2022年06月25日

草の根金融と地域経済

国際開発学会社会的連帯経済研究部会第3回研究会
多賀俊二 草の根記入研究所「くさのーね」代表

はじめに

 本日は、社会的連帯経済のための草の根金融、マイナーではあるが、自分の人生をかけたことについて話をさせてもらいたい。草の根金融とは何か。どれにどのような課題があるのか。また、自分の屋号としている「くさのーね」が何をしているのか。新たな草の根金融を形成するために何ができるかを考えたい。

2022062501s.jpg 呉出身。1991年に(社)全国労働金融公庫に就職、25年勤務した。2005年から全国NPOバンク連絡会の事務局長を務めるが、草の根金融の普及・発展を目指して2016年4月に独立した。個人事業でやっているが、そのミッションは草の根的に人間本位のものに金融を作り代えて社会課題を解決したいと。どうしても、既存の金融は大資本が中心となることから、これは経済民主主義でもあるし、社会的連帯経済そのものである。

2022062502s.jpg では、草の根金融とはなにか。最近は社会課題解決を目的としたソーシャル・ファイナンスやインパクト投資もあるのだが、インパクト投資の中でも、大きな証券会社や専門会社がやるのではなく、一般人の手作りのものを草の根金融と呼ぶ。ただし、証券会社等の金融機関との連携は否定していない。また、手作りといってもアナログではないし、FinTechという最新のIT技術も使う。この中には、クラウド・ファンディングやソーシャル・インパクト・ボンドも含まれる。また、登山者等が保険業の埒外でやる共済等もそれに入るといえる。

 金融機関から調達をできない人、そして、社会を変えたい方向で投資をしたいソーシャル投資家の受け皿になる。投資家が事業者の応援団としてネットワークが広がる温かいマネーといえる。

NPOバンクとは何か

Satoshi-MiyamotoS.jpg NPOバンクは、ソーシャル・ビジネスとして定義されている。市民が自発的に設立し、市民からの出資に基づいて、市民事業等、社会的に求められているニーズに対して融資を行う非営利の金融機関のことである。その融資先は個人でも事業でもよい。田中優氏が1994年に構築した「未来バンク事業組合」がその起源となっている。2002年に「北海道NPOバンク」が設立されてから全国的に広がり、いま、13団体が存在している。宮本聡氏が最近、立ち上げたNonprofit FinanceもNPOバンクに近い。

2022062504s.jpg なお、「市民バンク」という言葉は商標を取られているためにNPOバンクと言っている。なお、融資がこげついたときに出資者の被害を避けるために2段階にしているのだが、いまは、二つの器を作る必要はなくなってきている。広域法人として広域認定をしていると資金を貸すことができるため、広域法人として融資をしているところもある。

NPOバンクを作り意義~パイオニアたちの思い

 次に、NPOバンクを作る意義だが、ゆうちょや大銀行は、インフラに投資をするが、それが大開発に使われる。そうしたことに対してお金を出したくない。また、社会的企業や社会的排除を受けた人に必要な資金も出したい。さらに、志あるお金を地域内で回したい。まさに、マネーの地産地消である。

2022062528.jpg パイオニアである田中優氏は「おカネが変われば世界が変わる」(2008)コモンズで、「私たちの貯金が元手となって環境破壊や人権侵害が進められていた」「さまざまな解決策(エコバンク、マクロクレジット、地域通貨等)にも不十分な点があった」「結局、自らリスクを背負って、市民の非営利バンクとして、私たちは1994年4月に依頼バンク事業組合を設立した。日本で最初のNPOバンクだ」と語っている。

 女性・市民コミュニティバンクを向田映子さんは「女性・市民信用組合設立準備会(当時)の設立には、二つのきっかけがある。一つは、銀行や金融システムへの不満や疑問だ。もうひとつは、ワーカーズ・コレクティブ等で市民事業を行う女性たちが、金融機関から不足資金を借りられなかったことである」「当所目指した信用組合の設立交渉は遅々として進まない。そこで、私たちは決心した。資金の出し手も借りても確かにいるという実績を自分たちでつくるしかない、と。それは、出資金によっておカネを集め、出資者のみに融資する、昔の頼母子講や無尽のような相互扶助の仕組みである」と語る。

 いまは、市民の企業に対しても金融機関が目に向けるようになってきたが、1990年代には事業が成り立つかどうかがわからない、あるいは、女性だけというだけで「旦那さんの給与は」と聞かれたり、女性を自立した経済主体として認めず、今からすれば隔世の感があるがそういわれていた。なお、NPOバンクの解説本が2006年には出されている。

