2020年02月28日

いただきますの上映会中止に変えて

コロナで「いただきます」の上映会が延期

 長野県小布施町では「まちづくり委員会環境を考える部会」が 2020年3月1日(日)にオオタ・ヴィン監督の映画「いただきます」の上映会と栗ガ丘小学校5年生による演劇を開催することとしていた。まちづくり委員会環境を考える部会では、生ごみの減量に端を発したさまざまな活動を重ね、生ごみ堆肥による元気な土づくり・野菜づくり・健康づくりに取り組んでいる。その活動を元に食をテーマにした「いただきます」を上演し、栗ガ丘小学校5年生による演劇や環境を考える部会の活動報告も行うこととしていた。「いただきます」とは福岡県福岡市にある高取保育園にカメラを向けたドキュメンターリである。

 とはいえ、2月25日12時に、松本市で初めて感染者が発生したことから、開催予定の映画「いただきます。」の上映会とお話の会は、新型コロナウイルス感染防止のため延期となった。

2020022206.JPG 一方、2020年2月22日(金)、23日(土)、徳島県小松島市のアグリカルチャーセンターにおいて、「コープ自然派しこく」の主催により「オーガニック・エコフェスタ2020」が開催された。研修室ではオオタ・ヴィン監督の映画「いただきます」の上映会とその後のトークショーがなされた。ちなみに徳島県でも2月25日の夜、藍住町の女性がクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していたことから陽性反応がでてしまった。四国で初めての検出である。まさにタッチの差であったといえるだろう。これから、今後もしばらくは各地で自粛が続くに違いない。ということで、長野県小布施に変わって映画後になされた同監督のトークショーの内容をここで紹介してみたい。

2020022217.jpg なお、会場となったJA東とくしまは、JAの中でも有機無農薬に力を入れる珍しい農協だ。それには、同農協の西田聖氏の活躍が大きい。2018年5月14日にジャーナリストの猪瀬聖氏が「脱農薬目指す異色の農協」と題して素晴らしいリポートを書いている。是非、ご覧いただきたい。

身体を壊し食で癒したことから高取保育園に関心を持つ

2020022214.jpg オオタ・ヴィンという名前ですが、バリバリの日本人です。愛知県出身です。ご覧いただいた「いただきます」は、4年前にできた映画です。その後に子どもたちがどうなったのかと良く聞かれます。そこで、ご紹介したい。まず、桃組のあさえちゃん。主演女優賞でおかっぱ頭が印象的で当時は2歳だったのですが、いま6歳です。こんな感じのお姉さんになっています。

 次がたんぽぽ組の主演男優賞のエイちゃんですね。当時0歳でした。アトピーがひどかったのですがいま2歳です。最後に味噌汁を飲むところが印象的でしたがいまでも味噌汁が大好きです。ぺろりと食べます。

20200228nishi.jpg さて、私が映画を撮り始めるときには西福江園長先生(昭和4年〜)は「100歳までやる」と言われていた。途中でお止めになるとは思っていなかった。けれども、結果として、園長の最後の貴重な1年が撮れてよかったと思っています。

 では、その後の西園長は、どうなされているのか。この写真わかりますか。ああ、わかる方は年齢がわかりますね。そう山口百恵さんの引退式の写真です。山口百恵さんと同じで、「自分がでれば後任者がやりずらい」ということでまったく保育園すら顔を出していません。自ら身を引くことで生涯一保育者としての姿勢を実践されている。素晴らしいと思います。次に、これが撮影シーンの写真。そう、これぐらいの距離で撮影して映画を作っているのです。

 さて、入口で配られたかと思いますが、保育園の献立表を、リアルな5月の献立表を参考に見て下さい。肉や乳製品がありませんね。ハンバーグもない。それでも栄養価は十分で、子どもたちは健康に育つ。是非、ご家庭の食事の参考にしていただければと思います。

 この「いただきます」は、劇場で上映をさせていただき、それを見た方が「私の地区でもやりたい」と手をあげてくださり、少しずつ広がっていった映画です。上映会のやり方も資料に書いてあるので、是非、申し込んで欲しいと思います。チラシの裏面が「いただきますパート2」です。こちらは、別の保育園ですが、オーガニックのファーマーもでてくる第2弾で、いま劇場公開中です。

 さて、では、どうして私はこの映画を作ったのか。映画の中では「食養生」がでてきますが僕自身が体調を崩して、どうしても西洋医学では治らない。そして、食べ物を変えることが一番良く、かえって健康になったと。そして、僕が普段に食べている内容の食事と同じ食事を出している保育園があるというので「これは是非映画にしたいな」と思い、映画の撮影が始まったわけです。4年前から上映が始まって、全国700カ所で上映中です。

食養生の伝統が途絶えたことで子どもたちがアトピーに

2020022207.jpg さて、これからお話するプレゼンは是非、スマホとかで撮っていただいて、関心があるテーマがあれば、ご自宅のパソコンとかで検索してみてください。まず、「食養生」とはなにか。「医食同源」とは何かです。

