野上農林水産大臣挨拶 CO2ゼロエミッション、有機農業の拡大、化学肥料の削減等。生産から流通まで。活躍されている人の意見を聞いてやりたい。取り組み面積の拡大でマーケットの拡大、展望を聞きたい。さて、世界では過去10年で2倍の12兆円。日本も過去8年で4割、面積も4割増加している。温暖化防止と生物多様性にも大事である。日本のオーガニックの潜在的なポテンシャルを考えてもらいたい。
農業環境対策課横地洋課長 まず、オーガニックマーケット、そして、緑の食料システム戦略について説明をしたい。そこで、論点を提示したい。その後、5名の講師から展望をもらって議論を深めたい。本日は、大変多くの方が申し込んでおられる。録画のうえ後日アップする。
議題① システム戦略とオーガニック市場
安岡澄人審議官
現在は0.5%だが、2050年を25%、農業もリスクで50%、化学肥料の使用料も30%をIPM等を使って削減していく。土づくりもしっかり行う。そして、有機農業を25%まで拡大する。このうち23,500haを2030年で63,000haにする。そして、2040年代までに技術を確立し、2050年で100万haと。
日本の気象を考えると病害虫で手間がかかると言われていたが、現場では安定的に実現している農家もいる。技術体系も体系化している。やりやすい品目も出ている。現場の農家の実践技術を体系化して、他の地域に横展開することが当面であると。その間に様々なイノベーション、除草ロボットや防除のための発生予察や天敵、抵抗性品種で多くが取り組める技術を確立。普通の農家が経営として取り組めることに向かっていきたい。
さて、当面の検討課題として3点ある。イノベーションもあるのだが、需要、技術、そして、地域が考えなければならない課題である。それを7月、8月のテーマにしたい。
まず、売れなければ仕方がない。現場では技術が進んでいるのでどう横展開するのか。3番目は個々の農家で点であったのを面へ。さらには地域へと。そして、環境保全で地域で産地を形成したいと。
いま、2018年で12兆円あるが、半分が米国。米国が5.8兆円(525億ドル)。ホールフーズ等も出てきている市、コストコも拡大している。スーパーチェーンでもミレミアム世代が拡大していると。
フランスでもカルフール等の普通のマーケットで売られ、公的調達でも進んでいる。スイスでは、コープが中心となっている。日本でも大臣も話されたが過去8年で2009年から8割と。ただ、一人当たりの支出はスイスの4万円、米国の16000円に対して、日本は1400円、これは、まだまだ広がる余地があると。
実際に、9割以上の人が知っているが、週1回が2割を切るくらいである。野菜が62%、米が48%で加工品には広がっていない。
購入の動機のイメージは安全が中心で86%、環境が62.5%。海外は環境なのだがまだまだ日本は弱いと。それを理解していただくことが鍵になる。土壌の炭素貯留、生物多様性も水田で大事だと。そして、有機食品を買う人は環境への関心が高い。そこで、このニーズが大事である。
また、スーパーの取り組みが増えてきている。ただ、いろんなルートが出てきている。そんな中で鍵となるのが価格である。4~5割が例なのだが、それでも買う人が2.3%。では何が鍵なのかといと流通コストの存在である。いまは小ロットで宅配便なので、これをなんとかすることで農家の手取りも確保しながら、手頃な価格での供給ができるのではないか。
さらには世界市場。海外に欧米向けのお茶や醤油が増えている。果実45.9%、豆は26.4%が輸入である。そこを代替するだけで相当なニーズがある。そして、マーケットの見通しだが、2030年で3,200億円。週一回摂取する人を2017年は17%だが、25%にすると。
そこで、頭の整理をしたい。三つの視点があるのではないかと。
オーガニックの価値や効果等の国民理解を進める。全国も大事だが生産だけでなく地域で消費や加工をするところ。地場の加工、給食が大事。そし て、3番目は購入できる場所、機会を増やすと。品揃えとして提供できるものを加工を含めて広げることが重要なのではないかと。で、本日の勉強会だが、有機の価値をどう伝えていくのか。長期的にどう需要拡大するのかをテーマにしたい。
