多重危機の上、優性思想と似非情報があふれる世界
いきなり本題に入っていきたいのだが、すでに感じられているのだが、歴史上経験がなかった自然災害が日々、発生している。気候危機なのだが、これは同時にハチ等がいなくなる生物絶滅危機でもある。そして、これまで経験がない健康危機が起きている。感染症もそのひとつである。この多重危機は相互に関係しあっている。これに加えて、優性思想、差別・排外思想が広がっていて、それが食の危機をより深刻化している。
ウクライナで食料危機だと世界が騒ぎ始めているが、いまは中国に買収されたシンジェンタのCEOが何をいっているのかというと「食料危機をなんとかしたければ有機農業をあきらめろ」と言っている。農薬や遺伝子組み換えが食料危機を解決するのであろうか。世界全体がまとまらなければならないのに偽の情報があふれている。食料危機が何によって作り出されているのかをしっかりとみなければいけない。そして、土から始めなければならない。
ミネラルを提供する微生物、土壌を固める糸状菌がない
いま、世界では土が失われている。米国の中西部では半分が失われ石や砂しか残らない。この問題は大事なので何度も繰り返したいのだが、植物がどのように育ってきているのか。そこから、僕は考えていく必要があると思っている。植物はどうやって育っているのか。太陽の光、二酸化炭素、水を使って光合成をしている。究極の再生可能エネルギーなのだが、植物は一人の力では生きていけない。光合成した炭水化物の4割の炭水化物を放出している。そして、そのミネラルは地球から来ている。例えば、鉄を作るのには惑星が衝突するだけのエネルギーが必要である。微生物がミネラルを渡しているという交換で、共生関係が生まれている。これが生きる基盤である。けれども、この関係が化学肥料をドバっと入れてしまったために、この関係性が壊れてしまう。必要なミネラルがあるために植物は炭水化物を出さなくなってしまう。4割分を全部自分の成長に使える。地上から見ていると「化学肥料はすごいね。こんなに育ちがすごい」と思ってしまう。ところが、土壌は違う。菌根菌糸がある土壌は、水の中に入れても崩れない。これに対して、化学肥料を入れた慣行栽培の土は崩れてしまう。これが、土壌が世界で侵食されている理由である。
二酸化炭素のストック場である土壌が壊れるとき腸も壊れている
化学肥料をたくさん使う農業のことを工業型農業と言うのだが、土壌は最大の二酸化炭素の貯蔵庫なのである。つまり、地中にあった二酸化炭素が大気中に出ていってしまう。そして、いま行われている「ファクトリーファーミング」は、飛行機、自動車、鉄道の合計よりも温暖化効果ガスが排出される。そして、土壌と腸はシンクロしている。土壌細菌は植物を育てる。腸内細菌は私たちを育てる。両方は似ている。このため、土壌が傷つくとき、毎年、支援が必要な子どもたちが増えている。私たちの健康も破壊されている。このことを話し出すと時間がないので全部は話せないが、こんな状態は放置できない。では、どうしたらいいのか。
フードテック、培養肉は解決策ではない
フードテック、細胞農業が解決策となるということを言い始めている人がでてきている。食料危機も気候変動も起こさないと宣伝されていて、これに乗っている人がいる。レオナルド・デカプリオは環境に対する意識が高いのだが、やはり、ここに投資してしまっている。しかし、これは期待できない。
動物から幹細胞を取り出して、バイオリアクターの中で培養すると肉ができるのだが、汚いところに牛とか豚とかを閉じ込めて動物虐待だといわれるのと違って、こちらはクリーンである。また、牛のゲップにはメタンが含まれているのだが、これも出さない。工業型畜産では、鳥インフルエンザの問題も出てくる。そこで、これを抑えるために抗生物質を投与しているため、抗生物質耐性菌の問題もでてきてしまっている。また、パームオイルも作れるため、環境にもいいと言われている。しかし、そうだろうか。しっかり見たいと思う。
例えば、鶏は運動するとエネルギーロスがあるため、動けないようにしてぶくぶくに太らせる。そこで、病気にならないように抗生物質を入れる。これが効かない。この問題は大きい。2019年だけで495万人が死んでいるといわれている。報道されていないがコロナよりも深刻である。そこで、「こうした畜産をやるべきではない」という声がでてきている。
しかし、細胞培養肉は問題肉がある。まず、コストが高い。特許料もかかる。そして、免疫がないため、その細胞が異常になったときに、これをチェックするシステムがない。また、タンクの中で細胞を培養するには培養液が必要で、これには合成血清ができないため、牛の胎児の血清が大量に必要である。つまり、胎児の血清を引き抜かなければならない。
