挨拶
高橋優子 公共調達で成功したエガリム法を勉強したいと今回の会合を開いた。事前にいただいた質問については講演の中で講師に答えてもらうこととしている。また、エガリム法の概要についても農水省のホームページにあったのでこの資料をご覧いただきたい。では、今回の主催者である全有協の大和田さんから挨拶をお願いしたい。
大和田世志人 有機農業推進協議会の鹿児島の大和田世志人である。2006年に有機農業推進法ができて、農政の中に有機農業を位置づけていく運動をすすめるため、生産者と消費者からこのグループができた。そして、有機農業推進法ができてからこれを進めてきたのだが、昨年にはみどりの食料システム戦略も策定された。2050年までに25%まで有機農業の面積を引き上げるという野心的で画期的な戦略である。ただし、目標は画期的であっても、これを如何にして実現するか。
フランスのエガリム法では、高品質の農産物を50%、うち、20%を有機にするというものだがこれが2018年にできたと。これは画期的なことなので、有機農業を地域に普及させていくうえで、重要な取り組みではないかと思い、今日は勉強したい。
公共調達の法律である『グリーン購入法』について
高橋優子 3月25日にグリーン購入法の中に有機農産物も入るということとなり、これが4月1日から施行されている。これについて環境省大臣官房環境経済課の田中裕涼(ゆうすけ)さんから説明をいただく。
田中裕涼 購入の必要性を考え、事業者から優先的に(環境への負荷が少ない商品を)購入することで、環境負荷が少ない持続的発展可能な社会の構築を目指すと。国、独立行政法人が対象だが、グリーン購入促進のための普及・啓発等の組織化も行う。そのための判断基準を定めている。そして、各省庁でこれを推進していく。また、国だけでなく、第4条では、努力義務だが地方公共団体でも調達を推進していく。第5条では、事業者・国民も可能な限り環境に配慮した物品等の選択に務めることを責務としている。トイレットペーパーであれば古紙100%。高炉セメントは製造時の二酸化炭素を減らすものと。電気冷蔵庫も省エネ性能を重視すると。この基準は毎年行うが昨年は3品目を追加し、59品目を見直した。そして、食堂で有機農産物を追加した。有機農業で生産された農産物での基準を設け、有機農業で生産されたものを使うこととしている。
高橋優子 環境省に有機農産物が記載されたことで、6月1日に農林水産省の本省の食堂、さらに、6月23日には全省庁でお弁当が導入され、23日には東海農政局でも利用されたと。まさに、第一歩となった。大和田委員長から説明があった25%の有機農業の目標について、学校給食に有機給食ということで農林水産省の大臣官房の吉浜さんから新法についてご説明させていただきたい。
『みどりの食料システム戦略』について
吉浜 みどりの食糧システム法のポイントだが、昨年の5月に策定された戦略の実現に向けた法律であり、現場が安心して息長く取り組んでもらうために法制度としてできたと。国会で前回一致で可決し、7月1日に施行された。この制度の趣旨だが、大きく2つある。前半はみどり戦略の基本理念、行政の責務、国がすべき政策を法定化している。消費者、事業者、生産者の連携や技術開発。そして、国がすべきことで環境負荷の提言をうたっている。
後段では、具体的に取り組むべきことを示してある。有機農業の観点では化学肥料の削減だが、これは計画を県が認定して支援する仕組みになっている。この法律をもとに、いままでのやってきた人やこれからやっていく人を支援していく。
セミナー1 有機農業と給食の連携を実現したフランスの法律『エガリム法』
高橋優子 全有協としても協力したいと思っている。では、続いてフランスと日本、小川町をつなげたいと思う。通訳の遠藤美香さんからお願いしたい。2013年からCPPフランスの調理講師をしている。
遠藤美香 CPPとは「美味しい料理に足を突っ込む。みんながびっくりすることをやる」という言葉の頭文字を取ったものである。メインの活動は子どもたちのために手作り、地産地消、季節の食材を使うようにしている。そして、献立づくりの講習をしている。約30名のメンバーが講習を行っている。
高橋優子 では、エガリム法についてドルドーニュ県で職員としてオーガニック給食を担当し、財政調整をやっているオレリー・ベナゼ(Aurelie Benazet)さんから法について語ってもらう。
食と農と健康のために300時間の議論で法律を制定
フランスでは、衛生の概念はあったが、栄養面とかローカルについて気にかけた法律はなかった。そして、2008年からグルネル法ができたが、それは学校給食ではなかった。狂牛病や牛乳の汚染のスキャンダルがあって保護者から食べ物への要望が強くなっていった。
