はじめに
コーディネイター やまなし有機農業連絡会議代表 澤登早苗
長野県池田町における学校給食への有機農産物導入の現状と課題
長野県池田町町議会議員 松野亮子
池田町と松川村での有機給食米の現状
江東区出身だが6年前に居住した。パーマカルチャーではよく知られるシャンティクティがあり、安曇野市で友人が有機農業を営んでいたからである。有機農業が盛んなイメージがあったが、実際に住んでみると有機農業を営んでいるのは一握りでありイメージと違っていた。
化学肥料も農薬も使わない自然農法で自給をしたいと思い、同じような考え方の友人が増え、有機農家とのネットワークもでた。2019年4月に町議会の選挙があり無投票で当選した。公約が「オーガニックタウン」と「有機給食」の実現であった。
池田町は人口が9,568人。小学校2校、中学校が1校で生徒数が約800人。松川村の小学校1校、中学校1校とあわせて、1,500食をセンター方式で提供している。普段は特別栽培米だが、今年の11月から回数が増え月に1度、有機米が提供されている。1日の必要量は140kg、玄米で150kg。年間給食は約200日なので、年間30tとなる。
有機米が提供されるようになった経過
この中で、給食センターが年に6回出すように積極的に動いてくれた。これが初めて有機米が給食にだされたときの写真である。大糸タイムスも取材した。その後、宮田さんと矢口さんが中心となって「生き物いきいき田んぼの会」を立ちあげた。いずれは有機野菜も出していきたい。
農家の高齢化、有機農業への偏見等課題は山積
今後の課題だが、まず、池田町は高齢化が深刻である。議員になったときには「新規就農者を呼ぼう」と考えたが、現実に新規就農者が入ってこない事情がある。空き家はあるが家が少ない。借りられる住宅がない。また、移住できても農地を借りることが難しい。さらに、農業を始めるうえでのハードルもあり、役場の動きも鈍い。実際に入って来るかどうかわからない新規就農者に期待するよりも現実の農家の[転換に]挑戦してもらった方が現実的ではないか。そこで、「池田松川有機稲作研究会」で一緒に有機農業を取り組む仲間を募集した。矢口一成さんが講師となっているが、他町からの参加者が多く、当初目的が果たせなかった。
今後は、有機農業にチャレンジする人を増やしたいため、来年1月にオオタヴィン監督の『オーガニック給食編』の上映会を行う予定である。一反でもいいので作る人を増やしたい。未知数だがまず増やしたい。
また、行政側の理解が少ない。有機農業への偏見が強い。作れない。匂いがでる。虫が発生する。ほとんど全員が「有機農業=害虫だらけ」という偏見が強く、有機野菜の導入がいつからできるのかも正直なところである。宮島公香さんのような人がいて、有機農業への偏見が変わってくれればいい。
保育園で出したいというグループができてこの動きも昨年から始まっているが、非常に小さな問題で食材がはねられてしまっている。つまり、調理員の有機野菜への理解が乏しかった。そこで、現場の有機野菜への理解を高めることがポイントである。
澤登早苗 スムーズにいった印象を持っていたが、非常に苦労されていることがよく伝わってきた。
質問 予算はどうしたのか。
松野亮子 昨年は500円/kgだったが、今年は松川村から「価格が高いと難しい」との声があり、特別栽培米とほぼ同じ値段で農家側が食べてもらえばいいとなった。逆にこれが新しく有機農業を薦める方にとって価格的に魅力がないこととなり課題となっている。
澤登早苗 適切な価格をどうみるかが重要だと思う。8月に長野県で有機農業研究者会議があり、そこで松川村とは別に松川町もあることを知ったのだが、次に松川町の宮島さんからお願いしたい。
長野県松川町における学校給食への有機農産物導入の現状と課題
松川町産業観光課宮島公香・松川町ゆうき給食とどけ隊
牛久保二三男 松野さんから有機では虫がついたりとの話があったが、緑肥をすき込んだだけで非常にいいものができている[会場から素晴らしいニンジンとの称賛]。