さらに、工場でできるというのだが、栄養が必要であり、微量ミネラルを確保するために、これは南米での遺伝子組み換え風景なのだが、微生物と違って、大量のサトウキビやダイズといったサプリメントが必要なのである。実は、サプリメントもこうしたモノから作られているものがある。こうしたものをタンクに入れると。外部が必要であり、こうしたことをやると自然が壊れてしまう。
自然な畜産は人間が食べられない草を食べ自然循環を強化している
これに対して自然な畜産はサイクルしている。人間が食べられない草を食べ、牛を入れないよりも牛を入れた方が自然の循環は強くなる。細胞培養肉にはこうしたものがない。
そこで、食とは何か。食とは食べることで自然を取り入れ、その一部となることである。これに対して、自然の循環を壊して、資源を浪費して多重危機を深刻化させるのが、この培養肉ではないかと僕は思っている。
培養肉以上に恐ろしい合成生物学
そして、培養肉以上に現実化しているのが合成生物学である。遺伝子組み換えもゲノム編集も遺伝子操作技術なのだが、合成生物学は人間が1から合成生物を作るものである。これはすでに出現している。こうして作ったアイスクリームが作られ、自然食のフェアでNon―GMOとして売られている。
これらは「細胞農業」と言われているのだが、今年の6月に自民党はその推進議連を結成。韓国も年内に承認ガイドラインを作ろうとしている。これは米国が年内に市場化したいからである。ゲノムは、2019年6月にトランプが解禁を要求すると2019年10月に日本政府は容認している。そして、これらを作っているのはカーギル等の多国籍企業、三菱、三井、住友も投資している。
培養肉はいい部分ばかりを紹介しているようだが、大量に農地を破壊する農業が不可欠になっていることを押さえておきたい。そして、それを作るためには化学肥料が必要である。
さらに、化学肥料[の元になるリン鉱石]があるのは、ロシア、中国、ベラルーシと偏っている。米国も8割の農家が外からの輸入に頼っている。アマゾンとか北米の先住民の土地に少しあるので、そこが破壊されてしまうかもしれない。
先住民の知恵こそが人類を救ってきた
先住民は大事な存在である。調べてみると何度も人類を救っている。例えば、近代民主主義は、新大陸から生まれた。ヨーロッパから命からがら新大陸に移住したのはなぜかというと、ヨーロッパが教会の独裁状態であったからだ。そこから、逃げ出した人たちは、ヨーロッパよりも自由だったので大きなショックを与える。それが、ルソーの人間不平等起源論である。また、つい最近の小農の権利宣言も世界を変えていくために非常に大事なことだと僕は思っているのだが、これも先住民の運動から学んでいる。そして、生物多様性の80%は世界の人口5%に満たない先住民族が守っている。
アグロエコロジーの生産性が高いことがアルティエリの研究から明らかに
アグロエコロジーも先住民から学んだものである。それが、研究によってわかっている。工業型農業よりも生産性が高いことがわかってきている。こうした農業を活用していくと、生産性をより高くして環境を守ることを科学者がすでに実証している。これをまとめあげたのが、チリ人のミゲル・アルティエリである。そして、これは科学だけでなく、農家の知恵を対話させることで生態系を守ることがわかってきている。そして、それが政治的につぶされてしまうために社会運動にしなければいけないと。科学と実践と運動と三つがある。
しかも、これもいきなり実践されたわけではなく、ブラジルの土地なし農業労働者運動がある。これらが、団結して農民になっていくのだが、工業型農業をやっていくのか、アグロエコロジーをやっていくのかの路線が10年争い、その結果、勝ったのがアグロエコロジーである。理由は工業型農業をやると金を失っていくからである。そして、2017年にラテンアメリカ最大の有機米生産団体となる。つまり、有機農業は金持ちのためだけではない。ホームレス運動や女性運動もアグロエコロジー運動をかかげていたりする。MSTは健康な食をすべての人にと広まっている。ラテンアメリカのほとんど政府は取り入れている。国際的にもヨーロッパにもフランスも採用している。
米国ではリジェネラティブ農業が始まっている
では、僕らは、どちらに行くべきなのか。相性がいいコンパニオンプランツを植えると土壌中の植物が豊かとなる。これ以上、畑が増やせない。となれば、その畑からどのように栄養素を引き出すかが鍵である。どちらが栄養が取れるだろうか。そして、いま、米国でも土がなくなると化学肥料を入れても農業ができなくなるため、カバークロップを活かしたRegenerative Agricultureが広まっている。こうした農業をやっていくと微生物が戻ってくると化学肥料がいらない。環境にもいいのだが、なによりも化学肥料が節約できる。これこそがウィン・ウィンであるうえ、自治体に支援している。これも実は先住民が行ってきた実践で、米国議会でもAOCが専門家から聞き出している。