それと同時に農業関係者でも問題も起きて労働状況がひどく、一年に500人も自殺者がでた。そこで、2017年に食に関係する3部門で関係者が集まった。300時間の討論があって70項目の条件があって5000回の改定があってエガリム法ができた。この結果、エガリム法は農と食と健康のためにすべての人がアクセスできる法律となった。
法の目的は、生産者が労働にみあった生活ができるように適切な価格を支払う。食材の衛生面、栄養面での効率性をさらに高める。健康的で安全で持続可能な食糧をすべての人にゆきわたるようにする。
対象となる人は集団給食に係る幼稚園、6歳以下、社会福祉、医療福祉、刑務所にも及ぶ。なお、エガリム法は2022年1月1日から有効となる。
ベジタリアンメニューは2018年から法律で始まった。公共の集団給食で求められたものは最低50%がラベルが付いた高品質、うち20%がオーガニックとなっている。
なお、認証ラベルはフランスでは地理的表示等9種類ある。オーガニックを入れると10の認証ラベルがあることになる。このラベルが負担目録となる。ラベルビオが一番厳しくコントロールを受ける。
ベジタリアン給食、プラスチックの禁止
それ以外の措置は献立である。我々の食べ物は動物性タンパク質が多く含まれているが、その目的は植物性タンパク質を多く取り入れることである。エガリム法でやらなければならないことは、動物性タンパク質の代わりに植物性タンパク質を入れて、さらにそれを多様化させることである。2022年7月からベジタリアン・メニューが1週間1回、義務となっている。
食品ロス対策も義務になる。集団給食の場でも農産物加工業でも、食の寄贈ができるようになった。スーパーでは売ら残った食材はこれまで廃棄されてきたのだが、飲食店では食べきれなかったものはリサイクルできるように持ち帰りできる容器を準備しなければならないとなった。
また、使い捨てのプラスチックも禁止された。なので、コップやストロー、皿もプラスチックは禁止である。同じようにプラスチックボトルでの水の提供も禁止になった。
いまは学校給食のみでの措置となるのだが、同じようにプラスチックの中で加熱したり保存することも禁止になる。そこで、問題となっているのはケータリング会社等の委託業者が代わりのものを見つけなければならないことである。
レジリアンス法で肉を高品質に
また、2021年8月21日に新しい法律ができた。気候レジリエンス法である。2024年1月までに豚肉、鶏肉、魚等60%がラベル認証で高品質でなければならない。フランスでは集団給食の肉の50〜60%は海外から来ているが、この60%が国営の集団給食では100%がないと行けない。
また、1年に1一度は食堂利用者に情報を提供しなければならない。公正取引の情報も提供しなければならない。
フランスで公正取引されているものには、バナナ、砂糖、コーヒー、米等がある。そして、栄養に関する情報と食材の質に関する情報も与えなければならない。
エガリム法の限界はローカルの欠落と有機認証割合の低さ
この法律ができたことは大きいが弱点もある。食と農の3部会で提案されたものには、市民からオーダーされた内容がなく、市民が要望したほど野心的ではなくなってしまったことだ。例えば、オーガニックの割合が20%で、それ以外の認証が30%となっているが、実は、オーガニック以外の認証の方が経費が高くなるので、オーガニックの認証が一番簡単なのである。したがって、有機給食をエガリム法で実現するには40%をオーガニック認証、それ以外の10%を他の認証にすればいい。例えば、フェアトレードは認証経費が高く付くので控え目にしたほうがいい。
さらに、エガリム法にはローカルという地理的概念もない。ローカルの割合のパーセンテージが決まっていないことも残念である。公共調達においてはローカルで注文することが禁止されているために、ローカルで注文するためには他の方法が必要である。
また、怪しい認証もある。遺伝子組み換え農産物の扱いや魚の漁獲法についてもである。さらに、農業者に対する適切な報酬も必ずしも尊重されてないのである。これについて、後から農業関係のヨワンネが話す。
また、加工品も言及されておらず、加工品がいけないとの決まりもない。
そして、現場でベジタリアンメニューの講習を行うわけだが、有機農業へのサポートがないので現場では、突然すぎると思う。とはいえ、それでもエガリム法は良い法律であって、オーガニックがない集団給食にとっては転換のいいきっかけだと思う。
エガリム法の先をいくドルドーニュ県