 人間の細胞は約100日間で変わると言われています。だいたい毎日、大人も子どもも1%ずつ身体の細胞が変わっている。つまり、アトピーになっていても治るということです。これは大人も同じです。

 この映画では本間真一郎さんが登場しますが(注1)、ステロイドを2歳までに使わなければ治ると。アトピーは日頃の積み重ねが大事であると。ひたすら薬を出す医師がいる一方で、本間医師は基本的には身体の中身から改善していかなければいけないと考えるわけです。子どもは非常によく結果がでます。そして、日本人には伝統食が一番だと思います。日本の家庭でずっと継承されてきたのが途絶えてしまったわけです。

 2020022209.jpg次にこれを見て下さい。1958年の日本の前立腺がん死亡者は18人でした。先進国の中でも劇的に少なかった。同じ年のアメリカでは死亡者が14000人です。ですが、日本でもその後に1960年から激増していく。この線グラフからわかるように大腸がん、乳がんが増えていく。では何かが変わったのか。私が気づいたのがそこです。仮に、1960年代に食べていた食事に戻したらどうなるのかと。

2020022211.jpg 昔、食べていたのはミネラルが豊富な食品でした。海藻や小魚等の海産物。オーガニックな農産物でした。いまは、普通にスーパーにはありませんが、昔の野菜はみなオーガニックでしたし、味噌や醤油も手作りでした。それを再現しようとしたのが高取保育園の給食なわけです。

米国では食養生によってがんが減少

2020022210.jpg 皆さん。がんは増えていくと思われていませんか。実はがんが増えているのは日本だけで、イギリスやアメリカでは減っているのです。では、なぜ、減ったのかというと、皮肉なことに、「食養生」を考慮して現代栄養学を変えなければならないと考えた結果なのです。なぜ、米国でがんが減ったのか、食と健康との関係性を特定することはできませんが、ひとつの大きな要因として考えられるのが、1977年のマグバガンレポートです。当時、フォード大統領が研究をして、「生活習慣病は食改善を通じてしか治らない」と結論づけました。

 そして、キーマンが、コリン・キャンベル(注2)です。彼は「大切なのはプラント(植物)ベースとホールフード」と述べている。つまり、丸ごと食べなさいと。米国の栄養学が科学的な研究をした結果、導き出された結論。これはよくよく考えてみれば和食ではないですか。つまり、実は、高取保育園の食事は古いから良いのではなく、世界の最先端で最も病気になりずらい食事であることがだんだんわかってきたわけです。

20200228over.jpg DVD「 (いのちを救う食卓革命)」はアマゾンで買えます。コリン・キャンベルに学ぶ「超医食革命」も米国のトレンドで、植物性食品による学会もあるのですが、それに参加していないのが日本の研究者です。

2020022212.jpg 発達障害の子どもも、出汁、味噌汁を飲ますと改善されたという報告があり、そのお母さんともインタビューをさせてもらいました。ミネラルやビタミンの重要性はノーベル賞を受賞したライナス・ポーリング(注)も指摘している。では、なぜ、有機農業が大事かというと、化学肥料と使わなければ根がこれだけ長く伸びて、ミネラルを多く吸収するからです。

2020022213.jpg これは映画「いただきます2」に登場する保育園でのデータですが、園児たちの病欠日数が5日以上もあったのが、給食を改善すると1日以下と、これぐらい劇的に変わっていく。

 では時間になりましたので、これでトークショーを終わりにしたいと思います。どうも、ありがとうございました。

(注1)札幌市生まれ。札幌医科大学を卒業。アメリカの国立衛生研究所でワクチンの研究をしたが、帰国後は、栃木県那須烏山市に移住。現在は七合診療所の所長として地域医療に従事しながら、2児の父として自然農で米や季節の野菜を育て自給自足でまかなう暮らしをしている。
(注2)コリン・キャンベル(Colin Campbell)はコーネル大学の栄養学の教授。栄養と癌の関連についての専門家で、1983年から1990年にかけて中国で行われた疫学研究「中国プロジェクト」を指揮した。この研究の結果、キャンベルは動物性食品をまったく食べないことが一番安全であると結論した。大学でベジタリアンの栄養学を教えている。
(注3)ライナス・ポーリング(Linus Carl Pauling)は、アメリカの量子化学者、生化学者。20世紀における最も重要な化学者の一人。量子力学を化学に応用し化学結合の本性を記述した業績により1954年にノーベル化学賞を受賞。 1962年、地上核実験に対する反対運動の業績によりノーベル平和賞を受賞。化学賞と平和賞という全く異なる分野に及ぶ唯一の受賞者で後年、大量のビタミンCや他の栄養素を摂取する健康法を提唱した。

【写真】
西福江延長の画像はこのサイトより
コリン・キャンベル教授のフォーク・オーバー・ナイブズの画像はこのサイトより
posted by 情報屋 at 06:00| Comment(0) | 有機学校給食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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