宮島公香 松川町の農業委員会として令和元年に千葉県いすみ市を視察をした。まず、松川町の概要だが、人口が1万2357人、東西に段丘が形成され、果樹栽培100周年にもなる。農地の現状だが、1,325haのうち、樹園地が604haを占めている。農地の80%が果樹園である。しかし、遊休農地が224haあり農業従事者の減少がわかる。これまでは果樹の後継者の確保や労働力の補完目線での対策であった。果樹農家に里親になってもらう。法人の参入支援、ワーキングホリデー、猫の手クラブ、農地の集約化、マッチングによる流動化としてきたが、それでも解決できない。そこで、町は持続可能な地域づくりでSDGsを掲げ、そこで、非農家、保護者による有機農業の推進で地産地消を考えている。
果樹の町であることから果樹での有機農業は難しいが、町には前から有機農業研究会があり研究もされてきた。また、農地を持たない人も野菜づくりをしてきた経過があり、2年12月には連絡協議会が発足した。
最初に収穫されたのはジャガイモで、お盆まで提供でき、栄養士にも現地をみてもらったり児童にPRをした。いまは、約1,087食を提供しているが、有機2.4tを提供できている。
値段は平成30年と令和2年の変動差を調べたのだが、有機は平均を取って変動差がないようにしている。これが地産地消のメリット。また、コロナ禍のため見学だけであったが、今年は子どもたちと一緒に試食ができなかったが、実際に給食になっているところを見ることができた。また、下伊那赤十字病院にも一部を出し、ふるさと納税もしている。今年は参加者も増え、スイートコーンやズッキーニ等もいただいている。有機の率は、長ネギがトップで47%、ジャガイモが24.7%、ニンジンが9.9%、米が7%で、平均で22%。使用率50%を目指している。献立を有機の食材にしているのだが、令和元年からなので3年目になるが、食材の必要量をまず把握し、次に生産希望者と打ち合わせ、教育委員会に説明する。そして、コメはもともと地産地産をやってきたので、ここに有機が入ることでJAと協議した。また、有機野菜は農家に切り替えをお願いした。流通は直売所で担っている。JAが運営する「もなりん」がやってくれたのでありがたい。そして、お米は学校給食会が実施している。
課題は以下のとおり4つある。
1直売所でサイズの選別、洗浄、皮むきが必要。2Lを出すようにお願いしているがバラバラである。生産者の皆さんが対応しているが、ロスなくすために小さいなりに使う献立を考えている。
2数量が足りない。注文に対応できない。この場合、3日前に連絡すれば市場から対応してもらっている。
3虫がいる、曲がっている。傷みがある。大きい学校では機械でカットされるが、小規模な手切りの学校で調整させてもらっている。
4 希望価格の交渉だが、購入リストから生産者、栄養士と話して決めた。生産者が納得がいく金額を出している。そのため、使いやすくなっている。
また、今年7月に初めて調理関係者と打ち合わせをした。お互いの思いを聞いて気づくことがある。そこで、今後も圃場の見学をしたい。また有機食材の意義、効果も共有意識が持てるようにしたい。なお、有機JASの認証は積極的に勧めていない。南信州や伊那谷での参加型認証を検討したい。令和2年の取り組みはマニュアルとしてまとめた。果樹を有機にすることは難しいのだが、澤登さんはブドウを有機でされていることもお聞きしているので話をお聞きできればと思う。
澤登早苗 詳細なデータ、ありがとうございました。
質問 遊休農地で参加されている人は。
宮島公香 個人も法人もある。「人・農地プラン」をつくったときにそこでも参加している。栽培研修会を行って圃場を回っている。波田の自然農法センターからも指導に来ている。
澤登早苗 PGS、欧州とかでなされているが、「guarantee」なので認証よりも「保証制度」の表現がいいと思うが。課題解決もセッティングは宮島さんがしているのか。
宮島公香 教育委員会と相談してやっている。
澤登早苗 では、次に地元山梨でやっている浅川さんから。
北杜市における学校給食への有機農産物導入の現状と課題
北杜市役所産業観光部農業振興課農政担当 浅川裕介
センター方式か自校方式で揺れる中で
人口は4万8,000人。当時は5万人いたのだが、給食が定着しているが、当時は、自校方式かセンター方式かで揺れ動いていて、最終的に市としては2つの給食センターでいくことを決めた。北センターと南センターになっている。8町村があったので、最低でも8校と8校があるが、いま動いているのが小渕沢のセンター。いま、4つでまかなっている。