まず、これが県の地図だが、その目標はこの6年で35の学校をオーガニックにすることだ。そして、長く続けるためにオーガニック認証で適切なコントールをしている。そして、県の目標としてフランスで模範的な県になりたいとしている。生徒の健康のために良質な食材を提供し、地域経済を支えることを掲げている。そのために適切な人事が必要である。チームが組める調理人が必要であるし、栄養士、農業技術者、公共調達を作成するための公務員が必要である。ということで、これから、ヨワンヌが変わって説明する。
地域経済を支える
ヨワンヌ 地域経済を支えるのが私の仕事だ。オレリーが話をしたがエガリム法は生産者への適切な報酬のための法律である。これらの法律のためスーパーや中小関係が改善されると。
フランスは大きく農家も多様であるが、大規模農家も小規模農家もいて、多様である。ドルドーニュはとても農業が盛んだが、各農家の面積は平均が50ha以下と小さい。フランスでは小規模の方なのである。そのままでは、大規模農家とは競争できない。
ここで掲げた数値は2019年のものである。
[省略]
質疑応答
高橋優子 値段の決め方はあるのだろうか。
ヨワンヌ 農家が生産するのにかかった経費を考慮する。例えば、ジャガイモでは60サンチーム/kg(注:1サンチーム=10円、100サンチーム=1フラン)のジャガイモを見つけることはできる。それは農家が売っている値段である。ところが、ドルドーニュでは1€でのジャガイモを見つけるのが難しい。実際に生産にかかる費用を計算すると1€以下になるので、1€か1€10サンチームになるになるので。
高橋優子 60サンチームとは?
フィリップ・エネ 60サンチームがフランスでは一般のジャガイモの値段である。そのジャガイモは大手が作っているのでローカルのドルドーニュ地方、小さな地方でできる値段ではない。
高橋優子 それと、調理員の人が日本では低賃金で大変なのだがフランスではどうだろうか。
オレリー・ベナゼ エガリム法ができてから質が高い食材で調理をすることに誇りを感じている。調理員はオーガニックでローカルで調理をすることで自分たちの職業を認識して喜んで働いている。私達が交渉しているのは値段のコントロール、献立の栄養バランスなどをメインにやっている。消費者も外から来た顔が見えない食材への意識も生まれる。
高橋優子 公務員として身分が保障されているということでいいのだろうか。
オレリー・ベナゼ 私たちが見る限りでは、調理員や栄養士は満足して働いていて、休むことも減ったが収入面ではまだ問題がある。
高橋優子 フランスでは10€/食と聞いているが、その内容の内訳はわかるか。
オレリー・ベナゼ グローバルでは給食の値段は8.5〜9€だが、このうち食材費は2€である。それで十分なのだが、いま、水やガス、電気の値段も上がっている。ただ、オーガニックでローカルでやっているので値上がりは10%程度で住んでいる。
フィリップ・エネ いま、戦争やコロナ禍のインパクトがあるのだが、有機はそれが少ない。それは大きい。
高橋優子 エガリム法では流通の簡略化を目指しているというのだが、どういうことか。
オレリー・ベナゼ エガリム法ができたのはいいことなのだが、急すぎて準備できていない。コミュニケーションでも年に1度、オーガニックの率を報告しなければならないのだが、準備がないまま発展してしまった。
ロワンヌ エガリム法ができて、最初はいやがっていたが、それが私達の県のひとつの仕事である。これから進歩していく。
オレリー・ベナゼ ドルドーニュ県に是非お越しください。
セミナー2 フランスの法律『エガリム法』を実施するためのツール
講師:本田恵久(「CPPフランス」会員、「CPPジャパン」「こどもと農がつながる給食だんだん」代表
高橋優子 では、次に実際にエガリム法を実現するために本田恵久さんより話をいただく。
まず、社内でなにかを改善するときに状況を分析することが必要だが、同じように自分はどういう地域にいるのか。他地域がどうなっているかの給食の統計があるといい。これがデジタル庁と農水省が連携している。地域公共センターの協力で作られている。高品質のラベルがどの位置にあるのかが示されている。ただし弱点もある。このMa Cantineに登録していないと数値は把握できない。
次に、オレリーさんが言われたように高品質のマークを入れることになっているのだが、今月、いくらかったということを月毎にシートに入れていく。エガリム法ではローカルが要件で入っていないのだが、ここではローカルとローカルではない欄に入れていく。それでどれだけができたかがわかる。
例えば、これは5ヶ所の調理センターのデータだが全体が何%かわかる。
