1,300人が参加したのだが、録画・録音は禁止され、資料の転載、共有もご遠慮となっている。しかし、非常に重要な内容であったので、次のように川喜田二郎先生のKJ法を使って、以下の作業によって会議内容を整理してみた。
概要
生態系の原則からすると人間ができることは知れている。自然が持つ再生力をお手伝いするだけしかできない。この生態学の原則からすれば、カーボンゼロひとつとっても、自然の力に頼るしかない。加えて、有難いことに自然はシナジーで機能する。気候変動だけでなく食料や人間社会の問題までひっくるめて解決できる。なればこそネイチャーポジティブが期待されている。同時にこれをビジネスチャンスと見た似非活動もされている。その象徴が地元生態系を無視しカーボンだけに着目した植林だ。
自然生態系の原則を掘り下げれば、自然に優しく思える植林が問題で、自然破壊に手を貸しているような野生動物や野焼きが重要なことが見えてくる。
マイナス情報ばかりを聞くと耳をふさぎたくもなるが、自然再生はポイントを抑えれば意外にたやすい。そのひとつが湿地の再生だ。
けれども、解決策がわかっているにもかかわらず、日本は欧米に比してまったく遅れをとっている。この背景には日本社会特有の問題がある。
拡大造林と輸入飼料での家畜飼育という問題の本質に手を付けず、研究を軽視し、専門家の意見も聞こうとはせず、マスコミも必要な情報を周知せず、カタチだけの意味がない会議ばかりを開いていることだ。
ではどうするか。地方から具体的に始めるしかない。それも、危機感を共有するため、実体験とセットでするのがいい。もちろん、若者がちゃんとそれで生計を立てられるようにビジネスとコラボする仕組みづくりも必要だ。
そのための鍵を握るひとつが情報である。真実のためのネガティブ情報は伝えなければならないが、それだけだと若者の希望を削ぐ。だから、科学的な事実に根差したポジティブな未来への情報が重要である。ポジティブ情報は速効性はないがじわじわと長持ちする。
生態系の原則からすると人間が出来ることは自然再生のお手伝い
まず、生物種内の多様性についてはDNAで分析することで、進化の歴史がわかったり、絶滅しないためにはどのような多様性を保てば大事なのかがわかってきている。もちろん、乱獲等で個体数が減っていれば種としての保全が大切となるが、その場合であっても生育環境の保全が大事となる。生態系では生物種間の関係性が多様で、それによってどのような種が棲息したり生育できるかが決まってくるからだ。
とかく、生物と生物との関係というと「食べる」「食べられる」の捕食関係が思い浮かぶが、現実には数多くの共生関係が存在する。植物も成長のためには細菌類が大事だし、受粉するには昆虫が欠かせない。こうした共生を念頭において生態系を見ることが大事である。自然を征服するという見方をしていると、ネガティブからポジティブへともっていくことができない。つまり、自然の再生力を見極め、最大限にそれを活かして、人はそれを助けて恵みを授かるしかない。
「多くの知識に加えて現場も知っていて、最後に包括的な議論ができる方は、鷲谷いずみさんしかしない」として、基調講演を依頼したWWFジャパン理事の井田徹治は「人間ができることは自然の再生力を手助けするだけだとの鷲谷先生の言葉は非常に重要な視点だと思った」とは感想を述べている。
ネイチャーポジティブへの期待
こうした生態系の原則から見えてくるのは、鷲谷によれば、気候問題・生物多様性・人間社会を一体のシステムとして扱い、すべての人のより良い暮らしという目標を同時に達成する政策が鍵となることである。
それは意外に経費もかからない。2019年での二酸化炭素の全排出量は590億トンだが、2022年の第6次のIPPCの報告では、うち100ドル/t以下で可能なカーボン対策策が80~140憶トンもある。
そこで、日本では、目標を意味する言葉は「目標」としてひとつでしか表現されていないが、生物多様性については、①ビジョン、②このための2030年までに喪失を止め2050年までに回復させるというミッション、③4つのゴール、④23の個別ターゲットが設けられ、どんな実践があってどんな結果を得るかを明瞭に示してあるとする。そして、劣化した生態系の30%の健全性を2030年までに回復させる「30by30」が日本では「自然再生」とされ、保護区に加えて有効な保全政策の下におくのがOECMであるとする。
