挨拶と自己紹介~ドイツで温暖化報道にふれて啓発活動家に
出身は大阪だがイギリスの大学に留学したくて、家が貧しいのでバイトをして留学した。それ以降、60くらいの国を転々としてドイツで会社を作っていた。いま、レジ袋やペットボトルを3つ捨てればそのうちの1つが自然界に流れていると言われている。これが1年に10万を超す生き物を殺している。今のペースでプラスチックを出し続けると30年で魚よりも海はプラスチックが多いプラスチック・ゴミの惑星になると環境省も発表している。
さらに、海のプラスチックは日光にあたると目に見えないマイクロプラスチックになる。一人あたりクレジットカード1枚分のプラスチックを摂取していると一昨年WWFから発表された。マイクロプラスチックを摂取すると乳がんになる可能性が高まると言われる。そこで、プラスチック・ゴミの問題に取り組もうと思った。ドイツではそれを使わない機材がすでに整備されているのでそれを輸入する会社を作っていた。
さて、いま、日本ではマスコミで盛んに言われているのはコロナ禍だが、ドイツとかでは、地球温暖化がトップニュースである。この星は、いまホンマにわかれ道で会社経営なんかをしている場合ではない。そう思って、気候変動を止める活動をしている。
世界では洪水と火災が多発している
二つ目が火災である。オーストラリアの火事は有名になったが、知っている人はどれだけいますか(会場の大半が挙手)。はい、ではアマゾンの火災は(比較的少ない)?。アマゾンの火災は実は人間が火をつけて起きている。その理由は僕らの日々の選択とつながっている。
日々のなにげない肉食行為がアマゾンの火災を引き起こしている
つまり、普段、口にしている肉、とくに牛肉のために火をつけている。地球上には5,000種類の哺乳類がいるのだが、うち、家畜が60%、人間が36%、両者をあわせて96%の割合となっている。こうした家畜を放牧するための場所や飼料作物のためのトウモロコシを育てるためにいま、100万種類の生物が絶滅している。こうしたことから、グローバルなデータでは世界で70%の人が肉を避けている。
また、ドイツは長野と同じで涼しい国なのでクーラーがいらない国なのだが、一昨年の7月には42.6℃となった。クーラーがなくて眠れない。そして、学校も子どもが危険なので閉鎖した。金属も膨張して電車も脱線事故を起こした。日本では浜松市でも41.1℃が観測された。観測史上最高である。ここまで熱くなると木とかに含まれている水分がなくなり、オーストラリアでは自然発火が起きた。この動画がオーストラリアの大晦日だが、まさに自分も現地にいてこの世の終わりかと思った。
さて、世界で一番寒い国はロシア、二番目がカナダだが、カナダは今年の6月29日に49.6℃となった。カナダも前に住んでいたことがあるが30℃を超えることがなかった。つまり、異常な高気温が世界中で多発している。アメリカのカリフォルニア州では54.4℃となり、米国では1月間で東京都9個分の面積の森林が焼けた。
南極の気温はどうか。昨年2月に20.75℃となった。これも初めてのことであり、アラスカでは晴れている日は洪水になっている。北極圏も38℃になった。1日に100億tという信じられない氷が解けてなくなっている。
気候変動で難民が発生~国防問題としての認識
オバマ元大統領は気候変動は環境問題ではなく国防問題だと言っている。旱魃が広がり資源が失われれば奪い合いが起こるからである。日本でも今年9月に防衛省が「海面上昇で資源をめぐる争いが活発化する」と報道した。
さて、今年の9月には国連総会に招待してもらって話をしたのだが、そこでも話題となったのは国防であった。気候変動危機そのものではなくて、それと戦争とのつながりを話す人が多かった。つまり、温暖化によって失われる豊かな自然や動物を残したいと思うのだが、最初に僕らが失うものは自然ではなく、平和である。そして、いまあたりまえのようにある平和は先に生きた人たちが命がけで勝ち取ったものである。まだ76年しか続いたためしがないものである。
もはや無関心ではいられても無関係ではいられない