そして、いそがしい中で年次リポートを作成できる仕組みができている。成功のデータもでるのでそれを手伝う仕組みがある。
フランスには1%が給料から天引きされてスキルアップの講習費に使えるので講習に参加できる。
次にエガリム法をバックアップする補助制度を紹介したい。1万人以下の自治体だが、設備投資、プラスチック削減のための機材、ソフトウェア、スタッフのトレーニングがある。そして、キャンペーンだが、お金ではなくDurableで食べると地球にも良く美味しいと。350tの二酸化炭素が削減できたとの結果がでている。
そして、流通促進するためのヨーロッパからの補助がある。これで大人になってからも健康的な食生活にさせようとしている。
流通では、プラットフォームが進み、できている。小規模農家、その地域だけでしか取れない場合は、県とかに広めている。さらに足りないと日本の生協にあたるビオコープが援助している。カカオやチョコレートはそこに付け加えるプラットフォームができている。資料や講習会も盛んに行われている。そして、廃棄物を少なくする取り組みもされている。
次に農業関係の支援だが、転換するのにどうするのか。町全体でエガリム法に取り組むため、PAT また、Teree de lienというアソシエーションがある。リタイアした土地を意志のある人に売りたい。それを仲介している。農地を守りながら260人の土地を手渡してきた。29,000人のメンバーがあるアソシエーションである。どれくらいの土地があればまかなえるのか。どれだけの土地が必要なのか。オーガニックや廃棄率でインパクトがあるのかをやっている。そして、永続的な漁法も実現できている。
セミナー3 『エガリム法』でどう変わった?フランスの給食の現場から聞く
講師:フィリップ・エネ(「CPPフランス」創立メンバー、「CPPフランス」講師)
高橋優子 次に、フィリップ・エネさんから、エガリム法の制定で何が起こっているのか、CPPのフランスの創立メンバーからお聞きする。
フィリップ・エネ 私の両親はノルマンディ初の農家民宿農家である。そして、15年前からCPPフランスを通じて学校給食の料理人にコーチをしてきた。エガリム法ができたときに、まず新鮮なものをいれると。そして、モノがローカルになるので、これまで加工品を使ってきたことが変わる。もう一つは週に1回のベジタリアンメニューもできた。これも、大変である。料理学校も教えてくれない。
もちろん、使いやすいのだが、値段はそれなりだし、味も美味しいとはいえない。フランスはデザートが付くので果物やジャムなりが買うことができる。冷凍品として100%のオーガニックができるのだが、1.8や2€にはいかないし、味も満足できないし、さらに、外国で作ったりローカルではない。
では、何をするべきか。CPPフランスはオレリーさんが言ったようにローカルがエガリム法にはでてきてこないのだが、ローカルが大事だと。そして、季節と手作りが大事であると。
値段もそれなりだし味も満足できないのに対して、どうするか。結論は、コミュニケーションである。子どもたちにも満足してもらわないといけない。そこでコミュニケーションが非常に大事になってくる。例えば、学校の中でハーブガーデンがある。学生も一緒に食べると子どもが安心できる。もう一つがハーブ系のトレイがあるが、子どもは緑やハーブは好きでないと聞くのだが、本当にきらいなのか?。実際にハーブを見せる。サラダの上に見せる。説明する。最初はいらないと言うかもしれないが、2、3回目で欲しいとなってくる。それが学校食堂でやるべきことである。
つまり、大手食堂でやるべきことは、手作りである。料理人が自分の料理に戻ることは、フレッシュでオーガニックを使うことは楽しいし、いいことができる。それは手間がかかるのだが、その分、メニューをシンプルにしたり工夫がある。フランスの全国でも料理の仕方を変えている。フランスは肉がメインなのだが、これもまるごと買った方が安いし、ロートンで焼けば肉が美味しくできる。
ピザも生地から伸ばすのではなく、簡単にできる方法がある。そうした方法を講習している。料理人は楽しく仕事ができる。
そして、季節も大事である。トマト、キュウリが1年中あるようなことは見たくない。季節のものを食べる楽しさ。子どもにそれを教育をする。夏のトマト、秋のかぼちゃ料理、春野菜。また、甘い味を出すには冬の野菜である。最初はいやがるのだが、子どもはある味に慣れている。冷凍のかぼちゃしか食べたことがない子どもには少しずつ味見だけをさせる。そして、ローカルであれば理解してくれる。