ビオセボン・ジャポン株式会社商品部マネージャー 伊藤章彦氏
横地洋課長 様々な論点があるが、講演に進んでまいりたい。まず、ビオ・セボン・ジャポン。2016年にフランスのビオ・セボンとイオンとで合弁企業を立ちあげられた。農産物を調達している伊藤章彦氏。設立で5年になるが、東京、神奈川に26店舗を展開。この7月にも27店舗目が用意されると聞いている。イオン株式会社を含めた動きをお話いただきたい。
安全だけでは売れない・量り売りも泥付きニンジンも敬遠
伊藤章彦 仕入れを務めさせていただいている。ビオ・セボンの「キーメッセージ」と「ミッション」だが、オーガニックを日常にする。おいしい、品質が高いものを日常的に購入できる社会を構築するである。社名だが、フランス語では「ビオ」が「オーガニック」「ボン」は「おいしい、良い」という意味。そこで、「ビオ・セボン」は「オーガニックっていいね」という意味である。フランス語で言うとかっこよく聞こえる。そのことが大事だと思っている。フランスを中心140店舗あるが、パリ市内には、それ以外にも多くある。ラヴェクエールが1948年、ナチュラリアも1973年と古くかある。
大切にしているミッションは7つある。そして、2016年12月にまず麻布十番に立ち上げた。そこで、販売状況だが大変である。まず、商品が足りない。地産地消ではなく全国からのものを東京都と神奈川で販売しているのだが、365日間、モノを並べることが大変である。そして、生産者との取引を大切にしており、旬のモノを扱い、店頭で旬を感じてもらいたいと。年間に1000アイテム。店舗によって100~250アイテムを日々扱っている。
先日、アンケートをしたのだが、503人なのだが、店舗では購入者の48%が農産物、加工品・レトルトが29%、お菓子デザートが24%で、その販売金額も年々増加している。そして、青果物が好調なところは全体の売上もいい。
とはいえ、ただ、店頭に置くだけでは売れない。うちは、チラシはまかないので、鍋セットやSNSと連動した商品紹介、高くはない旬のアフォーダブルプライスを売りに、店舗に来店することでしか得られない体験をあの手この手で用意している。
また、原則だけでは売りあげにはつながらない。そこで食材の使い方を伝えることが必要である。
また、最初は、フランスを見本に計量販売をしてみたのだが、お客さんから不評で袋販売にした。理由は衛生面。また、矢際にさわるのを敬遠される。また、20~40代なのでたくさんは買わない。少量だと。さらに、土付野菜が思っていたほど売れない。逆に洗ったニンジンとニンジン葉を切り分けると売れると。それは、都心では生ゴミが捨てられない。洗い場がないこともある。そこで、ダイコン1本、キャベツ1玉も置いてはいない。必要量だけにしている。逆に普通の店にはないビーツをおいている。
有機では、野菜の大きさや曲がり具合もあるので、このおおらかさとのギャップが継続課題である。「自然と友達」の情報で、虫が出て来ることもあると消費者に伝えている。売るためには加工食品も大事である。また、ロスをなくすため乾燥等も考えている。
こと有機の良さを伝えることでは競争ではなく皆で汗をかく
現状からすると、圧倒的な潜在需要よりも量が足りない。そこで、求められる生産拡大が必要である。そして、きちんと儲けることが大切である。都市と農村とのつながり、景観や環境保全、地方の社会経済基盤の維持への理解も必要。そして、産地と距離があることから、協働での配送や鮮度の維持で新しいイノベーションが求められる。
そして、今後の取組みだが、現状で重視する価値としては、農薬がないので安全や家族の健康が多いのだが、生産者の働き甲斐ややりがい、自然生態系の保全等、この氷山の下にある見えない価値をどう伝えられるか。一方で、ビーガンの野菜餃子やカップラーメン等の商品も登場してきている。社会の構造や仕組みが(コロナの中で大きく)変わっているので、それにも挑戦していきたい。買った後の体験価値をどう共有するかを模索中である。
最後に、まとめだが、生産するのも大変だが、販売するのも大変であると。そして、競争なのだが、これからは、広げるところは、競争ではなくみんなが一緒になって汗をかくことだと。有機の良さや大切さを皆に伝え、アフォーダブルに手にとれるようにしていくことだと。
