一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事 下田屋毅氏
PIZZERIA GTALIA DA FIlLIPPO代表 岩澤正和氏
ボッテガブルー オーナーシェフ 大島隆司氏
株式会社きじま 新規事業開発室長 杵島弘晃氏
一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会 代表理事
株式会社FEM 代表取締役 山口真奈美氏
フードシステムからの危機感からサスティナブル・レストランが発動
大きく、問題は調達、環境、社会と三つある。例えば、調達では、土壌汚染、抗生物質、GMO、種の絶滅があり、環境ではプラスチックやフードロスの問題があり、社会では強制労働や低賃金の問題がある。
さらに、メンバーが自己評価できると。どこができていて、どこができていないかをサポートしていく。今はまだ20店舗だが、日本の各地域で何が問題かをやっている。
まだ、取り組んでいない、レストラン、カフェ、大学の学食、居酒屋、ケータリング、ホテルも加入できる。イギリスでは1万店舗が入っている。香港でも始まっているが、オンラインのコミュニティで1万店舗のレストランにアドバイスをしている。今は英語だが日本語でも立ち上げる予定である。そして、地球環境に関わる幅広いことに取り組まなければならない。そして、自社のサスティナビリティがどの程度であるかがチェックできる。
今、食材を選ばなければ子どもは健康になれない
また、子どもたちに何を食べさせたらいいのか。それには、感度がいい生産者が必要である。今、本当に食材を選ばないと子どもたちがアレルギー反応を起こしていく。そこで、食文化を引っ張っていくレストランでありたい。次世代のために安全な食材を出していきたい。
では「質が高い」食材とは何か。一例をあげると「経産牛」である。脂がなく筋肉がしまった赤身肉なのだが、それは噛めば噛むほど美味しい。ところが、日本では黒毛和牛が一番価格が高かった。そこで、八王子に牧場があるのだが、それを埼玉県の農家に移動してもらって、毎日あるものではないが、レストランで提供している。
また、今まで価値がなかった魚を使うと。サスティナブル・シーフードについてはまだ勉強中なのだが、漁師のところには盛んに行く。そして、未利用魚を使っている。実際に、北海道で山になっているカレイを見たりした。こうしたものをうまくお皿の1ポイントとして活用できないか。ちなみに、この写真は八丈島産のアカサバである。
そして、医療従事者応援プロジェクト。これはコロナ禍の中で、近くの病院やクリニックに対して、何かできないかということで、友だちにお裾わけを始めたのだが、計500食をランチとして届けることができた。これも30以上の地域団体と協力したつながりによってできた。
最後が地方の復興支援だ。「ふくしまみらいチャレンジ」として、南相馬は、いま仙台からの物流しかない。まだ放射能の問題もあるので福島のものを広げられないのだが、生イノシシのソーセージ、豚のソーセージを仕込んでいる。これを扱っているのはまだうちだけなのだが、復興させるきっかけになるかと思っている。
ふんだんに野菜を使いフードロスを出さない
第一だが、野菜は神戸市西区の「押部谷」の農家から、その時期の一番いい野菜を仕入れている。季節なため端境期とかで蕪がない時期があるが、それは量がないときには、野菜でジェラートを作ったり工夫をしている。
けれども、まだまだケールが余っていて減らへん。そこで、芦屋で野外イベントを企画した。当店はケールのチーズケーキを提供したと。
第3が生ゴミ。うちからは生ゴミがでない。なぜか。実は、20代、30代でイタリア修業中にお世話になったのが、グアルティエーロ・マルケージ師匠。これは2008年の写真。この年の末に他界されてしまったのだが、師匠に教えてもらったことを毎日、心の支えとして、締めてやっていると。
持続可能な食材にこだわる
そして、化学調味料、各種エキス類、保存料、合成着色料、合成香料は不使用である。