こうしたこともあって、山岸によれば、気候変動畑でもネイチャー・ベースト・ソリューションへの期待がこれまでにもないほど盛り上がりを見せている。
生物多様性と無縁で生きている人はいないし、新たな病気が発生するかもしれないし、食料不足に陥るかもしれないし、気候変動が加速化するかもしれない。
現状を知れば知るほどこの現状をどうにかしないとやばい。そこで、矢動丸によれば、金融関係やビジネス界も気候変動とあわせて生物多様性の損失を3番目のリスクにあげている。
ネイチャーポジティブへの過剰な期待
山岸によれば、気候変動には、①すでに起きたことへの適応、②緩和の二つがある。この緩和の方で、本当に大事なところが盛りあがるのはいいことだが、危ない盛りあがりは気をつけるべきであると山岸は釘をさす。というのは、一見すると自然の保全のようで実はマイナスであることに注意が必要なことがIPPCとIPUBESとの合同のワークショップでも指摘されているからである。
そのひとつが水力発電だ。それだけ見れば、自然エネルギーだが、ラテンアメリカ等ではいまも水力発電用にダムが作られている。第二は、在来植生を無視してカーボン貯留だけを考えて早く育つものを植える植林である。これは、マイナスである。
山岸は、気候変動対策としては一般に植林がわかりやすいが、研究者からすると再生には一番時間がかかるため、①保全、②管理、③再生であると述べる。そして、パームオイル用に在来の樹が伐採されていないかどうかを気にかけるべきであると続ける。
鷲谷は「グリーンウォッシュでなくて本当に役に立っているところを選んで、企業がそこを応援することが大事である」と述べる。企業はアンテナを張り巡らせて、木を植えるのではない取り組みをしてもらいたいと述べる。
温暖化がなぜ深刻か、光合成と呼吸から見える
鷲谷は、シナジーに配慮して気候緩和に生態系を活かすうえでは炭素収支が重要で、呼吸を抑えることが鍵となると述べる。というのは、光合成の最適温度は25℃で、それ以上では光合成が低下する。その一方で、高温の水不足でストレスがかかると呼吸が盛んとなるため過去にストックされたカーボンが分解される。したがって、低緯度地方か高山で低温であれば呼吸は抑制されるのだが、温暖化が進むと炭素の放出が加速する正のフィードバック構造が暴走する。ここに温暖化が深刻な理由がある。
森林以上にカーボンを隔離できる湿地を再生する
土壌の呼吸は乾燥と湿潤とが交互に起きるとむしろ促進されるが、低温であったり湿った状態がずっと保たれれば、呼吸が抑制され炭素貯留能力はさらに向上する。例えば、ミズゴケがあるような湿地では嫌気的な条件におかれているため、泥炭としてカーボンが隔離される。
2022年の春のサイエンスに掲載された論文によれば、湿地は面積的に1%以下だが生態系に保持するカーボンは生態系の20%に及び平均すれば森林よりも多い。しかも、湿地は水害防止にもなり、様々な生物資源も利用できるので、地域にとっても重要である。
けれども、いま、東南アジアでは農業開発によって泥炭林等が失われているため、地域全体が二酸化炭素のシンクではなくソースになってしまっている。東イングランドには、日本の里山にあたる特有の泥炭湿地「fen」があったが、これも17世紀からの農地開発で99%が喪失してしまっている。
このため、いま、ヨーロッパでは各地で湿地を再生している。ウィーンでは国立公園で湿地を作っているし、イギリスも国家プロジェクトとして、湿地再生に取り組んでいる。
実は、イギリスの湿地の保全は100年以上の歴史がある。生態系の概念を作ったアーサー・ジョージ・タンスレー(1871~1955年)卿を記念して、ケンブリッジ大学に近くには、100年前からのナショナルトラストの管理地がある。昔は水を出すために風車を使っていたが、そこでは、湿地に水を入れて水を保つために使っているし、木が生えないように牛を放牧している。現在は優良農地を含めて湿地に戻しネットワーク化している。もちろん、農地を湿地に戻すと言っても、そこから得られる多様な資源は利用している。当面が3,700haが復元目標である。つまり、希望がないわけではない。乾燥したところを再び湿地にすることは工学的には難しくなく数多くの成功例があるからである。
野焼きによって微粒炭として草地に炭素を固定する