伊藤章彦 子育て世代が多いとか地域の住民構造を考えて品ぞろえを決めている。
横地洋課長 産地でと店頭でのロスを解消するうえで工夫されていることとは。
伊藤章彦 店頭で出きることと店に入るまでがあるが、店頭ではお惣菜もしているので店内で加工に使っている。また、すぐに使わない者は冷凍すると。
横地洋課長 最前線のお話を聴かせていただいた。
株式会社土佐山田ショッピングセンター代表取締役 石川靖氏
地方で生き延びるために付加価値にシフト
横地洋課長 次は高知県の土佐山田のスーパーの社長、石川靖さんにお願いしたい。当初はディスカウント型のスーパーだったが、その後、質を重視するようにされ、高知のオーガニックとの協業活動もされている。
実践作物で、例えば、「まんじろうカボチャ」があるのだが、B品がでてくるので、これを「まんじろうプリン」にしている。また、ゆずの産地なので、ゆず果汁を使ったお菓子を使っている。また、有機農家、徳永常恭氏が、ゆずを使ったぽんずを開発。コロナで出せないニンジンもドレッシングにしている。
最大の特徴は「CGC」にボランタリーで入っていること。共同でコストダウンを図っているからできている。CGCグループとは、コーポラティブ・グローサリー・チェーンの略で、小規模・中規模のスーパーが生き延びるため、新宿の三徳の呼びかけで全国規模でまとまろうと集まった。全国で206社、4,176店舗がある。四国では12社、146店舗、高知では5社、48店舗ある。「異体同心」をキーワードに主な活動は商品開発である。
さて、高知のオーガニックの現状だが、都会ではビオ・セボンの話のようにニーズがあがっていることは地方のスーパーにいても理解しているが、高知県でも「山田のかかし市」が、毎週土曜日にある。高知のいけ地区で開催されている。オーガニックフェスタも人気のイベントで冬に開催されている。ここに四国CGCも出店している。
しかし、普段の買い物の場であるスーパーではオーガニックは手に入らない。需要があっても安定的な販売先が限られている。店舗の側からしても供給が不安定なため継続販売が困難である。そして、生産者が直接センターや店舗に納品するため手間がかかって物流コストも高いと。
静岡県の「やさいバス」の仕組みをCGCと組み合わせ物流問題を打開
ここで、千葉康伸さんとの出会いがあった。高知の山下寛一さんの山下農園で実践された後、神奈川でNORAをたちあげ4haを有機農業をされている。彼が話題に出したのが静岡の「やさいバス」の話である。この話を聞いてCGCの加盟店がバス停になると発想した。CGCの辻社長も聞いており、参加している。つまり、目的は有機農業生産者の支援、CGC加盟スーパーに対する安定供給、そして、消費者ニーズへの対応と市場拡大と。
そして、その手段は、生産者の栽培計画と各店舗での販売計画を連動させて安定供給を実現。次に、CGC加盟店を集荷拠点にして既存の物流網の帰り便で集荷してコストを低減する。そして、4社15店に有機のコーナーを設ける。そして、クラウドを用いた受注の仕組みも、はるひ畑の杉本和也氏が構築したと。
現在、13名の生産者に対して、スーパー側は15店舗(サンプラザが7、サンシャインチェーンが4、土佐山田ショッピングが3、末広が1)。この写真は山下農園が本山町から軽トラ来てスーパーにおいたところだ。ここから翌朝には各スーパーに行くと。2020年5月からスタートしている。
まとめとして、「高知ものべ川有機農業推進協議会」のオーガニックとCGCとの連携によって流通ネットワークのひとつのカタチができたと。消費者は近隣のCGC加盟スーパーで購入できる。こうしたオーガニックの拡大は地域の環境保全に貢献していくと。
横地洋課長 質問だが、非常にユニークな取り組みだが、これは高知だけでできたのだろうか。それとも他地域でもできるのだろうか。
石川靖 静岡県の「やさいバス」の仕組みがベースなので、きっかけさえあればどこでもできると思っている。
オーガニックファーマーズ朝市村村長 吉野隆子氏
横地洋課長 次はオーガニック朝市村。2004年から名古屋の栄の「オアシス21」という都市公園で毎週末に有機農業者が販売する朝市村をやっておられ、販路拡大に取り組んでいる。愛知県はもとより岐阜県の白川町も相互情報交換をしていると聞く。単なる販売の場にとどまらないと聞いている。そこで、将来展望をお聞きしたい。