生活再生ローン・グラミン日本

 生活困窮者向けに家計相談とセットで必要な場合に融資を行う手法が生活再生ローンである。労働金庫等の民間金融機関、福岡県のグリーンコープ、みやぎ生協、生活クラブ生協千葉等が特に熱心で、こうした信用生協の手法は、多重債務者問題が政府で議論されたときに「日本版グラミン銀行」モデルとして、生活困窮者自立支援法でもモデルとして白書にも書かれたが、その後何も起こらなかった。

 生活再生ローンは生活を立て直すための資金なのだが、困窮者が自立するための小さな事業の資金、グラミン銀行の5人1組のグループ金融と同じ発想で、2018年には「グラミン日本」が設立。いまも静かながら活動している。

市民債権(疑似私募債)

 市民債権は、主に非営利のソーシャルビジネスが社債を発行するように、均一の条件で組織内画の多数者から金銭を借り入れることで「疑似私募債」と呼ぶこともある。名前からして「疑似私募」と怪しいが、支援者から金を借りるものとしては、私立学校が借り入れる学校債、生協が借り入れる組合債、医療法人が借り入れる医療機関債、そして、ワーカーズコープが借り入れる協力債も同じである。

 法的にグレーなところがあるが、当事者だけならばということで、少人数私募債は、会社であればどの会社も発行できる社債のひとつで、募集人数49人まで、年間1億円未満という制限を満たせば、契約のみで社債を発行できるのと似ている。NPOの手法として紹介されるのだが、事例が少ない。

 内閣府も「疑似私募債」について、NPO法人等も発行できると書いているが、明確なルールがない。なお、市民債権は、単なる借金の束なので、有価証券としての債権ではない。借金の証文ですらない。受け取り証書にすぎない。そこで、債権を人にゆずっても権利の譲渡にはならない。

市民債権のメリット

 担保や保証人が不要だし、発行する団体には、ネットワーク、人との信頼があるので、場合によっては、金利についても無利息でもいいし、償還期間も10年は大丈夫と有利でできる。何百万円ももらっているケースもあるし、手軽に借りられる。さらに、自分たちで資金を直接集めるという充足感があり、団体の士気高揚につながる。また、ネットワークを見える化でき、温かい顔が見える化できる。とくに、貸し手が応援団になってくれることが大きい。

2022062514s.jpg この事例として、一番知られているのは、天然酵母の品川のパン屋、「スピカ・麦の穂」である。ここは、金利の代わりにパンの債権と言っていた。貸し手は「こんなパンがいい」と意見を言ったし、売れ残ったものを買って帰ったりした。この事例として、1996年12月に江戸川区で結成された環境NPO「足温ネット」が2011年の原発事故を契機に、地域に太陽光パネルを設ける「えど・そら債」を作った。

市民債権のデメリットと出資型市民ファンド

 ただ、市民債権にはデメリットもある。必要な額が調達できないし、プールも必要だし、事務の手数がかかる。法の枠外にあることから貸し手への保護措置が不完全である。グレーだと言われるのはそのためである。

 また、そもそも資金を借りることに向かない分野もある。例えば、当たり外れがおおきい事業である。映画もそうで、立派な俳優や脚本家をそろえて制作しても、実際に映画があたるかどうかはわからない。だから、投資資金を回収できないリスクがある。これは、出資を受けることが適している分野と言える。

 世界的に連帯経済で言えば、市民協働発電は流行らないのだが、例えば、風車を建てようと。風車が台風で倒れたり、民家の屋根に台風で吹き飛ぶと命にもかかわると。途中で撤去することになると事業失敗というリスクの不安定さがあるのだが、では、そのリスクは借り手が全部負うのかと。そこで、出資であれば、事業が失敗した場合でも出資額等に応じて、出資者もリスクを分担することができる。

 2001年の初の市民風車「はまかぜちゃん」は注目を浴びた。ただし、この匿名契約も詐欺の手段になるので、業者登録が必要となり、いまは非常にハードルが高く、使いにくくなっている。それ以外に様々な信託もある。合同会社出資は、499人までならば金融商品取引法の対象外とされるため、開発途上国の社会起業家に社会的投資を行うARUN合同会社が有名である。また、組合型の出資ができないことに対してオーナ制度も考えられている。農地の上にパネルを設置して、エネルギーを活用するソーラーシェアリングという仕組みもそうで、ベンチャーキャピタル的手法、一般財団法人KIBOWによる投資もある。