環境問題を語ることは「意識が高い」とか「偉い」とかではなくなっている。無関心でいられる人はいても無関係でいられる人はいない。けれども、僕の一番大きな希望は皆が知らないことである。すごく詳しくなった人ほど「絶望的や」という人がいるが、皆が知っているのにこうなっていたら確かに絶望的だ。人間は知っていてわざとやっていることは行動を変えにくい。しかし、自分の日々の選択と環境問題とがつながっていることを知れば、お金がかかることをわざわざしなくても、日々の選択を変えることで未来を変えられることを知れば、できることから選ぶものを変えることができる。そして、皆が知れば必ず変わる。
さて、海外のメディアは毎日、気候変動の問題を報道している。そして、世界中で起きているのが子どもが学校にいかないことである。ほんまに、そろそろ無関心を止めてくれと訴えている。実は子どもたちが恐怖を感じているのは、環境問題が深刻だからではない。大人が子どもがなによりも大切だと口では言いながら、口だけで行動をしてくれないからである。「○○」のせいは同じ世代には通じても次の世代には通じない。私たちにできることは自分の信念にしたがって行動するだけである。
実は熱波の洪水や火災にあった人に聞くと、「まさか自分に降りかかるとは思わなかった」との感想をもらされる。「神様、私が何をしたというのですか」ということだが「何もしなかったからだ」よと。
深刻な問題が発生したのはマネーシステム~人間が紙切れに振り回されている
では、次になぜこうした問題が起きているのか。その根本的な理由は、人々の意識と仕組み、システムそのものにある。まず、意識の方は「強欲」と「無関心」である。映画タイタニックで主演したレオナルド・ディカプリオが言った言葉で、「かっこいいな」とパクった。
そして、システムの方はお金である。「今だけ、金だけ、自分だけ」。つまり、お金の仕組みがおかしいからである。環境を破壊する人が大金を得ていて、それを守っている人は貧しい。
いま、ドイツのキームガウ地方(Chiemgau)には面白い「商品券」がある。今日か昨日に買ったものはすべて時間と同じで価値が下がっていく。ただし、お金だけが価値が下がらない。このお金の「不老不死性」という性質がお金を神様にしてしまっている。けれども、かつて、オーストリアで減価するマネーを流通させたら人々が木を植え始めたことがある。実は景気を判断するものはマネーが動くスピードである。3倍のスピードでマネーが動けば、商売する人からすると3倍の収入感がある。このドイツのチームガウでは以前には5人に1人が仕事につけなかったのが、景気がよくなりわずか2年でホームレスも失業者もゼロになった。税収は8倍となった。病院も学校も全部タダ。そもそも、人類史ではいまのマネーは100年もやっていない実験である。紙切れに振り回されるために人々は生まれて来たのではない。
自分に優しく引き算をすれば問題は解決される
では、次の第3で、どうすればこの現状を変えられるか。答えはわかっていて、45年も社会について研究してきたイギリスの研究者が解決策を提唱している。自分と他のいのちにほんの少しだけ優しくなると。人間も地球の一部なので、自然に優しいことは自分にも優しいと。大事なのは自分が大事だということである。まずは自分自身を満たしてあげる。綺麗事ではなくて自分が満たされて初めて人は他人に優しくなれる。人にきつい人は自分が満たされていない証拠である。そこで、ヨーロッパではいじめている側にまずカウンセリングが入る。SDGsとか難しい問題が数多くあるが、ほとんどすべての問題が思いやりで解決できる。
そして、大事なことは足し算よりも引き算である。いいことをやるよりも環境に悪いことを減らしていくことの方がいい。健康もサプリメントを摂るよりも悪いものを入れないことの方がいい。そして、自由な時間も何をしないかを決めると作り出せる。