先程もでていたが、給食界隈では有名な人だが、当時、今治市の安井孝さんと平成19年に出会い、衝撃を受けて、プロジェクトをこの年の11月に立ち上げた。
どうやったら農業が盛り上げられるかで、保育園の中に畑をつくるとかを考えた。また、福井県の小浜市も有名で子どものやる気を伸ばすことをやってきた。そして、重量ベースで有機の率をかなりあげることを提唱して「無理だ」と言われた。さて、これは、2013年の数値だが、JAS認証ではないが、市内が有機の野菜果実が重量ベースで今治市が7.7%、北杜は0%。一方、無農薬は今治市の3.1%に対して、北杜は10.3%と。かなりいけている。
有機給食ブームに流されるな~北杜市は水源としての自覚から循環を柱に
いま再びオーガニックがブーム的になっている。それは、いすみ市がきっかけだと思うのだが、地産地消が着目されている時代はそもそもおかしい。「SDGs」や環境負荷を減らす中で「カーボンゼロ」とかが言われているが、これから有機給食を始めるときに本当の目的は何か。それは、まちづくりのための手段のひとつとすることが大事であると。先程の松川町さんの説明が詳細であってなつかしい。私も最初1月は伝票を見るのに寝ていない。ひたすら高値安値を全部調べてやってきた。ということで、まちづくり全体で考えなければならない。いま、地産地消ステーションで47%までなっている。
さて、有機に関しては、生産リスクが高いので価格を1.2~1.3倍は高くしているのだが、それで、学校に納品しているが、有機の率が100%にすれば「もっと高く」と言ってくると思うのだが、まだ、10%程度なのでプレミアムが付くと。そして、これを拡大するには流通の見直しも必要だと。つまり、その地域でまちづくりをどうしたいのか。ただまわりが行っているからだけでやると絶対に失敗すると。
さて、水資源の上流部に住んでいる。南アルプスの天然水。世界に誇る水の山を守りつなげると。そして、畜産排泄物で地下水汚染につながる。昔は循環していたが、化学肥料が使われ、畜産物の循環が難しいと。生ゴミも単価的には燃やしたほうが安いのだが、循環農法の一貫で有機給食をやっている。
次に農産物のピラミッドだが、現状の0.5%をみどりの戦略では25%にまであげようとしているが、慣行が96%を占めていると。北杜市は、簡単に言うと水田3,000ha、うち、減反が1,000ha、畑が2,000haなのだが、うち有機JASが49.4ha、有機JAS認証を取得していない有機実践が49.7ha、特別栽培農産物が60.3haということで、慣行が4,990haで96.9%だと。全国的には有機で移住したい人が多いのだがそれでも今程度である。
次がコスト。松川町さんと同じように現場の方と僕がハブで話をしてきた。値段差は慣行に毛がはえているくらい。松川町さんのを見ると地元農家から「上げてくれ」と言われてしまう。とかく、農家は「子どもに食べてもらいたい」だけの思いだけで価格を下げていくと。有機をするには800万円は見せないと。いすみ市も木更津市も、うちよりもう安い。うちは1,000万円近くを上乗せしているが、コストの妥当性はある。はたして、これを行政が見るのか。流れだけだと2,3年でされてその後なくなってしまうケースがかなりあるので。
地元を活性化する地域間連携を考えよ
また、フード・マイレージでいうと、一度、農協にいったものがまた戻ってくるのは非効率。そして、地産地消で地域商店がシャッターもあるので、まちづくりは市民に役割があると。農家は出荷作業で7時に配達は厳しいと。そこで、誰かが流通を担うと。
安定貯蔵。いまの献立はカロリーと給食法が基準で難しい。うちは10品目をやっているが、このチャート図でみどり色が収穫時期でピンク色が貯蔵。ジャガイモとタマネギは芽が出てきてしまう。農家で保冷庫がないと芽が出てしまう。