次に、鷲谷は、深い森では狩猟ができないし、森と明るい草原との境に食料があるため、里山は縄文時代からあったと指摘する。例えば、ビタミンCがないと人間は生きられないが、人間はそれを合成できないため、サルナシ等の果実が必要となる。鉄器がない時代には自然の管理上で火が楽なため、少なくとも縄文時代の旧石器時代から火入れはされてきたが微粒炭が残るのでわかるとし、函館市の南茅部遺跡群と黒ぼく土の分布は見事に重なっているとする。そして、日本では、火入れによって維持される植生が大事で、サクラソウもそうした人間活動によって維持されてきたとする。竪穴住居の屋根用の草も必要であったし、ススキやハギは牛馬の餌もなりヨシ(アシ)も活用された。葛も野の植物である。だから、万葉集では火入れがされる草原のことを「野」と言うが、一番多いのが、火があると分布が拡大するハギが141、草原の指標であるススキが47あるとする。
野生動物を守ることで炭素は維持される
山岸は、IPPCの報告では出されていないが、クジラ、アフリカのサバンナのヌーや森林のマルミミゾウ等の野生動物が果たす炭素貯留が意外に大きいと指摘する。
かつてマルミミゾウとは、森林にすむアフリカゾウのことである。以前は、アフリカゾウの亜種とされていたが、近年の分子研究の発展によって、現在は別種とされているため、主にサバンナに住むアフリカゾウはサバンナゾウとして、マルミミゾウとは分けられている。
かつては熱帯雨林にも大型動物が多くいた。山岸によれば、マルミミゾウは、餌を求めて小さい木を踏みつぶすことによって、結果として大きい木が残されて、炭素貯留を増やしているという。いま、アフリカでも熱帯雨林はわずかしかないが、その炭素貯留の数%はマルミミゾウが担っている。しかし、これが絶滅すれば5%くらいカーボンが貯められなくなる。
井田は、いまアフリカに行っても、エンプティ・フォーレスト、生き物がいない森が目立つと指摘する。鷲谷によれば、フランスの研究者がよく研究しているが、アジアゾウやマルミミゾウは樹木と共進化してきた。種子を分散するうえでも重要で、マルミミゾウに食べられるような果実を作っていることもわかっている。マルミミゾウはわかりやすい事例なのでもっとPRされるとよいと鷲谷は指摘する。
生物多様性の重要性を人々が共有するにはどうすればいいのか
矢動丸は、内閣府の調査では、生物多様性の認知度はR元年は50%であったが、現在は70%(意味がわかる30%、言葉を聞いたことがあるが70%)まで増えていると指摘する。とはいえ、活動上の苦労として、やはり生物多様性そのものがマイナーであることをあげる。
オンラインに参加した長谷川浩博士は、この点を重視し、「日本では、気候にしろ生物多様性にしろ、プラネタリーバウンダリーにしろ、危機感が低い。危機感を多くの人に共有するにはどうすればいいのか」と問題を提起する。これに対して、井田が「いま、重要なご意見が寄せられた。どうやって危機感を共有し高めるかについて意見をお願いしたい」とパネルディスカッションでの議論を進めた。
わかりやすい言葉で伝える
第一は、わかりやすく、相手に伝わる言葉で表現することである。例えば、生態系サービスは、環境経済学の用語としてはいいが、先住民や自然に近いところで暮らしている地域住民には「自然の恵み」という言葉の方がピンとくる。そこで、鷲谷は「私はそういう言葉づかいもしている」と述べる。
矢動丸琴子も「皇帝ペンギンが絶滅の危機だ」とか、伝えたい相手が若者であれば、若者にイメージしやすい言葉に置き換えると危機を共有しやすいとする。そして、生態系サービスは、供給、調整、文化、基盤サービスとされているが、学生や10代、20代の若者に説明するうえでは、生活の基盤には、バランスが取れた生物多様性が必要不可欠だとすればいいとする。気候変動は異常気象でわかりやすいが、生物多様性も、健康にダイレクトに関わるコロナを例にすれば、バランスが取れた生物多様性の大事さが通じるのではないかと提起する。
危機感を共有するため体験の場を設ける