販路がない有機農業者を応援するために朝市を立ち上げ
2002年にこの第三セクターに名古屋市の職員が出向され、当時の市長から「朝の賑わい」「名物を作ってほしい」と言われたと。確かにスターバックスもあるし、朝のにぎわいということですぐに朝市を思いついた。有機でやるしかないと。2004年はまだ有機がさほど知られていない時代によく思いついてくれたと思っている。
さて、それまで私は15年も有機農家の応援をやってきたのだが、生産しても販路がないということを耳にタコができるほど聞いてきたし、販路ができたらと思っていた。さらに、この自治体職員さんから、「長く続けられるように」ということで、オアシス21と朝市実行委員会で「共催」にすることで場所代を支払わずにできている。私が思いつかないことだ。遠くから出荷のために来られる人もいるので高速代はかかるのだが、出展料は1000円。もちろん、出展料だけでは運営ができないので当初10年は私はボランティアでやってきたのだが、現在は農家側からの申し出で机1本2000円にしている。本当は借りるには万単位のお金がかかるのだが、この価格が基準になっている。
小規模家族農家がJAS認証を取らずに販売
実際にお客さんとして「有機」ということで来られる人は少ない。食べて美味しいからと。今もそれが多い。そして、最近は給食を有機にしたい人が農家とのつながりを求めてやってきていて、朝の6時すぎには並んでいると。そして、コロナの中で注文販売も始まり、名古屋市内だと500円で当日の夕方までに届けてくれると。
メンバーの農家はすべてが家族農家、65の専業農家。うち、JAS認証を取得しているのは1軒だけである。この農家は大阪や東京にも有機宅配しているため。JASが必要である。畑の状況に応じて1回あたり15~35農家が出店する。全部、私が検査をしているが、消費者も巻き込んでできないかと考えている。
朝市村は家族農業が中心なので、納得した人が(JAS認証がなくても)リピーターになると。もちろん、信頼性の担保が重要だが、JAS認証を取得するのも大変なので地域の農家が活用しやすい制度を検討していただければと思っている。
ここに来るには交通費はかかるが送料はかかっていない。そこで、手頃な価格になっていると。近くにはミシュランに掲載されているようなレストランもあり、そこのシェフが「もっと値段をあげた方がいい」といってくれているのだが、農家は「いまでも大丈夫」と言っている。3時間での売り上げは100万円前後で、地元の小規模・中規模スーパーの平日の1日の成果物の売り上げと同程度である。最高の売上額は2時間で20万円だが、それ以上は前日に準備できず、途中で品がなくなったと。事務局は売り上げから歩合ではもらっていない。
2006年に有機農業推進法ができて、2008年から国の支援事業が始まって、それ以降、参入促進や啓発にも関わっている。また、体面する中で有機就農の支援がないことがわかり、2009年から就農の相談も受けている。10年が経つが、景気が悪いと増えるし良くなると減ると。月に1回のこともあれば、1回に2、3人来ることもある。そして、研修機関になってからは岐阜県にも送り込んでいる。10年で40人以上。メンバー農家が数件で、朝市のメンバーの半分以上を育ててきた。そして、確実に有機で就農したい人が増えていると感じている。
18年以上の実践で見て来た有機農業の効果
18年以上やってきてマーケットを通じて実現できることをいくつか実感しているので述べたい。第一は、新規就農した農家の販路開拓・マッチングである。小売店や卸り業の人も来て商談している。フレンチやイタリアンのシェフもきて年間100万円以上買っている。
実現できる2番目が中山間地に就農した有機農家と都市消費者とがつながり交流することである。実際に、これだけ都会の消費者が生産者と話をしたがっていることが、実際にやらないとわからなかった。家族の事など、野菜とは関係ないことを伝えることの方が効果があると。
3つ目は消費者が農家で農業体験する畑の入り口になること。東京からも通ってきている。