そして、これはショックかもしれないが、肉がメインなのだが、地元、ローカルなのだが、高いクォリティの肉は一般の2倍、4倍もする。学校給食では出せないのか?。我々は動物ごと使う。その方が安い。これは羊だが、まるごと買ってくると。4頭を1晩で熱をかけるとローストになる。それを子どもに出す。羊を育てた人のこともわかる。鳥もモモだけがほしいとどうするのか。まるごと使うことが大事である。エガリム法で増やしたいのがローカル、季節、手作りである。
高橋優子 質問が来ていないようなので、私から。エガリム法について考えたことは、野菜農家が値段を付けられる。ビーガンを活用することで価格を抑えられる。ローカル、旬、手づくりであれば価格を抑えられる。CPPフランスが活動されている。これは日本でも真似していけることかなと思った。CPPジャパンでオーガニックの調理の仕方を教えている。エガリム法の未来として100%を目指している熱心な行政マンがいることは、志がいる熱い想いがある行政マンがいること。そして、消費者の要望があって動ける。参加されている方が諦めないですることが大事かなと。日本は0.5%で頑張っている人はいるのがだどうやって取り入れていけるのか。その課題についてまたお会いしたいと思います。
本田恵久 今日のソレン君が頑張ってくれた。裏方として頑張ってくれました。
編集後記
本稿は2022年7月27日(水)、14:00〜16:30にかけて、NPO 全国有機農業推進協議会の主催によりオンラインで開催された『有機農業と給食の連携を実現したフランスの法律『エガリム法』でどう変わった?フランスの給食の現場から聞くセミナー』の講演内容をまとめたものである。
なお、本講演は有料であり、今後も見逃し配信もある。あくまでも、会場でパソコンを叩いたメモ書きである。今後、公開されるとも聞いていることから、正確さを求める諸兄は、是非、NPO 全国有機農業推進協議会から資料を得て、ご確認いただきたい。そして、この場を借りて、このミスが多いであろうメモ書きを仮バージョンとは言え、公開することに同意してくださったNPO 全国有機農業推進協議会の寛容性に感謝をもし上げたい。そして、この「寛容性」とも関係するのだが、情報屋の現場での聞いての何よりの衝撃と感想は、同じ官僚といっても日本とフランスとの違いであった。卓越した頭脳をもって精緻な法制度を構築し、国民からの一身の期待を背負い、公的業務を推進していく「公僕」という意味では、フランスも日本も同じであろう。にもかかわらず、フランスでは「法には限界がある。ここがまずかった」と、それも事もあろうに海外にまで語ってしまえることにある種の新鮮な驚きがあった。
というのは、これも神話でしかないのだが、「無謬」という概念が長く日本の公官庁には息づいているからである。上級官庁、すなわち、霞が関、そして、上級官庁のさらに上級官僚が下した判断にはなにひとつとして、「理論・判断などに、誤りが無い」という概念である。そして、これは、実は日本が無限責任社会であればこそ、その責任を誰もが取れないがゆえの責任回避、すなわち、ある種の失敗がおきたときに、どこに判断ミスがあったのかが誰も判断できないことにつながっていると思っているのだが、その意味でも、日本の行政が一番こうした転換では、遅いかもしれない。
なお、最後に「本セミナーの開催趣旨」を転機しておく。
昨年、農水省は「みどりの食料システム戦略」で、2050年までに日本の耕作面積の25%を有機農業にするという大きな目標を掲げました。
今年2月25日には、環境に配慮された製品基準を決める「グリーン購入法」に、有機農産物を官公庁の食堂に有機農産物を積極的に取り入れることが閣議決定されたことを受けて、金子農水大臣が当日の記者会見において、まず霞ヶ関本省食堂から有機農産物を積極的に導入すると発表しました。
この発言を受けて食堂委託要綱に有機農産物を使用する旨が組み入れ、それが実施可能な業者を選定し、6月1日より有機農産物を積極的に使ったメニューを提供する「あふ食堂」がオープンしました。6月22日、23日には霞が関全省庁の職員に向けて、国産有機農産物を使用したお弁当も販売されます。
有機の先進国の一つであるフランスでは、2018年に農業、環境政策であるエガリム法が制定され、学校給食に20%のオーガニックを含む50%の高品質の製品を取り入れるという大きな目標が掲げられ、年間35億食にもなる給食や病院食などに義務化されました。このように公共調達が有機農産物の消費の受け皿となることで、有機農業がさらに伸びています。
このフランスの政策と現場の取り組みに学び、我が国でも有機農業のさらなる推進にむけて、公共調達と農業政策をどう次のステップに進めたらよいのかを考えるために、このセミナーを企画しました。