トマトも1年中あるが、有機は天候リスクもある。いま率を10%を15%にしようとしているが、それには、オーガニックビレッジとかを農水省もやっているが、自治体連携が必要になってくる。バーター取引をすると。自治体内で地産地消で囲い込むのではなく、連携が重要なのかなと。なお、児童数がわかれば安井さんも調べているが、ジャガイモならばだいたいどれだけいるかわかる。給食はカロリー計算なのでだいたいどこも変わらない。なので、スタートは先進的なところからもらって無駄な時間を省けばいいと思う。
澤登早苗 まちづくりの連携で話をいただきました。続いて、吉野隆子さん。
愛知県・岐阜県における有機給食の事例
オーガニックファーマーズ名古屋代表 吉野隆子
たった一人のママでも実現できた有機給食
こうしたことはひとつのグループが頑張ってもできない。連携してやると大変ではないのだが、いまある参加型認証は海外のものなので、最後が英語で書類を出すとか高いハードルがあるので、日本独自の参加型認証があればいいと思っている。
で、この副島さんは、まず、種まきを依頼し、草取りにもいって、最後は葉を落として洗って重さを測ることまでやった。小さな農家では大変なのでそこを手助けするといい。給食センターの課長からは「できない理由を探すつもりはない。前に進むために課題をしっかり検討したい」と。つまり、ひとつ積み重ねることが大事である。愛知県ではあちらこちらでできているので後押しをしたい。
たったひとりの新規就農者の思いで始まった有機給食
もう一例が岐阜県白川町。人口が7,644人。給食センターは一つ。そこの有機ハートネットの長谷川泰幸さん。横浜から移住。子どもが4人いる。有機新規就農6年目で、2019年に栄養教諭にいったら受け入れてもらったと。
もともと白川町は、干し椎茸、佐見豆腐、安心豚[あんしんとん]は薬を使わない会社で、朝市にもでている。2019年に長谷川さんが個人として15回。彼は有機JAS認証は取得していないが、「有機米の日」を作って、2020年に11月までに21回納入している。そして、10月からはゆうきハートネット名義で納品している。「有機米の日」を月に1回。地元でやっている農家を連れてきて生物多様性の話を子どもにしている。慣行との差だが、白米は340円だが、実勢が650円。
さて、給食は地域が大きく関係している。地産地消では地域の人が出しているので、農家が激減している中でどう存続するのかで農家が気にしている。有機にさえすればいいではなくてバランスを取ってビジョンを持つことが大事である。
ボトムアップで取り組むには関係性を構築して理解を取ること。いい関係性。行政はもちろん、給食関係者(センター、栄養士、栄養教諭、調理師)、そして、地域の農家と保護者。それを丁寧になっていかないと勧めにくい。
目指すことは地域がよくなること。地域の子どもが暮らしていることに大切なこと。学校給食で動いているお母さんがいるのにどこにいってしまったんだろうと。自分の子どもが卒業すると活動を辞めていく。地域の人たちとつながり自分の活動に活かしていく。
いま、オンラインで週に1回こうした勉強会をやっているのだが、他地域のことを咀嚼して活かすことが大事だと思っている。みなさんがつながって生かしていけるといい。
澤登早苗 今日も、つながっている方で問題ない方は、交換ができるようにしたい。
質疑応答と議論
澤登早苗 宮島さんに聞きたいところだが、PGSについて行政が基準をどうするのかと。それともっと有機の希望が出てきてもいいのではないかと思うのだが。松野さんは自分で、松川町は首長が。もっと要望があるのだろうか。
松野亮子 有機学校給食を望む町民の声はない。町全体としてはまだ数が少ない。「いただきます」の映画の上映会も有機を食べることで身体も代わるポジティブなものなので見てもらいたいのだが、現状は厳しい。
宮島公香 学校給食の現場からは栄養士からは残食が減ったという声がある。お米は11月に丸ごと出した。玄米も出したので、メッセージも入れた。ただ、うちも映画を「いただきます」でサテライトでやると言うのだがなかなか忙しくて来れないというのが反応が多い。
浅川祐介 保護者からの声がないことはない。放射能の話もあったので。先程の吉野さんの話と同じで波があって、定量的にあるかというとそうでもない。調理の現場からはない。
吉野隆子 関係性が大事であるという話は、あちらこちらから聞く。ただ、都市型なのかなと。白川町ではおかあさんからの話は聞いていない。