草の根金融がなぜ形成されたのか、三つの課題

 なぜ、草の根金融が形成されたのかを集約すると三つある。第一は、資金の流れを変えたい。つまり、銀行に預金をしては、その預金が原発や石炭火力に使われてしまうと。第二は、NPOやワーカーズコレクティブの銀行からの融資が難しい。第三は、生活困窮者のための調達を円滑化したい。仲間があってこそ成り立つので銀行から借りるのではなく仲間から暖かいお金を集めたいと。

 すなわち、草の根金融は金融ありきで生まれてきたものではなく、社会運動の現場の想いと知恵から生まれてきた。ただし、いま述べた三つの存在意義は、最近は希薄化しているように見える。

 第一に、金の流れを変えたい人が、いま、自分で金を集めるよりも、金融機関に対して直接働きかけることで金融機関そのものを変えようとしている。例えば、気候ネットワークはみずほ銀行に対して、どう対応するのかとして「株主提案」をしている。これは、否決されたが社会的インパクトが大きい。

 第二に、NPO融資にしても、日本政策金融公庫や東京都「女性・若者・シニア創業サポート事業」もしてきている。そして、融資を受けた人を支援している。ゆきとどいた制度開発もできてきて、NPO法人にも信用保証協会の保証が付くようになった。すると、ちまちまやっているNPOバンクにわざわざ依頼する必要がなくなっている。

 そして、クラウド・ファンディングが非常に盛んになっている。温かいお金ということで、わざわざ〇〇ファンドをやる必要もない。このように草の根金融も状況が変わってきている。

草の根金融に求められている新たな役割は

労働者協同組合法もできたことから、社会的連帯経済の裾野は広がっている。とはいえ、現場では楽にはなっていない。子ども食堂が広がっているのも、子どもの食生活を行政がきちんとみないからである。NPOバンクがなぜ解散するのかというと、従来の草の根金融が現場のニーズに答えられてない。進化できていないからではないか。

「くさのーね」の源流と実践

Jinsaburo-Takagi.jpg では、自分のことについて話したい。高校時代に市民運動の小田実(1932~2007年)の本を読んだりした。また、雑誌「話の特集」を読んだりした。実際に京都大学に入ってみたが、市民目線の活動はなかった。「市民は許せない」と暴れる人がおおく、「市民の屈服を乗り越えていく」との発言もあった。こうした中で、京大反原発学習会に参加し、このサークルで「京都反原発めだかの学校」等と連携して、高木仁三郎(1938~2000年)等の研究者やオピニオンリーダーと接する機会があった。京大には熊取原子炉実験所があり、そこでも交流した。1991年に労金協会に勤務を始めたが、当時考えていたのは、自分の持ち場で身の丈の範囲でやってくことだった。けれども、1992年1月に「A SEED JAPAN」と出会い、米国最前線のNPO活動に進化系を感じた。

Yuu-TanakaS.jpg この活動にのめりこむ中で、1993年3月に田中優氏とであい、金融と環境破壊を結びつけた視点が新鮮であった。そこで1993年の夏に勉強会がたちあがる。そこにないものは作ろうと、金融機関的な「金融と環境研究会」を作った。こうした中で、全国に広がっていったのだが、ミスター・チルドレンの桜井さんや坂本隆一氏がAPバンクをつくったのだが、2004年から詐欺防止のために規制されようとした。共済で詐欺をする人が後を絶たないと。NPOバンクもこれにひっかかるということで融資と全国NPOバンク連絡会を立ち上げた。

 こうした中で、本業からは「ままごとをやっている」と言われている。一方で、バンク連の多賀として講演や執筆も喜ばれることもあるので、こっちの世界で生きていこうかと。これからは、何が必要なのか。まず、共感を広げる。そして、オピニオンと情報発信。新田さんの著書への感想等を発信したり、Noteを使って情報を発信する。メールマガジンも出していきたい。

ディスカッション

地域では貸し手も借り手もない

2022062522s.jpg佐藤寛 いろんなオルタナティブがあることがよくわかった。また、その存在意義がなくなってきていることもわかった。そして、ヨーロッパで成功しているトリフォス銀行や倫理銀行等には運動が背景にあると。つまり、運動あってこそのNPO銀行である。そこで、共感が大事であると。社会的連帯経済で、連帯にこだわるとすると甲乙の関係、これをどう連帯に変えるのか。資金融通やコンサル、支援は連帯でなくてもできる。これは連帯でなくてもいいのではないか。