4つ目は、農家と消費者とが学びあう場。先日もあるフェスタを平日にやったのだが、「ここに来る消費者は良く農業のことを理解している。朝市があるからだ」と言われた。新規就農したばかりの農家は、お客さんに育ててもらっているのだが、お客さんも有機農家に育ててもらっているのだと。
5つ目が毎週開催することでオーガニックを日常にすること。最初から月2回することになっていたが、なんとか毎週開催したいと。そして、朝市の野菜だけで生活することを2009年にやっと実現できた。毎週もやったら売上が半減するのではと心配されていた人もいたが、実施してみたら、倍以上になった。だいたいが前日に収穫。そして、有機野菜は日持ちがいいので大丈夫であると。
6番目は農家が納得がいく価格で情報を載せて販売できること。安売り合戦はしない。誰もが生活があるので、私が見て回って周囲よりも野菜が安いときは一緒か高い値段にすると。
7番目は研修から就農後のサポートに至るまで新規就農希望者への支援。
8番目が仲間の有機農家と切磋琢磨しあうことで技術が磨けること。有機農家は点在しているのだが、他の農家が出品する農産物を見ることで反省したり励みになったりしている。実際に始めた当初よりも非常に質があがった。
2019~2028年は国連家族農業の10年だが、9番目が様々なカタチで小さな農家を育てると。
10番目は、子どもがボアンティアとして働くことで食についての知識を深め、責任を担うことで成長していること。実際に農家が販売しているとそのブースを手伝ったり、ミニトマトを食べたりしたりと、それがそのまま食育になっている。ファーマーズマーケットで新規就農した人が地域の新しい力になっていると。そして、新たな新規就農者たちを惹きつけていると。
最近聞いた嬉しい話を最後にしておきたい。ある新規就農した農家は、そこの地域は集落営農をしていて田圃を借りれなかったので、オペレーターとして引き受けていたのだが、最近、地域で就農したので彼に対する理解が広がったのか、有機で若い人に頼むならば全部有機に転換してもいいとの声が地域の人からでてきたと。これも地域で信頼を得た結果での話である。今日は、流通がテーマだが、今後、耕地面積を増やしていくとのことなので、希望を感じた話なので最後に話をさせてもらった。
横地洋課長 大変に元気の出る写真をいただきました。質問で名古屋ではそれ以外に有機農業向けに自治体からのサポートがあれば教えてほしい。また、有機JASを取得している人と取得していない人がいるのだが、その場で違いがあるのかどうか。質問にお願いします。
吉野隆子 就農相談の場に東海農政局の人、新規就農のセクションの人が来ている。私は制度のことは詳しくないので助かっている。また、愛知県の担当の人も来ている。JASについては、量がJASがひとつしかないので違いができくい。見た感じでは差がない。
株式会社坂ノ途中代表取締役 小野邦彦氏
横地洋課長 小野さんは「100年先の農業を」というビジョンで株式会社坂の途中を設立され、オンラインサイトでも販売。少量、不安定な新規就農者のものを扱われているが、野菜セットはこの2年で4倍。提携生産者も1.5倍に増えているとお聞きしている。オーガニック市場の現状と将来についてお聞かせいただきたい。
小規模で流通に載らない新規就農者の農産物を扱う
で、なんでしているのかというと多面的に魅力的なのだが、僕は環境問題が入り口で、どうしたら(世の中が)シフトできるかが気になって仕方がない子どもだった。で、将来は有機農業を広げることを自分のテーマに決めて2年サラリーマンをしていまの会社を始めたのだが、なかなか既存の農家が変わっていくのは難しい。根性ではなく植物病理の生理を全部を抑えてシフトしようとなると勉強しないとなかなか大変や。都会ではやりたい人が常におる。ほっておいても有機農業をやりたいと。その人たちが経営が続けば広がっていくは。けれども、現実にはとどまってしまう人が多い。どうしても規模的にも小さく、少量不安定で一般の流通には乗れず、一方、近所の直売所では「孫にこずかいやるのでいい」と言って、(廉価で出しているお年寄り)と競わされて喰っていける価格にならないと。そこで、やむなく夜にバイトをして体を壊す。あるいは、精神的に追い詰められて自殺すると。これが、農業回帰の現実なわけです。少量でもまっとうに生活できることを挑戦している会社であると。