さて、温室ガスの排出の原因だが、その3分の2が電気や石炭や石油。とりわけ、多いのが電気。残りが畜産で、全体の6%がプラスチックから出ている。つまり、プラスチックと食べ物のゴミが多い。そして、フードロスの問題である。そこで、解決策としては、外食で注文しすぎない。賞味期限を気にしない。例えば、卵も1月は長く書かれているので期限が過ぎても大丈夫。ただし、古い卵を食べてお腹を壊しても僕の責任ではありません(笑)。そして、公共交通を使い、肉を減らして野菜を増やす。特にオーガニックを選ぶと効果的である。
本当の黒幕は自分、自分が動けば社会は変わる
よく人のせいにする人がいる。いま、コロナ禍から政府を批判する人が増えている。けれども、政府を批判している人も半分が投票に行っていない。政治家は票の匂いによって動いている。オバマですら国民の意向によって言う内容を豹変させている。政治は投票行動で動き、企業は消費者の購買行動で動き、メディアは視聴率で動く。そして、主張した以上、自分で選んで責任を持つと。
東北大学大学院の研究、ある試算によれば49歳以下の場合、投票率が1%下がると一人あたり7万8000円の損をすると。それは、いま投票にいっているは高齢者、金持ちだから、そうした人が優遇される政策がなされているからである。そして、投票率はオーストラリアでは91.9%もある。生活が大変な人は「投票日に選挙にいく」ことが有効である。
人間には犯人探しの本能がある。政治が悪い、メディアが悪いと自分以外に責任を向けがちである。けれども、黒幕は自分である。自分が過去に行った選択の結果が「いま」である。そして、沈黙は容認することである。これまで、調べることを面倒くさくてやめていた人も、その認識ができたら選ぶものを変えると。人に向けている矢印を自分に向けると。よく「そんな小さことで(社会が変わるものか)とせせら笑う人がいるが、誰もがやらないからおかしくなっている。一人の100歩よりも100人の1歩である。
自分軸で自己肯定感を高める~死ぬときに後悔しないために
これはスウェーデンの写真だが、欧州議会の議員と欧州の教育を研究して来た研究者と私である。ドイツでは、かつてみんなが薄々おかしいと思いながら社会の同調圧力に屈してナチスを生み出した反省から、「たった一人でも反対できる人を育てる。そして、社会の暴走を食い止める」を教育方針としている。日本はこれに対して、「○○をしては駄目」ということばかりを教えてきて「○○をする権利がある」ことを教えてこなかった。「義務脳」がなくなると自己肯定感が産まれる。日本は満足しているが40%しかない。韓国も低いがそれでも79%はある。イギリスの公的な医療保険サービスNHS(National Health Service)では、自己肯定感が低い人が医療サービスの対象となっている。
本当にありたい自分に変わるお母さんが増えていったときに、子どもは親から多大な影響を受けるので、もっと社会が明るく楽しくなる。人生は1回しかないのでもっと好きに生きていい。これまでの講演のうち、自由と権利については最近600回はしている。誰も、自分が嫌なことは我慢しなくていい。そして、この僕の話を聞いて19組が離婚したと(笑)。
さて、こういうことを口にすると「お前はお母さんではないのに」とSNSで批判される人がいるが、当事者ではない人が声をあげることに意味があると。僕は大学では心理学を研究してきたのが、赤ちゃんは満点しているときからスタートする。けれども、その後、他者と自分を比べて評価が下がっていく。そこで、人生を楽に生きたければ、自分の口癖を「わたしはわたしに」すればいい。人は口にした食べ物でできているのと同じで、人は聞いた言葉で生きている。だから、他人軸ではなく自分軸で生きると。
薩摩藩の教えでは人の評価の順序を以下のようにしていた。
1挑戦し成功したもの
2挑戦し失敗したもの
3挑戦したものを手助けした人
4何もしなかったもの
5何もせず批判だけしているもの
あと余命3カ月と言われた人を対象に調査した研究によれば、死ぬときの後悔のダントツは人の目を気にして、自分の心に正直に生きなかったことだと。心理学者アルフレッド・アドラーの「嫌われる勇気」を紹介したい。