また、海を汚す石油由来の合成界面活性剤は海に出したくないので、神奈川県内の石鹸メーカーと共同プロジェクトを展開している。
では、これから会社としてどうしていくのかだ。こうした制度を初めて導入して来たのだが、そうした認証を取得した生産者の声をお客さまに見える形でお伝えしていきたい。同時に認証の比率を高めていく。
下田屋毅 杵島さんはとても幅広くカーバされていたり、岩澤さんも大島シェフも地域を大事にされていると。
肉食が気候変動に直結するため広まるビーガン
山口真奈美 世界的にはレストランの動きはどうなのだろうか。
下田屋毅 肉を食べることが、森林破壊と気候変動につながっている。そこで、日本でもビーガンが増えている。動物用の飼料を生産するために二酸化炭素の吸収源である森林が破壊されている。そこで、食では肉を食べるよりも代替え肉を食べる動きもある。
山口真奈美 下田屋さんの話もあるが、先ほど杵島さんからも丸ごと畜産物を買うという話もあったのだが、肉に関して順番にご意見を。
岩澤正和 肉のサスティブナブルに関しては、共通して言えるのが餌だ。どれだけいい環境で育てても餌で台無しになる。いろんな生産者から話を聞くのだが遺伝子組換えの餌を与えているかどうかを肉を選ぶ中で大切にしている。そのことを大切にしている生産者の肉は地域を問わずおしなべて美味しい。日本で循環農業でやっている人はほんの一握りだが、そういう生産者の肉の脂身は美味しい。現実には、金額をあげるために太らせなければならず、最後に配合飼料を与えたりする生産者もいる。そこで、たくさんの農家が食べ続けられるように応援できることとして、ジビエ、鳥。うちが、テーマとして掲げているのが餌だ。そこで、できたお肉を「いただきます」にしているので。
杵島弘晃 アニマル・ウェルフェアであれ、野菜であれ魚であれ、生産者が何を大事にしているのかを大事にしている。
山口真奈美 大島さんも生産者とのコラボがあったと思うが。
大島隆司 神戸市西区の「押部谷」から取っているが、ズッキーニではバットくらいあるものもある。毎回、それほどの量では20席ではとても使えない。一番びっくりしたのが桃。けれども、レストラン・マルケージもフードロス、生ゴミゼロにトライしていた。そして、コックさんの未来、教育にも力を入れていた。僕はいろんなレストランで修行してきたのだけれども、そこが、一番勉強になった。そこで、フードロスがあると使わなんとあかんなという気持ちになってしまう。
山口真奈美 コロナもあって誰も苦しい状況もあると思うが、逆に消費者とも近くなってきているのではないか。それが「見える化」されてきている。そして、杵島さんは数値化している。
フードシステムそのものに切り込まず気分のオーガニック流される危険性
杵島弘晃 単純に自分が気になるから。岩澤さんが言われた経産牛とか害獣の問題。なぜ経産牛が出てしまうのか。そして、オーガニックが普及しない理由は、そのオーガニックの言葉が持っている曖昧さを許容して来たからではないだろうか。例えば、あるレストランでも一部だけしかオーガニックではなく、それ以外は違ったりもするのに、ある一側面を過剰に強調している。こうしたことがオーガニックが持つ弱点である。なぜ、オーガニックが必要なのかというそもそも論、何を目指してオーガニックをしているのか。ついつい蓋をしがちなところも自戒を込めてやっていかないと、目指しているものが果たされない。つまり、数値化することは社会実験的な意味もある。
山口真奈美 サスティナブル、エシカルが広がっているが、オーガニックも少しだけ、数パーセントを使うだけで、オーガニックだと。その背景にあるエビデンスをどうやってみせられるか。どうやって見極められるかと。
下田屋毅 サスティナブル・レストランを推進していく中で、英国ではオーガニックが何なのかが明確になっているが、日本では曖昧になっている。そこで、日本の中で、どうなのかを明確にしていきたい。