小さくてもいいNPO的会社から社会的インパクトのある組織へ
で、会社の沿革っぽいのですが、2009年に操業し、イメージすると2013年までは「コミュニティビジネス期。NPO的で小さくいいことをしている会社と。これを数年やっていると褒めていただくことともに、社会的インパクトの小ささにやるさなさを感じて、途中からベンチャービジネス期と。社会的インパクトがある会社にしようと。それで2014年に4500万円と、2016年12月2億円、2019年に6億円と。いま、ハウス食品やアメリカ拠点の投資家からもいただいているし、注目してはる方もいる。インターネット通販もいま7000件もいる。海外でも普及活動をしてウガンダではJICAの金でやっていたのだが、事業化できるといま、東南アジアの山間地でコーヒーを育てている。
消費者教育を通じて消費者側の許容度をあげる
ネット通販は定期宅配。これはサブルクリプション・サービス。昔からやってきたことだが「サブスク」というと今風に聞こえると。野菜セットが年間450種類。ほんまに、冬場に大根ばかり来たら、もう飽きたになる。けれども、1週目に別の大根が来て、4週目に加賀の源助だいこん(早生種で肉質がやわらかく、だいこんらしい歯ざわりで煮くずれしにくく、煮物用だいこんの代表品種で、おでんには最高)。違うものがあれば、写真を撮ってインスタニあげたい人にはいい。で、離脱が20%以下。「サブスク」は穴が開いたものだが、うちは、集客力は未熟であってもその穴が小さいのでたまっていく商いだと。
では、これは何を狙うか。植物生理を説明して、例えば、お茶の新芽はすぐに茶色になるが、「だからすぐ食べてね」というと誰も怒らへん。「野菜の気持ちカルタ」も野菜を擬人化して、説明している。トマト君はアンデス原産だから、乾燥に強いが、吸える水はすべて吸おうとするから、湿度があると割れちゃうことがありますと。これを知っておいてもらうと中に割れてトマトがあっても不良品にならない。「ほんまに割れとる。雨降ったんか」とそれが当たりくじのようになる。とかく、ブレをなくそうとすると生産効率が落ちるので逆にお客さんの側の許容度をあげる。それが成果として出ている。
で、言いたいことで、新規就農者を見下す風潮があること。地元の主のような人が「あんな素人のものを扱って小野さん偉いな」と。けれども、新規就農の人はかなりすごいです。僕が支えてもらっている。やりたくてやっていから品質が高い。けれども少量。その弱点をフォローする。すると、スーパーでも百貨店でも取引してくれる。夫婦で高いレストランやってますという人は多い。なんだけれども、手間がかかる。欠品しまくるし。それをスマホでシェフが発注できるようにする。で、コロナ禍でも落とさない。
もうひとつが「ファーモ」をやっている。千葉さん率いるのとうちとのコラボ。ペーパーワークを情報で一元管理。農水省の有機農産物安定供給対策事業。つまり、やっている人はできるだけ畑にいて後は楽をしてもらおうと。コーヒーで森も森林減少を防ぐためアグロフォレストリーをやっている。また「本と野菜のOYOY」と。
社会環境の変化~農薬は怖い癌になりますは閉鎖的で広がらない
最後に、最近何を思っているのかをメモしてみたので。まず、社会の変化が凄い。新規就農者の市町村の誘致合戦があると。僕らの周りは新規就農者ばかり。で、聞いていると後押しをしてくれる自治体としてくれないところあると。優秀な人は移れるわけです。で、情報がオープンに流れる。なので、移住者がこれからいるところとで明暗がわかれる。
また、有機農業はいま投資家も興味あるテーマで、少し前の企業の農業参入で、わからんコンサルの口車に乗って、ビニールハウスを建てていた時代とは違う。どうせ本腰いれないでしょうが、変わってきていると。
それと、お客さんが確実に変わっている。トマトの話もそうで、僕らは、安全安心を言っておらん。ひたすら環境への負荷が小さい農業をと言っている。で、おいしいから買ってねと。どこでも美味しいとか楽しいとかは言うけれども。過去の「農薬は怖い癌になりますよ」の商売は、閉鎖的で広がらないが、楽しんでだとそういう前向きな話に乗る人は、拡散力があると。そして、高めでも買ってもらえる。