例えば、多くの動物がいる中で木登りをしてご覧と言われたら、魚は不利になる。今のシステムはすべての人に非凡な才能があるのに、評価尺度が限られている。知能は1種類ではない。あなたはあなたのままでいい。生きているだけで100点満点である。
相手には相手なりの正義がある~寛容性と共感で人は動く
さて、こうした話聞いた後には何かできても1月でもとに戻る。そのときに頑張れるコツは何かというと無料で講演をやっていることである。言い訳をしない。人のせいにしない。できない理由を述べないと。人は、死に方は選べなくても生き方は選べる。そして、一番の問題は「他の誰かが」この星を守ってくれるという思い込みである。それが、最大の脅威である。
そして、とかく真面目な人ほど他者に完璧を求めたり、正しいと思ったことを押し付けたがるのだが、正しいの反対にあるのは悪じゃない。正義の反対にあるのはもうひとつの正義。正しさは人間の数ほどある。相手は間違っているのではなく、相手には相手なりの正義がある。「正義」は聞こえが良いが他者にも正義がある。平和とは相手との違いを見つけ、それを受け入れること。それは、思いやりで生まれる。人は正しさでは動かない。人が動くのは楽しいからである。強制されるからではなく共感するからだ。正しさを人に強要するのではなく、人は楽しい人に惹かれる。その和が大きくなっていく。3.5%の法則がある。ハーバード大学が発表したものある。だから、僕は動いてくれない人を説得するよりも、知らない人を減らすことにエネルギーと時間を使う。最後に、レオナルド・デカプリオのスピーチをみて終わりたい。
選択肢が多い社会が豊かな社会
質問(男性) 男女平等をどう考えるか。気候変動と原発の関係は
原発に関しては反対である。一昨年にも1986年に事故があったチェルノブイリに一番近づけるところまで行った。昨年は福島原発のところにも行けるところまで行ったが理屈ではなく次世代に残せるものではないと思っている。
客観的事実とその解釈は分けて語るべき
質問(男性) 気候変動が重大なことはわかったが、例えば、火災とか恐怖を煽るアクションが多い。現状を伝えているのだが、もう少しポジティブに参加しやすい。楽しく海外のアクションがないか。怖いからやらなければならないのだが、楽しい団体があるのだろうか。
谷口たかひさ 質問で話が混ざっている。まず恐怖を煽るとのことだが煽るもクソもない。自分のする活動と事実とをわけて考えないといけない。よく僕の話を聞いて「暗いのが明るくなりました」と言われるが、確かに前半の話をせずに後半だけを話すと自分でも楽だ。けれども、起きている事実を隠すことはいけない。起きている事実まで蓋をしたら、それは知ることの権利を奪うことになる。では、どうしたらいいのか。活動内容の方では楽しいのがいい。あんなのは楽しいと思われて、自分たちも楽しいと。それ以外の要素は、おもしろい、かわいい、かっこいい。いまはそうしたことをやっても、ご飯を食べていけなさそう。ボランティアで清貧というイメージ。それが逆に、一番自由そうで人に囲まれていて楽しそうで生き方としてカッコいいとなればいい。また、事実は事実で隠すつもりはない。
質問(男性) COP21でも首相が演説をされたが温暖化に消極的で化石賞をもらっている。世界は石炭火力を中止する方向性になっているのだが日本はそれを新設したり輸出したりしている。こういう政府の政策にどう考えますか。
谷口たかひさ 反対です。
質問 運動をしなければいけないのですね。
谷口たかひさ 「しなければならない」ではなくて、自分の描く未来に親しい人、政治家を応援したいがあるべきかと。
質問(男性) 政府のあり方に自分でどう対応するかというか。
谷口たかひさ 僕はそれが民主主義だと思っている。メガソーラーとか風力発電は個別に反対しなければいけないが、総論として日本の経済にとってこれがいいということは言えるがそれを誰かに強要することはできない。
成功したケースに共通するのは失敗を繰り返していること
質問(女性) 谷口さんがこうなった大きなきっかけは
