2020年1月31日吉祥寺
オーガニック給食を実現したい
鮫田晋 はい。仲間の小畑さんが作ったお米のシャツなので着させてもらいました。
オオタ さて、日本でも山形県の高畠町とか有機農業が盛んなところはあったのですが、いすみ市は、ゼロから出発されたのが凄かったと。そして、もともとはサーファーだったそうですね。良い波乗りができるので千葉県に就職されたと。
鮫田晋 学生の頃からサーヴィンには入り浸っていました。そして、東京でサラリーマンをやっていたのですが、転職をしたわけです。
オオタ どこで有機農業とは出会われたのですか。
オオタ そして、全くのゼロからわずか4年で、今、市内の11校が全部オーガニックになったと。なぜそれが可能だったのでしょうか。
鮫田晋 なにもなかったことが良かったのではないかと。そして、できた有機米は子どもたちに食べさせるのがいいと地元でもなって。ゼロからやったので、かえって本質的なことができたと思っています。
あえてネガティブな情報は外し、ポジティブを打ち出して作られた映画
オオタ さて、僕の映画ではあえて「ネガティブな状況が入らないように作ったのですが、日本は世界でも農薬の使用量がワースト3。その割りを食っているのが子どもたちです。そして、具体的な解決方法はあるわけですが、農家が有機農業へと変わるのはまだまだリスキーであると。そして、学校給食のように安定して納品できる先があれば、オーガーニックをやりたいという人もいる。そして、行政の中にも鮫田さんのようなスーパー公務員がいればいいのだけれども、一方で、僕ら消費者も「いい給食を食べたい」と口に出すことがいいのではないかと。
鮫田晋 有機米プロジェクトをやったわけですけれども、これも地元では知られていなかった。それが、学校給食をやったら「どこで作っているのですか」とどんどん追い風になって全量有機を目指すことになったと。
オオタ そういう行政の方に対して、援護射撃があることが大事だということですね。
鮫田晋 どうしても行政は反対するわけです。
オオタ けれども、有機給食については反対する理由がどこにもないと。
鮫田晋 そう、どうすればできるかのやり方を議論すればいいわけです。
ミネラルが減っている時代だからこそオーガニック
国光 感動してしまいました。こういう食があたり前になって食べて欲しいなと。菌ちゃんに守られていたのだと。菌ちゃんがいっぱいいれば、食害の問題も解決されるのではないかと思います。微生物の力、野菜の力が大事なのですが、ミネラルが減っている。そこで、特にオーガニックにしていく活動をしているのですが、是非ともこの映画を広げてもらいたい。なぜオーガニックなのかが非常にわかりやすく、心に響く映像をありがとうございます。
韓国もフランスも有機になっていく中、日本だけがガラパゴス
鮫田晋 転換することは難しいと皆思っていますが、できるんです。
オオタ 今日は、世田谷区や三鷹市からも会場に来ておられますが、この会場には行政の方もいらっしゃるのだろうと。
鮫田晋 実はいすみの有機はゼロから考えてことではなくて、全国では過去にやっている自治体があるのです。私が書いた本ではないですが今治市の安井孝さんという、ものすごく頑張った方がおられて、この方の本は擦り切れるくらい読み込みました。すでにやっている事例があることがいいのです。
オオタ あそこではできているのに、なぜうちではやってくれないのかと。やればできるではないかと。ソウルだと他国で前例がないとされてしまいますが、日本の国内でも今治市のように事例があるわけですよね。なぜ、広まらないのですかね。
鮫田晋 お金がない。暇がない。そして、私も行政マンなので身内の悪口は言いたくはないのですがどうしてもできない理由ばかりを言ってしまうと。そうならない関係を市民たちと作っていきたい。
いすみ市が転換して良かったことは
オオタ 鮫田さんが言われていたように、いいことについての目線で。で、いすみ市では、こんなにいいことがあったと短く言っていただけますか。
鮫田晋 まず農家が喜びますね。今の農家はプライドを持ってできないのです。そこで、なかなか次世代に経営が移譲できない。ですが、有機によってスポットが当たる。となれば、主役じゃないですか。そこで底力が出てくると。
オオタ 農家でも農薬や化学肥料が悪いことは十分にご存知ですが、有機では効率的にできないと思われている。
鮫田晋 そして、自然が蘇ってきている。環境的にも持続的です。それがわかっている。また、地域社会にも地元の子どもたちにも認められ、希望の源になっている。そういう社会づくりをやっている。食べる人の未来、つまり、農業を支えているのが食べる人なのです。
農協を攻撃するのは短絡的
