしたい。今日はありがとうございました。

編集後記

 本稿は、2024年10月10日(木)17:00~17:20にかけて、パタゴニア・インターナショナル日本支社の主催によって都内の会場である自由学園明日香館とオンラインで行われた「リジェネラティブ・オーガニック・カンファレンス2024Fall」での「多年草穀物カーンザ~未来に根差した選択肢」と題する内田義崇准教授の講演の内容をまとめたものである。あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとして正確さに欠けることをご理解いただきたい。

 なお、20分という短い時間の中でも、カーンザを活用する意味を明確に伝えていただけた。

 なお、こうした形での情報発信はかまわないと承諾いただいたパタゴニア・インターナショナル日本支社の皆さんにこの場を借りてお礼をもうしあげます。
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リジェネラティブ・オーガニック・カンファレンス2024⑧

農家との連携が切り開く不耕起有機栽培の現状と未来展望
茨城大学農学部 小松﨑将一教授

米国では現場対応型の研究が進んでいる

 20241010101.JPG大規模で大豆を作る挑戦をしている。今、農業を巡る状況はかなり変わってきている。持続可能な農業が温暖化を解決するとされて、有機農業との連携が大事になっている。最初の金子先生の話でもあったが、場にあった技術は大学だけではできないので農家の人と一緒に再生していくことが大事ではないかと思う。

 20241010102.JPGさて、私は1990年代から米国の不耕起栽培を見ているのだが、覆土しなくてもいい品種もできている。今年の9月下旬にも現地で機械の会議があり、交流をしてきたのだが、それでも課題があって、ナメクジの研究があったので、なぜかと思うとやはり出てくると。そこで、地域の研究者が研究をしている。

日本での不耕起栽培の研究は省エネ重視、土を良くするとの視点が必要

20241010103.JPG 日本では不耕起栽培の研究はなされていないように思えるが、実は、農作業学会では1970年代のオリショックの時から、省エネの観点から注目され、2000年代には気候変動の対応として、不耕起機械も開発されてきている。しかし、日本では省力化からの取り組みが多いのだが、2000年に米国では「不耕起は土をよくすることだ」と言われて研究がされている。したがって、この視点での技術の再評価が必要である。


4人の篤農家との出会いからはじまった研究

 20241010105.JPGさて、日本での環境再生型農業のルーツは私的にはこの4人の篤農家の存在が大きい。この4人の方々の体験、アドバイスを受けて、色々と大学にも来ていただいて2020年12月には現地見学会をして、それからチャレンジが始まった。

 不耕起栽培は雑草リスクが大きい。そこで、失敗もしている。よくできた圃場もあれば草に覆われたところもある。米国は雑草の発生量が少ないが、アジアモンスーン地域でやるためには雑草リスクを減らすことが大事である。そして、その体系ができて5ha、10haでもできるといいと思っている。それには、カバークロップを十分に生育させることがポイントかなと思う。日長が短くなるとダイズが出てくるが、カバークロップを播種してこれをコントロールできないかなと。また、耕すのを止めると雑草が多くなるのだが、表面を覆うことができるかなと。

牛久市高松求~裸地は農業を滅ぼす

20241010107.JPG「裸地は農業を滅ぼす」と言ったのは茨城県牛久市高松求さんである。タネを撒きながら薫炭を撒いていく。この効果は微妙である。

20241010108.JPG そして、戸松正さんのやり方。やはり、不耕起でもダイズでは畝間で3回は除草をした方がいい。

 例えば、匝瑳市での結果も、いいところと悪いところもある。いろんな検討が必要である。いい圃場と悪い圃場の比較試験を通じてブラッシュアップさせて行きたい。また、匝瑳市では耕起した圃場よりも不耕起の圃場がよくなっていくことに研究していきたい。

20241010111.JPG そして、茨城県阿見市の浅野祐一さん。ただ草を畑にいれておくだけでいいという浅野さんの畑を電子顕微鏡で見てみたのだが、大型団粒が火山灰土を結びつけて空隙を作っている。そして、雨が降っても耕したところでは水が残るのだが、不耕起は残らないし乾燥にも強い。

 20241010113.JPG次が新城市の松沢政満さん。エルゴステロールの含有量が、多いことを松沢さんに教えてもらったのだが、不耕起だと表層で多くの菌類を育むことができる。

20241010114.JPG そして、カバークロップがあると、20年でこれだけ炭素がストックができてきたと。

 そして、ダイズの収量は今は150㎏/10aなのだが、かつては400㎏/10aは穫れていた。

20241010115.JPG まずは適期播種。耕さないことで土壌が泥濘化することがないので適期に播種ができる。初期においてはダイズは地力窒素も大切で、土壌炭素の蓄積が大事である。ミミズも増えて、土壌炭素も増えて、鉄やアルミと結合しているリン酸も可溶化するし、土壌水分の確保や青だちの抑制もできる。

 さて、環境再生農業だが、私の身の周りでも多くの人がやっている。写真の右側の青木さんは不耕起で20haをやっているし、裸足農園も不耕起で、山田さんも頑張っている。

20241010116.JPG そして、この朝日新聞の石井徹記者の記事で印象的だったのが「人類は耕し過ぎた」というタイトルでの記事である。確かに農学は耕す研究であったのだが、それ以外のことを果たすために皆さんが使う技術のためには皆さんの経験を共有していく必要性があると思っている。

大野由紀子 「人類は耕しすぎた」という最後の言葉が印象的であった。

編集後記

 本稿は、2024年10月10日(木)16:20~16:45にかけて、パタゴニア・インターナショナル日本支社の主催によって都内の会場である自由学園明日香館とオンラインで行われた「リジェネラティブ・オーガニック・カンファレンス2024Fall」での「農家との連携が切り開く不耕起有機栽培の現状と未来展望」と題する小松﨑将一教授の講演の内容をまとめたものである。あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとして正確さに欠けることをご理解いただきたい。

 なお、25分と言う短い時間の中でも、4名の篤農家の先駆的な取り組みが研究に続いていることをきちんと伝えていただけた。

 なお、こうした形での情報発信はかまわないと承諾いただいたパタゴニア・インターナショナル日本支社の皆さんにこの場を借りてお礼をもうしあげます。
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