第二は、実体験を通じて、何が大切なのかを共有することである。鷲谷は、何を恵みと感じているかも人によって違うし、何が大事かも人によって違うとし、例えば、ネコは侵略的外来種だが、人工的なペットに心を寄せる人も多い。生きもが好きな人は、例えば、サクラソウが絶滅の危機にあるとすれば意識するが、多くの人は普段は町の中で暮らしているし、食料も遠隔地のものがスーパーで手に入るので、危機を感じることはできない。過去の日本の生態系を見てきた人間からすると「これほど急速に劣化していいのだろうか」と思っているが、体験がないので、万葉集の歌を詠んでも意味がわからない、と憂える。
鷲谷が例にあげるのが、絵本画家のいわさきちひろが1965年に書いた絵である。秋の野の絵にはキキョウ、春の野では、ワラビをもってタチツボスミレを髪にさした少女が描かれている。少しは、かつてあった自然の景色、普通に見られた身近な生き物を好きになる努力をするべきである。でなければ、今は、文化の継承もできない。そこで、鷲谷は「若い時に地方での生活を経験してみることが大事かなと思う」と述べる。
海外との交流や実体験での刺激
矢動丸自身が、博士課程の専門家でありながら、生物多様性について知らなかったことを述べる。日本の若者の多くは趣味程度で環境保全活動をしているのだが、世界の現状をみたときにそれではまずいと思って団体を立ち上げた。そして、いま、立ち上げた団体では、カナダにいって他国の若者をインタビューした内容を動画に乗せる等の活動をしているという。
情報発信とマスコミを巡って
鷲谷は、パームオイルが二酸化炭素の放出源になっていることも日本ではまず知られることがない。WWF等を含めてどこかがきちんと情報を発信していくことが大事であると述べる。そして、欧米では地球環境への意識が高い投資岡や消費者が増えていることから、日本企業も世界を相手にするのであれば情報の公開や発信が重要であるとも指摘する。
一方、矢動丸は、危機感ばかりを煽ると、中学生等は「どうしていいかわからない」と絶望感に襲われ、エコフォビア(環境恐怖症)になってしまうことから、ネガティブは効果的だが短期的である。ポジティブはネガティブよりはインパクトは小さいが長期的な効果があるとされているので、どうしたら、いい未来にできるかを考えるとよいと述べる。
この見解を認めつつも、山岸は、人に対する影響もまちまちで、多様に情報を出していかないと意識が調整できない。NGOとしては、危機感を伝えることも多様性で一つの解決策だと思うとする。ただし、それをやり切る力が各団体にないことが課題であるとする。同時に、危機的コンテンツを伝えるとしても、それが永田町に遡及されているかというとそうでもないとの問題も加える。
カタチだけの無駄な議論は止め実を取る
情報の発信の仕方から日本の問題がかなり見えてくる。そこで、日本の課題とそれを解決するための方向性を述べよう。
第一は、やったという実績づくりのためだけの無駄な会議を止めることである。矢動丸は、若者として生物を守る団体を立ち上げたことから、このパネルディスカッションに招かれたのだが、「私は若者を代表していない。こうした活動をしている若者という個人としての意見を聞いてもらいたい」と述べる。そして、パネルディスカッションの企画でも、バランスのために若者を入れ、若者あてはめるという見せかけの参画、ユースウォッシュがあると批判する。
会議にでるのであれば、提言書を作り、ディスカッションしたうえで会合の場に参加していることから「ただ若い人を呼びました。がんばりましょうね」では時間の無駄である。20あるうちの1つは改定されるとか[公官庁も]一緒に動いてくれなければ、意味ある参加にならないと批判する。そして、メディアも若者を出すだけでは同じであるとする。
専門力を強化し、地域に根差して専門家が具体的な実践を行う
第二は、専門家が弱いところである。鷲谷は、森林では樹木の木化した部分では長期的に炭素が隔離できるし、火を入れる草原では微粒炭として炭素が固定されるが、バイオチャーはまだ研究が不十分で科学的な検証と定量化が必要であるとする。そして、日本ではこうした部分での科学研究や情報提供が少ないと批判する。そして、ウィスコンシン大学では、レオポルドの事業が継続され、レオポルドの家族が作った財団も環境教育を行っている。イギリスでも、湿地では開発前に湿原の地表面が記録としてちゃんと残されていると述べる。
矢動丸も「私の仲間のメンバーがいま奄美大島で修論の研究をしているが、土地の人によれば、昔の海では一升瓶でウニが取り放題だったがいまは穫れないという。こうした昔との比較も大事である」とする。