オオタ オーガニックと言うとJAは化学肥料と農薬を売っているわけで、オーガニックVS農協という図式になるわけですがそれでは縁が生まれない。そこでエンドロールで、最後にはわざと参加してもらった農協の名前も出しているわけです。JAだから農薬を売らなければいけないではなくて、農協でも有機をやっているところもある。そして、どうしたら日本の農産物を海外にもアピールできるのか。イメージだけの安全・安心だけでなく、具体的な選択肢があった方がいいと。
鮫田晋 うちも学校給食の食材は農協さんでしっかり売っていますからね。農協の組織全体で有機農業を推進することは難しいですが、やることは大変ではない。
有機米はブランド化にもつながった
オオタ 逆にブランド化にもつながっているわけですよね。是非、いすみっ子のお話を。
鮫田晋 今、いろんな人に知ってもらうことになったのも学校給食のおかげなんです。ブランド化作りに携わってくれた方もいるのだけれども、「いすみっこ」でこれを売っていこうよと。つまり、有機給食で評価されて、お米も知っていただけることになっていると。
オオタ JAいすみっこだと。
鮫田晋 JAは地域を支える大事な存在でありますから。
オオタ 農協もオーガニックをやることでアピールしていけばいいのですがね。鮫田 つながれるところでつながっていけばいいのです。それがないと、慣行VS有機に分けて戦っていくことになってしまう。
女性の感情的な生の声を聞けば男性も動く
オオタ 本日はあと5分ぐらいしかないのですが、メダカの学校の中村陽子さんも来られています。武蔵野でNPOをされている。
中村陽子 武蔵野市は有機給食をやっています。杉並区とか目黒区とか足立区とか三鷹市とか。できないことはないと。熱心な人がうちにはいます。議員さんでも会ったりして話すと。そして、全員が母親の味方ですと。この世の中には母親の敵はいないので、それを声を出すことがいいので。ということで、私はサポート婆に徹しようと。そして議員さんのところに一緒に行こうと。お母さんたちの切実な言葉とかを聞いていると涙が出てくる。が男性はどうしてもご飯を作ったり子育てをしていないのでわからない。けれども、そうして、初めて女性の声を聞いて、不安で自分を責めているお母さんがいることがわかる。ですから、どうぞ、みなさん自信を持たれてうちにお越しくださいと。会場の方でもいらっしゃって。そして、ご自分の住まれているところで、皆さんなさればいいと。
鮫田晋 本当に自信を持っていいです。議員とかも反対もない。逆に、子どもの命を守りたくないとは言えない。反対しづらい。子どもの未来に反対していますなんて言えれば、その議員の人格が疑われてしまうと。
映像の力〜フランスも議員が映画を見て政策が転換
オオタ パンフレットには本の情報も入っていますし、理解を深めたい人は買っていただければサイン会もしていますので。さて、時間もないのですが、今日は会場に印鑰智也さんがおみえになられているので、NPOとして、映画の翻訳とかもされているので、カメラ目線で映画の感想を一言だけアドバイスを。
印鑰智也 アドイバイスどころでなく、一人でも多くの人に見てもらうことが大事な映画だと思いました。僕は真反対でいかに危ないかばかりをやっているので。ですが、大事なアプローチとしてこうしたポジティブなイメージだと先へいけますし、僕はネガティブなことばかりなので。それを背景に前に行こうと前にもいかしてもらえるので、是非、学校とか教育委員会とか議会とかでも見てもらいたい映画です。実は、中国も共産党のトップがこうした映画を見ている。フランス議会も議員が見ている。この映画ではないですが、同じ内容のをです。映像の力というのは本当に強い。是非、皆さんに広げてもらいたい映画です。
【画像】
映画「いただきます」の画像はこのサイトより
鮫田晋主査の画像はこのサイトより
国光美佳さんの画像はこのサイトより
編集後記
こんな刺激的なキーフレーズから始まるオオタヴィン監督の「いただきます2」が、1月24日からUPLINK吉祥寺で公開上映されている。公開記念として、映画上映後には、木村秋則、辻信一氏等、著名人とオオタヴィン監督とのトークショーもセットになっている。
とりわけ、気になったのは、日本で最初にオーガニック給食を実現した千葉県いすみ市のキーマン、鮫田晋氏も登場していることだ。そこで、映画を鑑賞すると同時にトークショーをきいた。もちろん、会場での撮影は録音はオミットだ。したがって、以下は、現場で書き置きしたメモから編集子が再現してみたものだ。したがって、現実の対話とは微妙に違う。とはいえ、本質的な部分はかなり再現できたのではないかと思っている。オーガニックの推進、有機学校給食の実現の何かの参考になれば幸いである。
(2020年2月1日投稿)