北海道のメノビレッジ長沼の荒谷さんは「和解農業」という名前を付けている。この言葉は鍵になると僕は思っている。
日本はほとんど餓死する国
食料危機は一夜にしてできたのではない。皆が地域で必要な食料を作っていたら生まれない。日本だったら米、ブラジルも米国に1位、2位を争うトウモロコシとダイズの輸出国なのだが、主食は輸入している。ヨーロッパは輸入も輸出もバランスが取れているが、アフリカは輸入に頼っている。東アジアの輸入に頼っている。米国でのある研究によると、日本では核戦争が起きるとほとんど人が餓死する。自給できるところは関係ない。日本は飢える。世界で飢える人の3分の2が日本人である。
だから、ローカルな食にしなければいけないのだが、国会ではそんなことを考えている議員はいない。無風状態。みどりの食料システム戦略も米国の作物を輸入することが前提となっている。今の農家はいなくなる。そして、日本はタネも作れない国になっている。コシヒカリ、ササニシキ、地方自治体が作ったものを民営化しようと90年代に言い始めた結果がこれである。日本だけが衰退している。
核戦争が起きて貿易が止まったらほとんどの人が2年で死んでしまうと。都市農業も強化しなければいけないが飢え死にしなければならない。
まずカバークロップを入れることから減農薬を
けれども、変えることは可能である。素晴らしい実践がある。それは産直提携である。日本は、有機農業のパイオニアの国でもある。いまもう一度それを復活させる。新しいバージョンを作らなければいけない。都市型自治体と農村型自治体が提携できないか。都市型自治体が食料を確保できる。そして、鍵となるのが、有機無償給食ではないか。
有機への転換といっても、有機認証ではなく、いきなりはできないので、傷んだ土に化学肥料を抜いたら悲惨なことが起こるのでカバークロップを入れる。こうした農業をやっている人を支援する。これは経済的にも可能である。千葉県いすみ市は全部有機米だが、子ども一人当たりでは1日あたり10円未満である。土を守ること。土壌微生物を復活させるのに手間がかかるが、それをしっかりすればそれは可能である。
僕は[人類の]滅亡の寸前だと思っているのが、自然との和解によって可能ではないかと。そして、最後に社会の危機にふれたいと思う。というのは、自民族優先主義、大和魂、歴史を変える人が増えてきている。日本は海外に頼っているので、そんなことをしたら滅亡に近づいてしまう。そして、有機農業が一部の人になってしまうとナチスの有機農業も戦前の農本主義も同様の問題を抱えた。
ブラジルのアグロエコロジーは進んでいるが、女性たちが力をつけていく。和解ができる。この和解がひとつの希望だと思っている。この分断を乗り越えないと、これをやっていくうえでムニシパリズム。食料主権、どこかの企業に任せない。自治体間連携を深めていく。国際連帯もしていく。それが直面している危機を乗り越えることではないか。
フードテックで解決されることはない。それに騙されるな。危機だからこそ、有機が必要である。様々な危機が乗り越えられる。グローバルではなく地域が鍵となる。差別・排外主義に陥らない。和解を努める。いま、まさにそれを東京からはじめていただきたい。
対談・質疑応答
担い手を考えない有機倍増の裏には何かある?
印鑰智哉 著作権で訴えるとかもあるのでネット上に出さないことを約束していただきたい。
ハッタケンタロー 印瀹さんとYaeさんは初めて
Yae 前にラブファーマーズで。今日は、勉強しまくり。私は、昨日、淡路島にいました。豊かな食を持っていて、震災で移り住んだ若者が菜音(ザイオン)ファームで話をしてくれと。彼らも、農業だけでの収入だけでは不安はあるのだが、キャンプ場をやっていたり多種多様なことをやっているので。私自身も半農半歌手と言っているが、食べること、農的な暮らしがあれば、不安がない。そういうことが今の若い人にあるのかなと思っている。
千葉の鴨川も危機的な状況。農家も田んぼも空いているし、耕作放棄地は増えて猪も増えているのだが、私も農家でないので農地を買えない。法律を変えていかなければいけない。国は100万haも有機農地を増やそうとしているのに担い手がどこまで考慮されているのか。ゲノム戦略やAIの活用も組み込まれているのだが、そのあたりの真実。何か、隠されているベールもあるのだなと感じますね。昨年の9月に国連が食料サミットがニューヨークで開かれて、いい面だけが語られるのが、私たちは本当に注視していかなければいけない。同時に楽しい農的暮らし。オーガニック給食。私は千葉県鴨川に住んでいるのだが、今日、自給率24%と聞いて「少ない」とショックを受けた。また、小規模農家、先住民が食料を支えているのを知らなかった。
世界は緑肥に着目しているのに日本だけがやっていない
印鑰智哉 政府がつかんでいない自給が重要。有機農業が盛んな国はどこだと思いますか。
Yae キューバ?