鷲谷は、自分が暮らしている地域の暮らしの視点から具体的なことをやることが大事であるとする。そして、地域に責任を持つのは基礎自治体だが、日本の基礎自治体にはこういう方面の専門性を持っていない人が多いため、地域おこし協力隊等の若い人を活用し、基礎自治体もこうした専門家を受け入れる姿勢があるとよいとする。
取り組み方は場所によってみな違う。昔のトップダウンの中央集権型で補助金をもらうことだけに取り組んでいたら地域の将来はない。ボトムアップで「このことをやるんだ」ということを地域住民と外から入ってきた人とでやる。その仕組みとしては「自然再生協議会」は役立つのだが、これを守るための自然再生推進法という法律が2002年に成立しているのだが活用されていないと問題点を指摘する。
生物多様性の面白さを活かしながらビジネスも巻き込む
第三は、自然保護でも経済的に成り立つようにすることである。IPCC とIPBESはいずれも1992年の二つの条約でできたが、二酸化炭素等の数値は科学的に扱えるためIPPCのPはパネルだが、生物多様性は地域や時代によって違い、よりよい政策を作るにはプラットフォームが必要なため、こちらのPはプラットフォームとなっていると、鷲谷は指摘する。
これに対して、山岸は、「二酸化炭素の排出量〇〇トン等では言い表せないところに生物多様性の面白さがある」とする一方で、気候変動の側はビジネス界もうまく巻き込んでいるため、多様性の側も「どうせ、わかってくれないから」ではなく、気候変動でうまくいっている仕組みを学んで使って協働した方がいいと提言する。
矢動丸は、税金対応にしても経験がないからできないし、好きなこと楽しいことだけやっていられないと問題を提起する。
これに対して、鷲谷は、自然再生事業でも企業が手伝っているケースはある。シナジーが大事なので、例えば、人がいない過疎地域を探して参加するとか社員や家族の福利厚生や健康にも役立つことも大事であると述べる。
矢動丸によれば、日本の生物多様性も過去50年で損失劣化傾向にある。その理由として鷲谷は、日本では、拡大造林と農地開発。さらに、外来の牧草で家畜を飼育するようになったことでおかしくなったと指摘する。
とはいえ、希望はある。鷲谷は、「破壊された自然の再生には時間がかかる」と山岸氏は述べたが、野の自然再生は比較的容易で時間がかからない。奄美大島もほとんどが二次林で、近くにいい森が残っていてポイントを抑えれば森の再生もそれほど大変でないと続ける。
編集後記
この作業、意味があったかどうかわからないが、ざっとやり方だけを以下に書いておく。
①録音が禁止されているが、メモはいいと思うので、オンラインを聞きながらの箇条書きでメモを取った。
②次に、短い発言でも二つ以上のことを言っている場合には二つに、長い発言でもひとつのことしか言っていない場合にはひとつとした
③これをカード(具体的にはエクセルシート)にすると108ほどになった。そこで、カードをみながら、当初の発言の趣旨を損なわないようさらに圧縮して文字を削減した
④KJ法的にエクセルシートで似たような発言のセルを近くに寄せ、そこが語っている内容にタイトルを付けた
⑤エクセルを全部コピーし、ワードで時系列で再整理した
どうであろうか。こうした情報もKJ法でまとめると意外な真実が見えてくる。そして、さらにまとめのまとめを(多段ピックアップ法という)で付けてみたのが概要である。
本当は108枚の紙切れを全部模造紙上に並べるか、あるいは、IdeaFragment2というフリーウェアを使って処理する必要があるのだが、上述したとおり、エクセルで手抜き作業をした。なお、画像はネット上から拝借した。
に頭脳が明晰な人は、オンライン会議を一度聞いただけで、脳内で自動編集作業ができ、この概要でまとめた以上のものができるのかもしれない。とは、いえそれだけの能力がない編集子からすれば、時間がかかったとしても、こうした作業をすることで、ついつい自分が好きなフレーズやトピックだけを重視するというミスは避けられたのではないかと思っている。己を虚しゅうして事実をして語らしめることが大事なのである。
【画像】
講師画像は、このWWFのサイトより
アーサー・ジョージ・タンスレー(Arthur George Tansley)卿の画像はこのサイトより
アルド・レオポルド(Aldo Leopold)の画像はこのサイトより