とはいえ、問題点は、そもそも営農計画が立てる人がいなさすぎ。作物を推奨している人とか、ちゃんと事業を伸ばせる人がアドバイスするべきで、登場する人物の戦闘力が足りていない。2点目として、伊藤さんが言っていることは100%同意。どう買ってもらえるから逃げてはいけない。ビビラセ商法でもなく、あれが適えばなんとかなるのメシア信仰でもなく、目の前のものを売ることが大事だと。
そして、あまりにもパワーが分散さえすぎ。今日も認証を巡る話がありますが、迷っているうちは薦められないので整理されるべき。JAS認証が果たしている役割と推進法で認証されているものの溝とか。ずっとそういう話をこの界隈はしていてエネルギーの無駄のような気がします。農法が正義になっていると。
横地洋課長 質問ですが、個々の農家さんからどうやって集荷してセットにしているのかですが。
小野邦彦 自社便もあるし、京都オーガニックアックションもやっているので、京都オーガニックアクションの集荷もあります。さらに、市場便の活用。有機農業に関わる人はかかわらないのだが、あまりにももったいないと。ついでにのっけてなとかと。で、集荷コストは仕入れ値の9~8%に下がっている。大手に比べても遜色がない。先ほど徳江さんがいらっしゃったので徳江さんがいたらそのあたりは教えてほしいと。
横地洋課長 消費者にどのようなメッセージを載せるべきかもいただいているのでパネルディスカッションでやりたいと思う。
一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会代表理事 山口真奈美氏
横地洋課長 最後になりますが、日本サスティナブルラベル協会の山口真奈美さま。持続可能な原材料の国際認証の代表理事。エシカル、倫理的な消費・流通を促しておられる。有機農業で生産された農産物を農業者に伝える。有機農業市場が拡大している欧州でのラベルの状況、ラベルの認知状況についてお話をうかがいたい。
欧米出羽の神
このままの生活を続けると日本ライフスタイルだと2030年には地球2.8個分が必要。SDGsが掲げられているが、持続可能な生産消費でエシカル消費も着目されていると。主に消費者庁が広めていると。
で、国際認証で、日本サスティナブルラベル協会では森とか海とかフェアトレードを紹介している。すべてが認められた審査者が現地の生産者・事業者を訪問する第三者がチェックする。これを総称してサスティナブル・ラベルとしている。スキーム・オーナーが第三者認証機関に依頼する。消費者はどこからきたのかわかりにくいのでそえを伝えると。認証に限らず、暮らしていくのが環境と調和されなければ難しい。で、欧米ではこの物差しを使うことが多い。水産や林業等他とのつながりが弱い。業界の垣根を超えるべきだと。
若い世代こそ認証に関心がある
国際ラベルの認知度を調査したのだが、有機JASが60.7%で認知度が高い。他は森林や水産業は10%以下。また、理由として環境にいいからが80%。意外なのは、消費者は高いよりも種類が少ないから買っていない。また、どこで買えるのかがわからないから買っていないと。
で、森林認証FSCだが、10代、20代が高い。というのは、いまの10代は学校で学んでいる。がまだ買う年齢ではないが、この5年後にはラベルがあたり前になると。さらに、10台、20代はラベルの内容を説明できる人も増えていると。
海外事例と今後のマーケットへの期待だが、欧州は伸びている。スウェーデンでは、エココーヒー等あたりまえである。とはいえ、認証とラベルがあるだけではだめで、そこには、こういう意味があるというセットでの説明がないといけない。いま、エシカルやサスティナブルを買いたい人も多いので、サスティナブル・スクールを作ってやっていると。
横地洋課長 いま、サスティナブルで若い世代の関心が高いとのコメントがあるのだが、それをひしひしと感じている事例があれば。
山口真奈美 純粋に学んでいる若者がワークショップでもラベルを知ることになるのだが、いまの日本の林業を活性化する枠組みとか。農業を支援したいという行動に起こしたい学生が増えている。そこで、ビジネスも環境に配慮したビジネスをしたい若者が増えている。彼らに答えられるようにいまのうちにしておかないといけないと思っている。