谷口たかひさ 父です。先ほど、ドイツの教育は一人でもおかしいことに声をあげて社会の暴走を止めることを重視していると言ったが、まさに父がそういう人であった。ルールを変える人で変人に思われたが、子どもながらに見ていてかっこがよかった。逆に愚痴をこぼしながら表では言えない人はかっこ悪いと思った。
質問(女性) 先ほど紹介された期限付きのお金の導入はどうやって始まったのか。
谷口たかひさ ドイツで民間がやっている地域通貨。流通額で2018年で8億円くらい。地域通貨がなんとかできないか仲間で試みて結果として実現できなかったのだが、どうやって人を巻き込んでいけるのか。大きな流れになっているのがすごいなと。
実現されているということの定義だが、学校の先生から数学的に聞いた人がテンションがあがってやり始めたと。ビザカードと同じ。使うか使わないかは本人の自由。で、ゼロと100とではなくて、使える状況にはできる。もちろん、広めるのに8年、四苦八苦している。「どうやったらうまくいくか」という質問は多くの方からいただくのだが、うまくいく人に共通するのは、とにかくやってみて失敗することを繰り返す。やる前からやることを考えて一歩も踏み出せない人が一番、四苦八苦している。思いつく限りの方法をやっていると。僕もそうだ。やっている人も変わって、時代も変わって、受け手も変わるとなれば、うまくいく方法も絶えず変わる。
先に講演料をもらうよりも講演後に満足度でカンパをもらう方が合理的
質問 海外のメディアの発信の仕方。私もテレビも見ないがNHKスペシャルでも先日、分岐点ということをやっていたが、日本はコンスタントに報道されていない。欧州は公共交通や肉の問題にまで踏み込んで報道しているのか。それと、どうやって生活しているのか。
質問(女性) 事実しか伝えないが、受け取る側の意識の差があるのだろうか。
谷口たかひさ まずは知らないことが多いのではないか。今日、僕が話したことが日本国の人、全部が聞いたら政策の優先度が変わると思う。
デフレよりはインフレのある方が健全
質問(女性) 自分の中でもお話しの折り合いがつけられないのだが、例えば、コロナと経済であれば、思いやりがあればコロナがあってもストレスが抱えずに動いていくのかなと。みなさんどう考えているのだろうか。
谷口たかひさ 質問の意図がわからないが。
質問(女性) 飲食店でお客さんが来ていないで困っている。それが意識で変えることができるのかと。
谷口たかひさ 僕が思うその問題点の解決策はお金を刷ればいいと思っている。1,300兆円があるのだが、2%程度のインフレが健全とされている。時間が経つほどモノの値段があがると人は買いやすい。そして、デフレは値段が安くなるので人は買わなくなる。例えば、ここの130円の缶コーヒーが明日に100円になると言われれば誰も買わない。そして、38カ国の中で唯一日本は30年もインフレ・デフレが続いている。どれだけマネーを刷っていいかというと200兆円刷っていい。これは国民全員に10万円を毎月配っても足りる量である。間違いなく刷って配ればいい。
比較的信頼性の高いメディアから情報を得る
質問(女性) 先ほど「事実を伝える」と言われていたが、コロナのこともそうだがコロナに関しては事実がわからない印象がある。どうやって調べたらいいのか。ワクチンを打ったらいいのか打たない方がいいのか。また、事実を伝えるときに情報をどんな観点で掴んで事実だと伝えることを心がけているのか。
谷口たかひさ 情報源の明確さ。例えばBBCニュースが○○にこう発表しましたは事実である。完璧なメディアも完璧な情報も存在しないが、発表したことは事実である。情報源を明確にして、なおかつ、比較的信頼性が高いメディアの情報しか使わないことに気をつけている。例えば、コロナもこれぐらいの人が死んでいるということは事実である。死因は難しいが統計学での超過死亡と全体としての死者数の差は、第二次世界大戦以来の異常さである。そして、ワクチン接種が始まってから減っている。こうした死んでいる人間の数を勘案して決めるしかない。そこでは、打つほうがいい、打たないほうがいいとは判断は、どこにも出ていない。