浅川祐介 人口の1割が子ども。1食あたり10円程度。山梨は米が日本一高い。地産地消のためでオーガニックで給食をあげなければというところがあるが、サプライチェーンの中で地域の商店もおぎのとか、いまローカルスーパーがイオンと戦っている。全国が同じなので、その商店の価格帯はあうと思っている。米を有機にするのはつらい。野菜はできる。
澤登早苗 先ほど虫の問題があったが、松川町はどうだろうか。
牛久保二三男 虫ですが自然農法の先生だと畝に来るカエルとかクモが住むので捕食していただける。玉ねぎとか。アマガエルがいっぱいおったり。ニンジンはアゲハチョウくらいなので。あまり気にしなかった。大根や白菜、赤カブは作っておりますが、旬のときに作ると。すると野菜も栄養価があって虫も来なくなる。無理して作ると無理があると。キャベツとか菜葉菜系はちょうちょが飛んでいるときには作らない。
澤登早苗 有機への偏見とありましたが、いまは緑肥とか技術開発されたりインセクタリープラントとか、技術で解決できるのかなと。虫が増えてきてので。いままで森野さんは現場と離れているので。
森野 虫を子どもが発見しました。そして、先生が子どもと教室の段階で騒がず騒ぐ親がいなければ問題にならない。生徒が騒ぐと給食センターにいく。100%虫を入れないのは難しい。その対応。親にどう教育するかだと。
澤登早苗 畑に虫がいて当たり前だと。そのためにはまず親を生き物調査を入れたりしている。理解促進のためにやっていること。食育のようなプログラムが必要。
吉野隆子 2010年から生物多様性、生き物調査で最初、虫が嫌なのだが、生き生きするのがまず先生。ナゴヤダルマガエルが100匹見つかったりする。そして、残食率が低い。白川町の栄養教諭である彼女曰く、虫がいてショックを受けた子どもがその後に食べられるなくなってしまうことが心配だと。
[注] 名前から分かるように、名古屋の位置する東海地方から近畿地方に限定的に生息するカエル.環境省レッドリスト2020「絶滅危惧ⅠB類」、大阪府レッドリスト2014「絶滅危惧Ⅰ類
食育が大事なのだが、いまのサツマイモ掘りとかのプログラムを替えなければ駄目だと。北杜私立保育園で15㎡で実践している。そこで食べると。トータルが大事だと思う。
松野亮子 米はカメムシで斑点米。色選をかけているがさらに炊く前に手で選別している。手のひらに乗るぐらい見つかるので人件費の無駄。辞めたらどうですかと10月に提案した。センターが問題になることを恐れている。農産物は自然なものなので、食育に力を入れるべき。生産現場にも来てもらうことが大事だと思っている。
澤登早苗 私も学校で有機野菜を作って教えているが、そうしたことをやると生徒の虫に対する抵抗がなくなっていく。いま、野菜が食べられない学生が増えているが、愛知県はアンケートが効果的9割と。給食のプログラムが品目を多くしなければならないと。さて、そこも加工品を入れたり。有機加工品は取り入れられているのか。
浅川祐介 加工品は入っているがJAS。ゴボウは調理現場でできない。地域の加工施設と連携していっている。冷凍ほうれん草も価格変動で使ったりする。攻撃されているように行政は感じやすいので仲良くなって、どう不足しているとなればやれます。
澤登早苗 かぼちゃもカットしないだとだめだと。
浅川祐介 かぼちゃはミバエがあるので。
澤登早苗 センターで扱えないものを行政なり市民が評価する。
松野亮子 宮田さんが自分の評価を得たいということで給食センターに感想を聞いたところ、美味しかったという感想が多かったということで農家さんは励みになったと。その農家が教育長にいきあったときにお礼を言われたので嬉しそうだったのが印象的であった。また、町長も「有機米がわかったと子どもがいっていた。分かる子はわかる」と言っていた。栄養価も違うはずだと思うので大切な評価だと思った。
宮島公香 松川町は来年は国の[みどりの食料戦略の]支援金を使ってやっていきたいが、学校の方でも有機の授業を取り入れてもらえないかと。届け隊の人に栽培指導にいかせてもらえるといいと思っている。最後に、久保田さん。お子さんも学校に行っているので。