Yae フードロスの問題もあって。けれども、今後どうなっていくのか。ウクライナ問題もあって、雨も多いし、気候変動でできなくなっていく。
印鑰智哉 本当に肥料減が確保できたのか僕は不安ですね。世界はカバークロップをなんとかやろうと代替手段をしているのに、みどりの食料戦略でも語られていない。日本だけがその動きが弱い。それをなんとか、化学肥料が減ってもやっていける。状態に持っていきたい。それを目指してほしい。
スリランカの有機農業の失敗は?
Yae スリランカが失敗したという事実はどうなんですか。
印鑰智哉 情報がうまく使われますよね。スリランカはもともと3分の2の農家が有機に転換したいと思っていた。なので、政府がしっかり支援したら変わっていたのに、突然化学肥料の輸入を禁止した。そこで借金だらけで外貨がなくなった。いきなり化学肥料を禁止したらたまらないですよね。土は何年か回復しなければならないので大変な事態になってしまった。これは失敗ではなくて外貨政策が間違えたことを有機に押し付けたのであって、有機の失敗ではない。
Yae なるほど。あの北海道も土が疲弊してきていると。で、土をどう再生させるか。高田宏臣さんが最近出した本、個人的に親しいのですが、「よくわかる土中環境」。もっと土を見つめてみようよと。その下の世界を印鑰先生も含めて見つめることがヒントかなと。糸状菌、微生物を増やして肥料がいらない農業も必要なのですね。いま私の周りではイネができるとカメムシの薬を撒くのですよ。それも4倍も値上がりしている農薬を買わなければならない。農家が楽になることができればいいのだが、その足かけがないか。鴨川自然王国では収穫祭もありますし。
土を耕すからグロマリンが壊れて団粒構造が失われる
ハッタケンタロー いま140人が参加しているし、金子友子さんも来ている。畑に遠い人も農家と友達で気軽に農村にいける仕組みがあるといいですね。で、チャットへの質問に答えてきたいのですが、カバークロップは雑草を生やす自然農と同じなのですか。
印鑰智哉 なぜ土が壊れないのかは菌根菌糸がしっかりと支えているから。グロマリンという粘着性のあるタンパク質を出して団粒構造にまとめあげているので流されない。
自然農も再生農業に近い考えだと思うし、リジェネラティブアグリカルチャーと共通する部分がある。ただし、雑草だらけだと作物が育たなくなる。本来の作物を邪魔しないもの。マメ科のダイズもそうだし、雑草よりも早く広まるので雑草を抑える機能もある。そうやって設計していくのかなと。
ハッタケンタロー 何年で戻るのでしょうか。
印鑰智哉 さらしておいた状態とそうでない状態を比較すれがいいわけですね。土の中にいる微生物を引き寄せる。ミネラルが飛んだ土と団粒構造ができる。そういう力を発揮してくれる。人間が耕すとかえってこうした構造を壊してしまう。植物に任せた方がもっとメンテしてくれるよ。とはいえ、相性があるので、植物によっては自分以外が育たないようなものもあるのだが、そうしたものを植えると育たなくなるのだが、相性がいいものを選ぶことが必要になってくる。こうした研究は農研機構がやっていた。前はオンラインでデーターベースがあったのが、数年前に消されてしまった。僕は何かの力で消されたのかなと。理事には住友化学が入っているので売りたくなかったのかなと思っている。
印鑰智哉 その地域に合ったものがあって、宮古島では在来のダイズがある。地域にあったものがあるはずなので、発想の大転換になると思う。これができたら、化学肥料も減らせるし、いまいろんな本ができている。ゲイブ・ブラウンの『土を育てる』という本が出ている。最初は耕していたのに逆のことをやっていると気が付いて大転換している。これは学びが多いと思う。日本の農業のあり方も変えられるし、変えなければいけない時だと思う。
学校給食ではフードポリシーカウンシルが重要
ハッタケンタロー 学校給食が希望なのだが、どうしたらいいのかなと。
印鑰智哉 自分が得意なことを各自がやっていく。ただ参加型で市政に入っていくことが大事ではないか。条例ができて市民が関与しなくなると企業が乗っ取ってしまう。韓国とアメリカではできている。フード・ポリシー・カウンシル、韓国ではローカル・フード条例ができている。埼玉県小川町のような地域はもうできているからいいと思うのだが、そうではない地域は、ざっくばらんな話し合いの場を作るといいと思う。市民がつながるフォーラムが一番必要なのかと思う。