多賀俊二 連帯金融は、市民が作ると。生協の組合員活動、スペインのモンドラゴンを支えるので労働金庫がある。

2022062523s.jpg佐藤寛 貸し手も借りても市民であると。では、そういうことができるお金がある人、コンサルできる人はどう発見するのだろうか。

多賀俊二 発見ではなく持ち寄って支援すればいい。具体例はある。コミュニティバンク、愛知県のコミュニティ・ユース・バンクmomoはまさに参加型でやっている。みんなで話し合って融資のいい悪いを決めていく。一部のコンサルだけが担うのではないよと。

佐藤寛 新田さん何かコメントがあれば。

Nobuyuki-Arai.jpg新田信行 私も知らないことがあった。momoの木村真樹君も応援していた。さて、私は投機的金融に嫌気がさしている。大事なのは事業、一緒になって作る。そして、モノが動けばお金も動くと。それが連帯経済のイメージである。事業者がいて、それと別途で金融機関があるのではない。町の商店街の連中は一緒の仲間である。

 けれども、地域コミュニティが東京では壊れている。シビック・エコノミーをしようとすれば同じ土俵に立つと。つまり、リアル・エコノミーがあればいいのではないか。

佐藤寛 資金を出しても事業に参加していると。地域コミュニティでの小規模なレベルではいいのだが、スケールアップすると金融はどうなるのだろうか。

新田信行 自分は事業協同組合を作っている。リアルでありたいので。その上部団体として連合会が作れる。日本の法制度の中でもできる。大きな金融は事業協同組合の上の連合会に対してやればいい。個々が自立した小さな組合があればいい。全国には140の信用組合がある。そして、全信組合に対して、お金を出している。これが地銀と違う。昔の人は良く制度を作ったなと思う。

佐藤寛 規模の経済もあるだろうが、なかなか広がらない。それを広げようとするのではなく、連合にすることでスケールアップすると。

多賀俊二 おっしゃるとおりで、生活困窮者支援では、福岡にはNPO法人、抱樸がある。東京にもNPO自立支援センター「ふるさとの会」がある。抱樸の奥田知志さんと考えていることが違うが、ホームレス支援全国ネットワークとしてやっている。地域に小さな団体ができると個性を生かしながら横のつながりをつくると。こども食堂でも同じ動きがある。そこで、バンク連もできてしまったと。M&Mのサービスは連合がやればいい。会員の貸せないものは連合会がやればいい。建前上、上部組織と言ったが下支えするイメージである。個別の団体でできない機能を連合会が提供すると。

新田信行 ボールが来る前にバットを振ってしまった。時代が早すぎたと。

佐藤寛 ソリダリダ・ジャパンを昨年に作ったし、勉強会も昨年から始めたのだが、地域おこし等、様々な分野の人がいる。それが、収斂しているのかなと。ILOの総会もあるし、確かに時は来ているのかもしれない。

世界を支配する巨大な力よりも相手もシステムとして取り込め

Satoko-KishimotoS.jpg藤田雅美 杉並区長に岸本聡子が当選した。そこで、水道公営化の本、『水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと』集英社新書(2020)を読み終えたところだが、いまの世界は、スキルもお金も技術もすべてが、あるグループに集中していて、彼らが都合がいいように世の中を作り変えているというストーリである。巨大な力でつぶそうと思えばつぶす力がある。そこで、あっというまにひっくりかえされるのではないか。ムニシパリズムにしても、世界がつながるとかはエンカレッジなんだけれども、つぶす力も巨大な力であることをどうとらえているのか。

2022062527s.jpg多賀俊二 相手側がつぶすどころか、相手もシステムの一部になるというのが私の考え。それは、米国の事例からなのだが、例えば、米国のコミュニティ開発金融機関は公民権運動で作られた。それがわらわらとできて「銀行も地域にもっと密着せよ」いう法律の受け皿になった。さらに、進んで、社会に役立つのであれば政策的に支援しようと支援制度も米国ではあるし、できた。そして、インフラとして定着したと。日本でもNPO活動と同じであって、社会の基盤を形成するので、実態ができればエンカレッジする。ただし、それは、「それが大事だ」とする価値観の問題でもある。イデオロギーの中ではリベラル寄りになるので、ちょっと、もりあがったらつぶされるものではないのかなと。日本においても、社会的基盤を作ろうとしている人はこども食堂のように、それを仕組みにいれていこうとしている。