視聴者の関心が低ければ報道はなされない
質問(女性) 谷口さんのことは2020年の「奇跡を起こすオンラインサミット」で知った。日本はほとんど気候変動がニュースにならないが、なぜニュースにならないのか。とても重要なことだと思うのだがなぜか。
谷口たかひさ なぜ報道されないかというと、それは視聴者の関心がないからだ。僕もCMを出したことがあるのでわかるが、まさに、鳥と卵とどちらが先になるのかの話になるだが、この国では芸能人の不倫と気候変動を比べれば、気候変動が一番視聴率が取れない。そして、スポンサーの問題もある。畜産業界や石炭業界がスポンサーだと出せない。では、視聴率合戦でなぜ関心が高まらないのかというと、これからは僕の個人的な意見だが日本が投票率が低いためだ。投票率が低いと格差が起きやすい。格差社会においては人はお金を儲けないと生命の尊厳が保てない。社会保障が充実している社会ではある程度ゆとりが持てる。日本はシングルマザーの2人に1人が貧困だが、イギリスではシングルマザーへの社会保障が手厚くいために技とシングルマザーになる人もいる。結果として、心に余裕がある。大学までも無料だが、日本の大学は260万円もかかる。離婚もそうで一緒にいたくない人と一緒にいなくなければならないので、金、金、金にならざるをえない。なので、投票が大事だと。
質問(女性) 知ってもらう活動をされているが、その先のビジョンは。
先のこととかは考えていない。僕は不器用な人間で人並みにするには今に集中するしかない。人は未来を考えたり過去を悔やんでいると活動が止まる。そうしたことをしないで努力をするしかない。時間の無駄。そこで、いまの時間をどれだけ充実させられるかだけを考えて生きている。
吉田太郎 前の講演と違って、平和のことが強調されたのが印象的だったが、国連ではどのような議論がされたのか。事例があげられたのか。
谷口たかひさ 例えば、シリア難民は旱魃が原因でスタートしたと。アフガニスタンもそうである。それと、ベラルーシの難民もポーランドに来ているのも旱魃が契機とされている。
一日1食で歩く量を増やし、よく笑うことが健康の秘訣
谷口たかひさ あいかわらず1日1食。食事も引き算を意識している。乳製品も食べない。炭水化物も取らない。砂糖、小麦も取らない。とかく習慣で食べている人が多い。お腹が空いている以外の理由で、脳で食べている。実は胃腸は空いていないことが多い。また、食べたものを消化するのには一定の時間がかかる。10~14時間はかかるので胃腸は24時間営業である。入れない時間を作ったほうが体調が良くなることは医学誌のランセットでも論文が出ている。14時間というと大変なようだが、夜に食べてから朝ごはんを抜けばいける。実は食べられなくて死んでいる人の3倍が食べすぎで病気になっている。チベットの格言で長く健康に生きたいのであれば、食べる量を半分に、歩く量を2倍、笑う量を3倍にと。
質問(女性) ヨーロッパの意識が高いのは。以前に英語の発表で環境のことを言ったら、先生から否定されたのだが。
谷口たかひさ 欧州は以前から環境への意識が高かったので、それはその先生の問題では。ただし、2018年から状況が深刻化して急に変わっていることはある。長野県も千曲川の氾濫で知事が気候非常事態の宣言をしたではないか。
質問(女性) 活動を始める前と始めた後で変わったことは
谷口たかひさ 腹をくくった。とはいえ、最悪、死ぬだけだろうと。あとは執着をしていた。この人にわかってほしいという。そうではない現実に直面しても、それを捨てるとすごく楽になる。
質問(女性) 捨てるのに苦労された執着は。
谷口たかひさ まだ執着は捨て切れていない。命ですかね。命は時間なので。1年も3分の1は寝ているので5000時間しかない。そして、最近は信念。信念を曲げてまで生きるくらいならば死んだ方がいい。あと結婚はしたい。
編集後記
本稿は2021年12月5日の13:30~16:30にかけて、長野県飯山市公民館でなされた「谷口たかひささん、環境おはなし会」の講義内容をまとめたものである。画像も以下のサイトによる。