久保田純治郎 子育て中の人間ということで、有機農業の給食ということで、いま、それぞれの立場の人がよりあって輪ができつつあるのだが、そこで欠けているのが保護者の方の理解がいまひとつないこと。消費者に理解を進めて寄り添っていただく。我々は生産量を確実に上げて仲間が増えていくことが目指すところだと思っています。
浅川祐介 みどりの食料システムでかなりお金がばらまかれるので、我々も使う以上は文句は言いたくはないのだが、お金があるから進むのであっては所詮起爆剤でしかない。なので定着させるのが大事だと。そこで、北杜市としては、他がやっていないことをやらなければなと。そして、北杜市では有機といっても真冬が凍るので九州や北海道とない時期に産地リレーをすることで全体をよくしたいと。よく、東京が「地産地消とか、江戸野菜」とかでもりあがっているのだが、それよりもあんたたちは買えよと。
吉野隆子 有機の学校給食は課題がたくさんあるのだが解決していけるのではないかと。次にいける気がするが、関係者全員の理解があってやっていけるといい。そうしたことができて初めていい形ができると思っている。今日の人たちは関心のある人なので、参加型認証も吉田さんが言っていた、「いい日本型」ができないと農家が納入できない行政ができてしまうので。
澤登早苗 情報のネットワークだけでなく、いろんな人を巻き込んでいくことの大切さがわかったのではないかと。今日は、オンラインで本田恵久さんがイギリスからもご参加いただいている。オンラインでつながれるのはいいのだが、畑で稲につながらないとわからないこともあるので足元に大切さを向けながら、子どもたちが喜ぶ地域振興につなげていきたいと思っている。
【画像】
稲葉光圀氏の画像はこのサイトより
矢口一成氏の画像はこのサイトより
宮田兼任氏の画像はこのサイトより
安井孝氏の画像はこのサイトより
久保田純治郎氏及び牛久保二三男氏の画像はこのサイトより
吉田俊道氏の画像はこのサイトより
副島美貴氏の画像はこのサイトより
沢登早苗博士の画像はこのサイトより
廣田裕之氏の画像はこのサイトより
編集後記
本稿は2021年12月20日(月)9 :30~12:00にかけて行われた「学校給食への有機農産物導入:先進事例に学ぶ」 オンライン研修会の講演内容を整理したものである。登場する人がほぼ重なるが、こうした情報を意識的に載せているのは、このサイトもそうしたつながりの経過となることを願ってのことである。
「(日本の課題として)社会的連帯経済全体で活動する全国ネットワークが欠けていることがあげられる。連帯経済という名前である程度活動を行っているのは、アジア太平洋資料センターだけであり、同センターは東京にしか拠点を持たず、また数多くの事業の一つとして連帯経済を推進している関係もあり、全国各地で連帯経済の推進活動を行うにはほど遠い[p175]。
生活協同組合や産直提携といった分野においては、日本は世界をリードする存在であり続けたが、創設メンバーが引退後、次世代がうまく育っていない。1960絵年代には既婚女性は専業主婦となるケースが多く、余った時間を活用して生協関連の様々な活動を運営できていたが、結婚・出産後も働き続ける女性が増えて生協の運営に関わりにくくなる一方、長引く経済停滞により子育て世代の収入が減り、食の安全に十分なお金をかけられなくなった家庭増えている[p181]。
地域通貨についても、日本はかって世界でも有数の地域通貨大国だったが現在ではその事例のうちの大多数が活動を休止してしまい、かつての活発さが見られなくなっている[p170]。1999年5月にNHKBSで「エンデの遺言」が放送されると2001年から2003年頃まで地域通貨ブームを迎える。その様子を取材した外国人研究者などにより、地域通貨先進国として日本は紹介されたが、今ではいくつかの事例が細々と運営されているだけになっている。一方、スペインでは少しずつながら理解が増し、事例が成長を続けている。日本の課題は、全国ネットワークの欠如である[p171]。地域通貨ブームの時期も事例同志での横のネットワークが生まれず、事例同志の交流が進まなかったことから運営面でのノウハウ交換があまり行われず、それにより急速に運動が衰退していった[p172]。