佐藤寛 新田さんは、みずほ銀行の常務もされた方なので、ご見解は。

新田信行 社会基盤の上に政治と経済はなり立っている。今の日本がおかしいのは、社会基盤がガタガタしているからだろう。いまの民主主義の中にいる以上は、企業にとっても人が一番大事であると。SDGsは汽水域。淡水と海水が混ざるところでできる。だから、政治や経済を敵対視する必要はない。政治家も事業家も社会を良くしないと未来がないでしょうと。それがSDGsの本質であって、誰かからの誘導だということは感じていない。大企業も必要であって政治家も選べばいい。良い政治も良い経済も結局は、日本の和の精神がこの時代を乗り越えるのではないか。

 ただし、国民に対する教育は重要で、ちゃんと自分の地域どうするのかを考える人を作らなければいけない。東京に頼ればいいのではない。自立とは基本的に助け合うことですから。今の言葉は、自立と孤立を間違えている。

目新しいところだけを切り取るよりも地域づくりの運動を

2022062525s.jpg佐藤寛 地域活性化、地域おこしで言えば、様々な取り組みがされているわけだが、うまくいっていないところもあるし、何もできていないところもある。自立の目がないところは消滅しても仕方がないのか。それとも、何か助けの手をさし出すべきなのか。

多賀俊二 結果としてつぶれる道を自ら歩む者に対してはどうしようもないと。人として生きていく基盤は全国レベルで整えることだろうが、地域を主体的に活性化するうえでは、外部の支援する人とうまくつながることが必要だと思う。よくあるのは、バズった手法。何か目新しい手法があると、それだけが切り取られて独り歩きする。20年前の地域通貨ブームも基盤がない中で、ブームになって、それを使うコンサルだけがいい思いをしたと。

Ryo-YamazakiS.jpg 地域を担おうとする人が自分らの工夫で地域を作っていく。そこに外部のノウハウを持っていくことが大事であって、例えば、コミュニティ・デザインをやっている山崎亮さんのような人がサポートすればいいのではないか。

新田信行 支援という言葉も嫌いだし、一緒にやると。ただ、相手から拒否されたらやりようがないと。上でも下でもないし、リアル・エコノミーを一緒にやりたいだけなので。ただし、よそ者は駄目だ、外人は嫌いだと塀の中で閉じこもっていやだという人に対しては、悲しいなとしか思えない。それはしょうがないでしょうと。答えになりますか。

多賀俊二 トランジションタウンやエコビレッジでも、まず、何か新たな営みが起きて、そこで金融が起きてくるのだろうと。トランジションタウンも事業支援のニーズをどうやっていくかだと思う。

まず人づくり、東川町の活性化は日本の未来教育のモデル

新田信行 私はeumoもやっているが、ほとんどのお金は事業。基本は人なので、賛同する人をどれだけ集めるかだと思う。テクニカルなことよりもまず、人の輪の力だと思う。「下手な鉄砲も数撃てば当たる」ではなく、一人一人どれだけ信頼できる人を作るかだと思う。空き家が地域で30%にまで増えるとスラム化するというデータがある。いま、学校もどんどんつぶれている。北海道の東川町が成功したのも廃校を外国人学校に使ったことである。SDGsの時代に古い時代に新しいものを建て直すのはどうかなと。リフォームできないかなと思う。どうも、皆、自分たちだけでやっていて、行政や企業とのつながりをされるような動きをあまりなされていない。コロナ禍のおかげで、いまでは全国どこでも仕事ができるようになったので、東京から人がばらけ始めているので、それをつかんだ地方は、確実に人が来ますよね。東川町の例でいうと、この小学校に子どもを通わせたいと、かつて人口7,000人の町がこの5,6年で9,000人になっていると。だから、教育ってすごいなと思う。どもをどこで学ばせたいと思うか。今の日本の教育制度について、文科省の悪口を言っても仕方がないし、縦の学問、人を掘り下げるような仁徳を積ませるような寺子屋が日本中に必要だと思っているし、文科省の制度や今の先生がけしからんというのであれば、自分たちでそれを補完して、仲間を作った方が手っ取り早いと思う。

 各地で土地としての文化度をあげるとかしないと、日本が二流国家になることが僕には耐えられないというか、もう二流国家になっているんだろうと。なので、地域が元気になってほしいと。

佐藤寛 コミュニティの活性化をやりましょう。

【画像】
宮本聡氏の画像はこのサイトより
田中優氏の画像はこのサイトより
おカネが変われば世界が変わるの画像はこのサイトより
高木仁三郎氏の画像はこのサイトより
岸本聡子杉並区長の画像はこのサイトより
山崎亮氏の画像はこのサイトより
posted by 情報屋 at 23:19| Comment(0) | 講演会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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