会場 クレヨンハウスの岩間です。消費者からすると、あまり多くのラベルがあると混乱する。そして、2018年から日本では、オーガニックレストランの認証を国がやっている。これは世界では二つ目だと。これについての見解をお聞きしたい。
岩澤正和 そこも話をしたいなと思っていたことだ。日本では、まだ、生産者がこれからオーガニックになって欲しいと寄り添っている状況だ。今後、オーガニックにしていきたいことを目指す農家と寄り添う状況でまだまだだ。そこには世代もある。お父さん世代は農薬を使うのが当たり前。その息子世代が減らしたいと。だから、オーガニック・レストランはまだまだこの先。ただ、将来的にはオーガニックにしたいと希望している。
杵島弘晃 オーガニック・レストランと聞いて思うのは、そうすることでの目的はどこかだ。エシカルにしても、オーガニックにしても、それ自体が目的ではなくて、あることを達成するための手段だ。なので、サスティナブル・レストラン協会もその目指す目的は何かをとても気にしている。僕の中では「オーガニック・レストラン」は初めて聞いたので、それがどこに着地したいのか。制度を作った本当の理由、ゴールを共有できれば素晴らしいと。
山口真奈美 件数的にはまだまだ伸びていない。そして、名乗るためには、農水省の基準を取得しないと売れない。JASにしてもそれがなく制限がなければ、農家とつながれたが、制度化されると、JAS認証を取得したものから確実に入手して調達するという方向性になっていく。
大島淑好 私も初めて聞いた言葉だが、うちはオーガニックなものを意識的に出すようにしてはいるが、今後、そういう制度があるようであれば意識して、オーガニックレストランであるとうたえるようにしたい。
岩間 ヨーロッパでは素材の95%でオーガニックを使わないとうたえない。ところが、日本はメニューは5つ以上、重量で80%以上があれば取れる。ハードルが低い。ただし、たくさんラベルがあるよりはわかりやすいのではないか。
大島隆司 自然なものを提供しているので、これからも安心なものを提供できたらと思う。
山口真奈美 では、最後に一人一言ずつ。
大島隆司 うちは、働きやすい環境。スタッフの個々の個性を生かし、新しい人材を入れて店の新陳代謝を目指している。そして、心からナチュラルな自然の恵みを食べてお客さんが元気になることを信念に頑張りたい。
杵島弘晃 フードロスがあるから誰かが食べよう。あるいは、経産牛があるからそれを食べようという対処療法ではよくない。ディテールにこだわると本質が見えなくなる。問題は、今のフードシステムに起因している。そして、この問題を解決するには、ライフスタイルそのものを変えるしかない。そのためのライフスタイルエキスポだと思っている。ということを考えていきたい。
岩澤正和 今日、お会いした皆さんに、何かお土産を思ったのだが、とにかく、人のつながり。これを持って帰ってもらってハッピーになっていただければ。哲学的なことは杵島さんが言っていただいた。それに対して、僕は直感だったので。
下田屋毅 オーガニック・レストラン協会としてはシステムを変えることを目指している。気候変動の問題もあり、どうやってレストランが、消費者、農家、漁師とやっていくかで認証が重要なので、協会としても認証を含めていい方向に進んでいただければいいと思っている。
山口真奈美 壮大な話ではありましたが、私たち誰もが何かを食べて生かされているので、その意味でもすべてがつながっていると。そして、今回のコロナ禍でもつながっていることをはっきりと痛感した。そして、オーガニックも有機的なつながりを重視することなので。そして、今、ライフスタイルを変えないと待ったなしが数十年後にやってくる。そして、今日からまずできることは食を変えることだと。そこで、サスティナ・レストランが増えていくことが世の中を変えることになると思っている。ありがとうございました。
編集後記
【画像】
下田屋毅氏、岩澤正和氏、大島隆司氏、杵島弘晃氏、山口真奈美氏の画像は上記サイトより。なお動画もこのサイトで見ることができる。