ハッタケンタロー 農家の友達を作る、役場と仲良くなる。仲間を作る。これがミュニシパリズムですかね。すると僕はイベント屋なのですが、イベントが大事ですね。
Yae 直接、伝えることが大事ですね。2007年からやっていた種まき大作戦。
都市農業と生ゴミ循環
ハッタケンタロー 農村だけでなく都市農業の可能性。ベランダ菜園も重要ですかね。ヨーロッパはどうでしょう。
印鑰智哉 都市では農薬を使っていないのでハチも残ってきている。可能性があると思う。江戸野菜を復活させるのも大きな畑は必要がない。丁寧な農業ができる方がタネ取りに適していると思う。僕は得意ではないので[誰かが]実践講座をやってくれると。
ハッタケンタロー 都市有機農業実践講座ということですね。
Yae 都市は土がないというのだが、生ゴミも土に返るので。
ハッタケンタロー フードロスがコンポストになるのも大事ですね。さて、またチャットでの質問。自家採種をしなくなったのはなぜですか。また、世界では認められないゲノムがなぜ日本だけで認められているのか。いずれも、同根のような気がしますが。
有機農業に適したタネが国会でも真面目に論じられない
印鑰智哉 野菜も9割が海外で生産されているという。交雑するための土地がないと言われているが、タネに適した土地は山のようにあると思う。しかし、支援する政策がないと経済原理だと続かない。在来種の保全を支援する条例を韓国やイタリアが作っている。地方自治体が支援している。日本でも作れれば復活できると思う。京野菜のタネもほとんどが海外。一気に消えてしまう可能性がある。政治が必要だと。考えなければいけない。いま、タネが作れなくなっていることへの問題点。これも、誰も聞いてくれない。僕は書き続けているのだけれどもメディアで流れない。
みどりの食料戦略でも有機農業のタネをどうするかが一言も書いてない。農薬で殺菌された微生物がいないタネ。それは有機農業をやるためには適していないのにその政策がいまだにでてこない。国会で質問してもらったのだけれども、政府の答弁は、農水省には売っている店のリストが紹介しているというだけなのである。それを作らないといけないと思う。
ゲノムの裏には米企業? 筑波のゲノムトマトは福祉施設に無償贈与
ゲノムは日本が先にしたのだが、たった3種類。ゲノムトマト、真鯛、トラフグ。それまでにアメリカが作ったのは失敗している。日本は市民の反対が弱そうなので、アメリカ企業に使われていると。僕のは根拠がないので陰謀論なのだが、情報が得られないのだが、裏にはコルティバがあるような気がする。
Yae 筑波大学でのトマトをテレビでやっていました。
印鑰智哉 あれは、スーパーで売っていない。ネットで5,000円。そこで、福祉施設に無償で配っている。子どもが喜ぶと親が変わって市場も変わる。そうして狙っている。何とか止めようと運動をしていて、北海道では40自治体が制約してくれた。徳島県も18自治体、過半数が言ってくれた。東京でも強めていかないとと思っている。
ハッタケンタロー 運動としてやる必要があると。
Yae せめて表示義務はやってほしいと。
印鑰智哉 今回の参加者からチャットにジェンダーについての長文の意見をいただいている。時間の関係で紹介できないのだが、アグロエコロジーとフェミニズムやマイノリティの関係について今後、アースディ東京でもとりあげていただきたい。
Yae 去年も印鑰智哉さんにはコレクティブ・ヘルスの話をしてもらったが、是非、また引き続きアースディ東京の場で教えていただきたい。本日はどうもありがとうございました[終]。
編集後記
本稿は、2022年8月22日(月)19:00~21:10に、「アースディ東京」の主催によってオンラインで行われた「アグロエコロジーとローカルフード」での印鑰智哉氏の講演、質疑応答と歌手Yae氏の対談をまとめたものである。
なお、著作権等の関係で参考資料の公開はご遠慮させていだいく。また、あくまでも、会場での聞き取りメモを再整理させていただいたものとして正確さに欠けることをご理解いただきたい。
【画像】
印鑰智哉氏の画像はこのサイトより
Yae氏の画像はこのサイトより
ハッタケンタロー氏の画像はこのサイトより