パネルディスカッション
横地洋課長 最後に時間がほとんど残っていないが、パネルディスカッションに移りたい。これから有機農業を拡大をしたいわけだが、あと5分程度だが、皆さんから一言ずつ、どういう取り組みが有効なのか。どうしたら有機の価値が発信できるのか。消費者のマインドをどう変えていくのか。一言でもコメントをいただければと思っている。
伊藤章彦 購入する機会を増やしたい。店を強化したい。慣行と敵対するものが有機でないことを伝えていきたい。
石川靖 産地で商売をしているので、農薬を使わないとか安全安心を歌っていない。地域の生態系に優しいのキャッチフレーズでやっている。スーパーの売り場では慣行野菜もあるしオーガニックもあるしと。専門店ではないので両方選べる。そういう買い物ができるところがCGCの中で増えていくことが、地方では市場が減っていくので拡大の旗は掲げられないのだが、拡大できればと思っている。
小野邦彦 一言。なんやろう。そうですね。多様性を認めるという話をあげたい。認証ありかないではどちらが本当のオーガニックというのはもういい。大規模で都市圏にまとめてだもいいし、ハンドメイドのおもろいのを地域で売っていこうもあってもいいので、いまさら関わろうという人が何が正解かで縮こまっている。それでは広まらんやな。生物多様性がベースにあるのに、多様性を排除します効率化ですとなったら、それはおかしい。おもしろがって、いろんな才能ある人で市場は拡大しいくと思っているので、多様性を認めながら日々やっていくと。
山口真奈美 先ほどの補足だが、オーガニックや有機では国産を選びたい。すると値段の問題がでてくるのだが、頑張っている生産者、世界的にも求められている水準をクリアしているのがヨーロッパでも高い認証が選ばれるので、これを両輪で生産者を後援する仕組みを作っていきたい。生物多様性で自然の摂理がないと明日を迎えられないので。
吉野隆子 教える人が減っているので危機感を持っている。教える人が減っていて、研修生の受け入れも想いがある農家が以前はできたのだが、そうではない仕組みも作っていかないといけないなと思っている。慣行農家出身で有機を目指している人も出てきている。いま2人くらいいる。親が慣行農業をやっているのだが自分は有機で独立したいと。次世代の補助金とかともらって、地域に有機農家がいないと行政も理解してもらえないので、今見ている二人もやる気があるのだけれども補助金ももらえないかもしれない。支援している人間が理解を広げるのが不足しているとは思っているが、なんとか意欲を活かせる行政のご理解をいただきたいと思っている。
横地洋課長 貴重なご意見を多角的にいただいたと思っている。しっかりと広げていくことが重要と思っている。話題は尽きないだが、時間なので次回についてご案内させていただきたい。次回は7月中下旬に栽培技術。メーリングイスとも立ち上げているので登録をお願いしたい。
小野邦彦 最後だが、質問も来ているので。推進しようとされている有機は、有機JAS取得に限らないであっていますよね。混乱していて、売ることができませんと。僕とか吉野さんとかでどうなんだろうかと。それは説明して終わった方がいいと思いますが。
嶋田補佐 農水省は今回のみどり戦略でJAS取得は経営判断。売り方によっては、JASで表示をするところもあれば、そうではなくて販売されているところもある。個々の状況に応じてと。ただ、JASがないと表示はできないので、売り方と経営判断はあろうかと。
小野邦彦 有機農業推進法による幅広ということでいいのですね。
横地洋課長 その方向のご理解でいいと思います。様々な関係者の皆様が重要だと思っております。今後とも引き続きどうぞよろしくお願いします。
編集後記
山口真奈美氏は、2020年10月17日「サステイナブル・レストランと食の展望」にも登場されているので、ご参考にしていただきたい。
【画像】
安岡澄人審議官の画像はこのサイトより
横地洋課長の画像はこのサイトより
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小野邦彦氏の画像はこのサイトより
山口真奈美氏の画像はこのサイトより






